「懲役30日」(世にも奇妙な物語 第318話)あらすじ・ネタバレ・結末

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簡単なあらすじ

1) 男(三上博史)は、7人を殺害した上に、武装強盗の罪で指名手配されていた凶悪犯であった。そんな彼は逮捕され、死刑が廃止されているため、終身刑に処されるかと思われたが、裁判官が下した判決は、「懲役30日」であった。

2) 喜ぶ男は、医師らしき人物に注射を打たれ、意識を失う。その後、刑務所へと連れて行かれる。そこで、サディスティックな看守長(松重豊)に朝から日没まで屋上に縛りつけられ、過酷な29日間を過ごす。ついに最終日、出所できるかと思いきや、看守長は男を電気椅子に座らせる。

3) 男は命乞いをするが、看守長は電気椅子の電源を入れる。男は死んだかと思いきや、目を覚ますと目の前に医師がいた。注射を打たれ、眠っていたようだ。「もう30日経ったはずだ。出してくれ」と言うが、医師は「まだだ。君がここにきて、5分しか経っていない」という。

4) 死刑が廃止され、刑務所の収容能力は限界を迎えていた。そこで、こうした現実世界では短期間であっても、長い年数を仮想現実で過ごさせる刑が行われるようになったのだった。5分で30日間(仮想現実)を過ごすとなると、1時間で1年(仮想現実)。30日間ともなると、720年もの期間を仮想現実で過ごすことになるのだった。男は”720年”もの刑期を終え、出所することになる。彼女は出迎えに来ていたのだったが、彼女が気づかないほど男は変わり果てた様子であった。

詳細なあらすじ

男(三上博史)は、7人を殺害した上に、武装強盗の罪で指名手配されていた凶悪犯であった。地下駐車場で、彼女(夏生ゆうな)が運転するクルマに乗っているところを警察に取り囲まれ、ついに逮捕される。

そんな彼は、逮捕されて悪びれるわけでもなく、弁護士(小日向文世)にすら「俺を終身刑なんかにしたら、容赦しねぇぞ!」と凄む。死刑を望む彼に、弁護士は「死刑は既に廃止されました」と言う。

裁判が行われ、男に判決が言い渡される。裁判官は、「懲役30日の刑に処する」と判決を下す。男は拍子抜けしたようであり、「たった30日で出られんのか」と大喜びし、弁護士に礼を言う。だが、弁護士は複雑な表情をしたままであった。

男は身体検査を受け、ベッドの上に寝かされる。脳波や心電図モニターが置かれた部屋で、傍らには白衣を着た医師が立っていた。その医師により、男は薬品を注射される。そのときの時刻は、4時であった。

男が目を覚ますと、そこは刑務所であった。薄汚い独居房に入れられるも、「あと30日いれば、ここともおさらばだ」と高をくくっていた。翌朝、看守長(松重豊)に起こされると、屋上に連れていかれた。炎天下の中、男は柱にくくりつけられる。

看守長は、「今日から君は、ここに日没まで立っているんだ。それが懲役だ」と告げる。鉄板の上に水をこぼせばすぐに蒸発するような中、男は裸足で立たされる。さらに翌日からも、炎天下の中で立ち続けさせられる。

水につけた革紐を首に巻きつけられ、乾いた紐は首を締め付ける。窒息しかけた男は、気を失ってしまう。さらには、火傷のように日焼けした皮膚に、粗塩を塗りこめられた。サディスティックな看守長を恨んだ男は、「ここを出たら、アイツに復讐する」と決意する。

ついに懲役開始から29日目を迎え、男は「明日、出られるんだ」と喜ぶ。だが、翌朝に看守長は男を起こすと、電気椅子に縛り付ける。死刑を執行するという看守長に、男は「彼女が迎えに来る。黙ってないぞ」と言うが、「出所した人間が行方不明になることはよくあることだ。死体も溶かしてしまうから、証拠は残らない」と言われてしまう。

男は命乞いを行うが、「そのセリフ、殺された人たちが聞いたら、なんと思うかな」と言い、看守長は電気椅子のレバーを上げ、男の死刑は執行される。

だが、男は目を覚ますと、脳波や心電図のモニターが置かれた部屋のベッドの上にいた。そこには、見覚えのある薄気味悪い笑顔を浮かべた医師がいた。「俺は死んだのか・・・」と言うが、医師は「君は生きている」と言う。

「助かった・・・30日経ったんだ、出してくれ」と言うが、医師は「いや、まだだ」という。時計を見ると、4時5分過ぎ。「君がこの部屋に来てから、まだ5分しか経っていない」と医師は言う。医師が注射した薬物は、仮想現実を見せるためのものだった。男が経験した苦痛に満ちた30日は、現実世界でたった5分に過ぎなかった。

再び医師は薬物を注射しようとし、男は「やめてくれ」と絶叫する。だが、その願いも空しく、再び男は注射を打たれる。

死刑が廃止され、刑務所の収容能力は限界を迎えていた。そこで、こうした現実世界では短期間であっても、長い年数を仮想現実で過ごさせる刑が行われるようになったのだった。5分で30日間(仮想現実)を過ごすとなると、1時間で1年(仮想現実)。30日間ともなると、720年もの期間を仮想現実で過ごすことになるのだった。

男は”720年”もの刑期を終え、出所することになる。彼女は出迎えに来ていたのだったが、彼女が気づかないほど男は変わり果てた様子であった。

1998年9月25日放送 脚本:高山直也、鈴木勝秀

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