「ダラス・バイヤーズクラブ」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

1) 1985年、電気技師のロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、病院でエイズと診断される。ゲイだけの病気と思っていたロンは信じようとしないが、「余命30日」と言われ、なおかつ体調不良によりHIVの治療法を模索し始める。

2) 有効とされる治療法を探すが、AZTなどをはじめ、FDA(アメリカ食品医薬品局)未承認であった。病院スタッフからAZTを横流ししてもらうが、入手できなくなってしまう。そこで、ロンは紹介されたメキシコの闇医者・ヴァス医師(グリフィン・ダン)にペプチドTやビタミン剤などによる治療を施され、ドラッグを使うことをやめたこともあり、回復する。

3) ロンは、同じくHIV患者でありトランスジェンダーのレイヨン(ジャレッド・レト)とビジネスパートナーなり、月400ドルで薬を配布する「ダラス・バイヤーズクラブ」という会社を立ち上げる。FDAの横槍により、運営が困難となるが、ロンは患者たちに薬を提供し続ける。

4) レイヨンが亡くなった後も、「ダラス・バイヤーズクラブ」で未承認薬を提供する。FDAと法廷闘争の後に敗訴するが、事務所に戻ったロンは、患者や理解ある医師であるイヴ・サックス(ジェニファー・ガーナー)たちに温かい拍手で迎えられる。

起:告知

1985年、電気技師のロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、しつこい咳に悩まされながら、ロデオ会場にいた。ロデオでの賭けを募っていたが、自身の負けがこんできたことを悟り、逃げ帰る。帰宅すると、ロンは頭痛・耳鳴りを感じながら倒れこみ、意識を失ってしまう。

それでもロンはドラッグを使用し、酒を飲む。健康に気を遣うのとは程遠い生活を送っていた彼に、ある日転機が訪れる。電気技師として勤務していた際、同僚が脚を挟まれ、装置の電源を落とそうとしてショートし、ロンは倒れてしまう。そんな彼が目を覚ますと、病院にいた。

病院で彼は、イヴ・サックス医師(ジェニファー・ガーナー)と上司のセヴァード医師(デニス・オヘア)にエイズであると伝えられる。CD4陽性Tリンパ球数が200/μLを下回ると免疫不全に陥るが、ロンは8 /μLしかなかった。しつこい咳は免疫不全によるカリニ肺炎、慢性的な頭痛やめまいなどもエイズによる症状と考えられた。

イヴは、彼が重篤な状態であり、「余命30日」と告げるが、ロンは「エイズはゲイの病気」と考え、自分がそのような病気であると信じようとしない。

承:余命30日

「余命30日」と告げられたことが気になり、ロンはエイズについて調べ始める。そして、AZTやddC、ペプチドTなどの薬が使えないのか、とイヴ医師に相談する。だが、AZTを始めとして、当時それらの薬はFDA(アメリカ食品医薬品局)未承認であった。

同時期、病院ではAZTの治験が始まっていた。そこでロンは、「参加させてくれ」と申し出る。ところが、二重盲検試験で行われる治験では、使用される薬がAZTか偽薬なのかは不明である。そのような賭けはできないというロンは、AZTを横流しして欲しいと申し出るが、イヴ医師は応じようとしない。

ロンは、たまたまバーで出会った男が、病院の清掃員であると気づき、彼に金を払って盗んだAZTを渡してもらう。ロンは、AZTを使用しはじめるが、清掃員は「警備が厳重になった」とのことで、もうAZTが手に入らないと言う。

清掃員は、メキシコにいる医師の住所を教える。そこならば、AZTも処方してもらえるかもしれないのだという。だが、ロンはAZTをよこせ、と詰め寄り、殴りかかろうとするも避けられ、地面に倒れてしまう。意識を失ったロンは、イヴやセヴァード医師に「血中からAZTが検出された。どこで手に入れた?」と問い詰められるが、出所は明かさない。

その病室で彼は、同室に入院していたトランスジェンダーのレイヨン(ジャレッド・レト)と出会う。レイヨンは、AZTの治験に参加しており、同じ病気の友人にAZTを半分売っていると明かす。ロンは自分にも売って欲しいと言うが、レイヨンは「三等分にはできない」と言って断る。

ロンは自らの意思で退院し、帰宅する。家にはエイズであることを差別するかのような落書きがされており、彼はその足でメキシコへと向かう。余命を宣告された日から30日が過ぎようとしており、ロンは死が迫ってきていることに恐怖する。

転:ダラス・バイヤーズクラブ

メキシコにいるヴァス医師(グリフィン・ダン)は、免許を剥奪された医師であった。その彼は、ロンに「AZTは免疫を低下させるだけだ。それに、ドラッグもやめろ。さらに免疫低下状態を招く」と言う。そして、ビタミン剤やペプチドTを処方する。

3ヶ月後、ロンは生き延びていた。ヴァス医師にペプチドTなどの薬を大量に処方してもらい、国境線を渡ろうとする。ロンは神父を装って、さらには「私は末期がんなのです。この大量の薬も、私のたった90日分(薬を持ち込める上限の日数分)にしかならない」と言い張る。

「薬を売って利益を得ようとしたら、逮捕する」とFDAの担当官に警告されるも、ロンはすぐに薬を売る。その中で、レイヨンに「仲間を紹介するから、利益の25%をちょうだい」と提案される。ロンはためらうも、レイヨンをビジネスパートナーにする。

ロンは、薬を仕入れては売るようになる。エイズ患者の強いAZTはFDAに認可そしてついには、「ダラス・バイヤーズクラブ」という会社を立ち上げる。ロンは、月400ドルを払う代わりに、エイズに効果のある薬を提供する。ロンはメキシコだけでなく、日本で研究されていたインターフェロンαもまた仕入れに行く。

だが、「時間をかけて点滴する」という注意を聞かず、ロンは帰国すると同時にインターフェロンαを静脈内注射してしまう。結果、ロンはトイレの個室で意識を失い、救急搬送されてしまう。イヴ医師たちは、余命わずかだと思っていたロンが数ヶ月後に現れたために驚く。

インターフェロンαは押収されてしまうが、その他のビタミン剤やペプチドTなどを使用し、患者たちに薬を月400ドルで与える。患者たちは列を成して薬を求めるようになり、次第に「ダラス・バイヤーズクラブ」は有名になっていく。

だが、FDAに目をつけられたダラス・バイヤーズクラブは、薬を押収されてしまう。さらには、FDAは重篤な患者への緊急時使用といった場合に限り、未承認薬を提供することを一部容認するようになる。結果、医師たちは危険を冒してまでロンたちに薬を処方しないようになってしまう。

薬が手に入らないようになり、ロンはダラス・バイヤーズクラブの資金繰りに窮するようになる。結果、レイヨンは絶縁状態となっていた父親のもとに行き、「世話になっている人のため、資金を提供して。お願い」と願い出る。まとまった現金を手にし、ロンは再びメキシコへと飛び、ヴァス医師から薬を仕入れる。

その晩、ロンはヴァス医師がイモムシから薬効成分を抽出するために飼っている大量の蛾がいる部屋に入る。まとわりつく蛾は、まるでいつまでもつきまとうHIVウィルスのようであった。

結:レイヨンの死

レイヨンはドラッグを使い続け、目に見えて体調不良であった。恋人のサニー(ブラッドフォード・コックス)は、レイヨンを病院に連れて行く。だが、まもなくして死亡してしまう。ロンは、帰国後にレイヨンの訃報を知り、病院へと向かう。入院中にAZTを投与したことで、セヴァード医師に抗議する。

イヴ医師は、レイヨンの死をきっかけに、ロンたちの活動を認めるようになる。AZTの使用量を減らし、「ダラス・バイヤーズクラブ」のチラシを院内にこっそりと置くようになる。だが、セヴァード医師はそんなイヴ医師の行動を認めず、イヴは解雇されてしまう。イヴはロンと親しくなり、

レイヨンを失い、ロンは400ドルを支払えない患者にも薬を与えるようになる。そして、未承認薬が制限されていることについて、ロンはFDAを提訴する。裁判が行われ、患者の治療が妨げられてしまうというロンの主張は一部認められるが、敗訴してしまう。

失意のロンが事務所に戻ると、そこにはイヴ、患者たちがいた。ロンは、彼らに温かい拍手で迎えられるのだった。ロンは、それからもロデオに参加するなど、自分の人生を全うする。彼は、余命宣告されてから7年後、その生涯を閉じるのであった。

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