「夢見る機械(世にも奇妙な物語’16 春)」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

1) 野間崎健二(窪田正孝)は、漫画家になる夢を抱いて工場で勤務していた。実家暮らしの彼が自宅で漫画を描いていると、母親になかなか芽の出ない漫画について小言を言われ、つい母親を強く押してしまう。そこで、倒れた母親がロボットであることに気づいてしまう。

2) 母親だけでなく、父親、工場の上司、編集者もロボットであった。周りの人間全てがロボットに思えるようになる中、恋人・慶子(石橋杏奈)もロボットであると判明する。健二は、慶子のバッグに入れられた「世界財団 ユートピア配給会社」と書かれたパンフレットを見つける。

3) パンフレットに書かれた住所に向かうと、そこで人々が「夢のない現実から逃避するため、いい夢を見続けられる装置」に繋がれていることを知らされる。その人々の穴埋めを行うため、ロボットが置かれるようになっていたのだった。

4) 健二は両親や慶子を起こそうとするが、起きた慶子は「なんで起こしたのよ」と不機嫌そうに言う。彼女は、イラストレーターの夢を諦め、夢の中で過ごすことを選択したのだった。健二は外に出ると、既にそこには人間はおらず、ロボットばかりであることに気づく。

詳細なあらすじ

野間崎健二(窪田正孝)は、漫画家になる夢を抱き、作品を描いては編集社に持ち込みを行っていた。だが、結果は思わしくなく、掲載もしてもらえそうにない。

恋人・慶子(石橋杏奈)に報告し、「才能ないのかな…」と落ち込む。慶子もまた、イラストレーターを目指していたが、諦めていた。

実家暮らしの健二は、漫画を描いていると、母が部屋にやってきて、「子供みたいに、いつまでも…」と言う。そんな母から原稿を取り返そうとすると、彼女は倒れてしまう。健二は、倒れこんでしまった母を心配する。

抱き起こそうとするが、母親は腕がとれてしまう。さらに、まるでロボットのような動きをしており、最終的には動かなくなってしまった。そのことを慌てて父親に報告しようとするが、まるで健二が帰ってきた直後のように「母さんならパートだ」と繰り返すだけだった。

それから、編集社の人間、働く工場の上司などもまた、同じようなことしか言わないことに気づく。自分以外の人間が、ヒトではなくロボットであると健二は思い始める。

慶子に「ロボット」について話をするが、彼女は信じようとしない。そんな彼女に、自室に倒れたままの母親を見せようとするが、母親は既に姿を消していた。一方、その帰り道で、彼女は「世界財団 ユートピア配給会社」と書かれたパンフレットを眺めていた。

工場の上司を力強く地面に叩きつけると、彼は母親と同じように動かなくなった。ついに、健二は周りの人間がロボットであるという確信を持つ。

さらに、母親の腕に書かれていた「UTOPIA」という印と同じように、「UTOPIA配給会社」と書かれたバンを街中で見かける。

周りの人間がロボットであるということを健二は慶子に相談するが、慶子は「それのどこが問題なの?」と言う。さらに、慶子の指にあったはずの傷がなくなっていることから、慶子もまたロボットになっていると健二は思う。

健二は、慶子のバッグにあった「世界財団 ユートピア配給会社」というパンフレットに書かれた住所に出向く。案内する女性に連れられ、健二は地下に向かう。そこには、それぞれのカプセルの中に人間が入れられ、眠っている。ヘッドギアのようなものが頭部に装着され、多くの線が繋がれていた。

彼らは、「退屈で夢のない日常に夢を求めるため、夢の中で第二の人生を過ごしている」のだという。その一方、その人物が抜けた穴を埋めるため、ロボットが用意されている。両親もまた、幸せな夢の中で暮らしていた。

両親を起こそうとするが、健二は止められる。「君も体験してみてはどうか」と言われ、健二も眠らされそうになるが、そこで慶子に助けられる。慶子は、カプセルに入ることを迷っており、やはり入らずに現実世界で生きることを選んだのだった。

健二は、漫画家としてデビューが決まる。「ニセモノのユートピアにいたら、こんなリアルな幸せ、実感できなかった」と言うが、健二は「ここがユートピアなの」と慶子に言われる。健二は、お試し版ユートピアの世界を経験していたのだった。慶子は、実際はカプセルの中に入っていた。イラストレーターとしての夢を諦めたことに悲観し、慶子は夢の中で生きることにしたのだった。

理事長に「夢と気付かなければ、現実と何が違うのかね?」と言う。迫る理事長に、健二は鉄パイプで殴りかかる。だが、そんな理事長もロボットだった。理事長は、身代わりロボットで世界を満たし、牛耳ろうとしていた。だが、結局は幸せな夢の中で生きれば良いと結論付け、夢の中にいることを選んだのだった。

健二は、夢を制御する機械を破壊する。慶子は起きて健二は喜ぶが、「なんで起こしたのよ」と不機嫌に言われてしまう。健二は外に出るが、周りの人間は全員ロボットになっており、ヒトはいなくなっていた。

揺らぐ風船を見かけ、喜び勇んで健二は向かうが、その風船を持っている子供もロボットだった。

原作:

諸星大二郎特選集 子供の情景

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