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ドラマ「法月綸太郎 一の悲劇」あらすじ・ネタバレ

   

簡単なあらすじ

1) 不動産企業常務・山倉史朗の妻である和美(富田靖子)のもとに、「息子を誘拐した」と、身代金要求の脅迫電話がかかってくる。だが、家にはその息子・隆史がおり、誘拐されたのは隆史の同級生で富沢路子(矢田亜希子)の息子・茂だった。

2) 警察は、誤認誘拐と考え、犯人は隆史を誘拐するつもりであったが、茂を誤って誘拐したのだと考える。隆史は、身代金5千万円を犯人に引き渡しに行くが、犯人の指示で移動している途中、神社の石段で転げ落ち、気を失う。目を覚ました後、自宅に戻ると、犯人からの電話で、子供が殺害されて遺体のある場所を明かされるのだった。

3) 警察は、犯人を隆史の実の父親・三浦靖史(波岡一喜)であると考える。だが、三浦には、推理作家・法月綸太郎(長谷川博己)と一日中一緒におり、死亡推定時刻の8時まで法月家にいたというアリバイがあった。

4) 綸太郎は、三浦が携帯電話からヴォイスメモ機能で脅迫電話をかけ、アリバイを作ったと考える。そして、別の犯人が茂を殺害。法月家を出て、茂の遺体を受け取った三浦は、遺体を河川敷へと運んだのだった。

5) 茂を殺害したのは、和美だった。和美は、隆史に学校を休ませ、迎えにきた茂を眠らせ、ガレージに監禁していた。そして、警察官が詰めかけるリビングを、「湧き水をとってくる」と後にしてガレージに行き、そこで午後7時に茂を殺害したのだった。

6) 茂は実は、夫・史朗と路子の子供だったのだ。和美は不妊治療を5年続け、妊娠するも流産してしまった。精神的に不安定になる中、看護師だった路子と史朗は不倫。結果、茂を妊娠したのだった。その事実に気づいた和美は、路子に対し憎悪を抱き、「地獄を味あわせてやる」と考え、三浦を仲間に引き入れ、茂殺害を計画したのだった。

7) 誘拐事件後、用済みとなった三浦を、和美は殺害する。三浦は、和美を庇って自ら部屋に鍵をかけ、密室を作り出したのだった。綸太郎は、全ての事件の真相に気づき、推理を和美に語って聞かせる。和美は全てを認めた後、屋敷のベランダから身を投げて、自殺するのだった。

起:誘拐事件発生

富沢路子(矢田亜希子)の息子・茂が誘拐される。そして、茂の遺体が二子大橋の河川敷で発見されたと通報があり、両親たちは確認に向かう。路子は、その遺体が茂だと気づき、泣き叫ぶ。その様子を、山倉史朗(伊原剛志)が呆然と見ていた。

事件の始まりは、一本の脅迫電話であった。不動産企業常務・山倉史朗の妻である和美(富田靖子)のもとに、身代金要求の脅迫電話がかかってきたのだった。だが、息子・隆史は自宅にいた。

茂は、隆史を誤認して誘拐したと警察は考えていた。法月貞雄警視(奥田瑛二)や久能晴路警部(モロ師岡)ら捜査一課により、犯人逮捕のために本格的な捜査が開始される。

久能は、山倉家を訪れる。そこで、隆史は体調不良で学校を欠席し、迎えにきた茂がやってきたと和美は証言する。その後、我が子が家にいるにも関わらず、「誘拐された」と脅迫電話がかかってくる。

イタズラにしても気味が悪く、さらに茂が登校していないことを知り、警察に通報を行ったのだった。

7日、史朗は門脇社長(中尾彬)で義父の出席する会議が開かれていた。その後、門脇社長に「最近、娘から相談を受けた。気味の帰りが遅いと。…また、前のようにならないかと、私は気が気でなくてね」と言う。

そんな中、和美から「今から家に帰ってこれない?変な電話がかかってきて…隆史はここにいるわ。でも、イタズラにしても気味が悪くて」と言う。

史朗が家に戻ると、不安そうな表情の路子がいた。茂は、隆史が体調不良のため、1人で登校し、学校には行っていないことが判明したのだという。

史朗は、「イタズラかもしれないと思いましたが、冨沢さんと相談し、通報させていただきました」という。刑事たちは山倉家にやってきて、電話の逆探知などを試みていた。

脅迫電話がかかってきて、「山倉か…金が欲しければ、5千万円を用意しろ。警察に知らせたら、子供は殺す。身代金の受け渡し場所は追って知らせる」と言う。逆探知は間に合わなかった。

承:身代金受け渡し失敗

茂の父親は、北京出張から急いで帰国してきた。5千万円は、山倉家が用立てた。「身代金はボストンバッグに入れ、湾岸マリーナに来い」と言う。史朗は、警察の制止を振り切り、自ら「私が身代金を渡しに行きます」と言って湾岸マリーナへと向かう。

制限時間になんとか間に合う。そこで再び携帯電話に電話がかかってきて、「次は赤坂の迎賓会館に行け」と指示する。そこで電話がかかってきて、「裏切ったな。警察に尾行をやめさせろ。発信機を全て捨てろ。お前の家も盗聴している」と犯人は告げる。

メールが届き、「上着の発信機などを捨てた上で、外苑トンネルに行け」と指示される。今度は、「クルマを捨てて、渋谷神社に行け。着いたら懐中電灯で合図しろ」と指示され、史朗は走る。

神社に着くと、史朗は懐中電灯をつけ、「間に合ったぞ!」と叫ぶ。近くにある公衆電話が鳴り、史朗は電話に出る。すると、「2分以内にクルマに戻れ」と指示される。史朗は、再び走り出す。だが、階段の途中で転倒し、史朗は気を失う。

史朗は、雨で目を覚ます。身代金のバッグを掴み、急いでクルマに戻るが、時既に遅しであった。史朗は、「1時間気を失っており、受け渡しに間に合わなかった」と告げる。

家に電話がかかってきて、「どうしてこなかった?子供を返してやる。二子大橋の河川敷に置いてきた」と告げられる。

史朗は、「私が独断で動かなければ…」と後悔していた。久能刑事は、「神社で、青いクルマが目撃されています。覚えはありませんか?」と尋ねる。門脇社長は、「心当たりはありません」と言う。だが、三浦靖史(波岡一喜)の調査報告書によると、三浦は青いクルマに乗っていた。

久能刑事たちは、タクシーに乗った史朗を追跡する。史朗は、三浦の家に向かう。駐車場には、青いクルマが駐車してあった。久能は、すぐさま照会を指示する。

史朗は、三浦をいきなり殴りつける。史朗は、「なんで殺したんだ!」と殴り、やってきた久能刑事に「コイツが殺したんです」と言う。

三浦は、隆史の実の父親(なおかつ和美の義弟)であった。だが、妻を出産のときに亡くしており、隆史は史朗・路子の養子となったのだった。それから、三浦は隆史を取り戻そうとしていたという。

司法解剖の結果、絞殺であることが判明した。しかも、死亡推定時刻により、身代金受け渡しが行われようとしていた19時から20時に既に殺害されていたことが判明する。

三浦は、19時から20時のアリバイを訊かれ、「推理作家の法月綸太郎(長谷川博己)さんと一緒にいた」と明かす。綸太郎は、法月貞雄警視の息子だった。

転:綸太郎の捜査

貞雄が家に戻ると、事件の重要参考人である三浦について、綸太郎に訊ねる。三浦は、『ぼくらの12時間』という番組で、綸太郎の密着取材を行う予定だったのだった。

家政婦の小笠原花代(渡辺えり)は、家にいた三浦について事細かに証言する。花代は、三浦が夕食を摂ることなく午後8時までずっといたのだという。その間、三浦はどこにも出かけていなかった。久能は、三浦には犯行が不可能であることに落胆する。

綸太郎は、三浦と出版社のパーティーで出会った。そのことが縁で、取材を行うことになったのだという。貞雄は、「完璧すぎて、作為性を感じる。綸太郎、お前はアイツの計画に利用されたんだ」と言う。

綸太郎は、三浦のインタビューを受けていた。そこで、三浦は「今はGPSや携帯電話がある。ミステリーはトリックが成立しづらくなっているのでは?」と言う。綸太郎は、「トリックの本来の意味をご存知で?相手のことを騙そうと企んでいる人間が仕掛ける罠ですよ。人間が犯罪を犯そうとする限り、トリックは尽きないんです」と言う。

茂の葬儀が行われ、史朗や和美たちは参列する。葬儀には、刑事たちも犯人探しにやってきていた。そこに綸太郎もやってきていた。久能刑事は、「小説のネタにしにやってきたんですか?」とそんな綸太郎を煙たがる。

献花の時、祈る史朗に路子は掴みかかる。「あなたが茂を殺したのよ!人殺し!」と路子が叫ぶ。綸太郎は、その様子を目撃していた。帰宅し、「なぜ私がアリバイ作りに利用されたのか…」と疑問に思っていた。

綸太郎は、三浦の家へと向かう途中、和美とすれ違う。三浦の家の前には、久能刑事らがいた。綸太郎は、「どうして僕をアリバイに利用したのか、その理由を聞きに来たんです」という。

そんな中、ドアの下の隙間から、血液が流れ出てきているのを発見する。三浦は包丁で腹部を刺され、既に死亡していた。ドアには鍵がかかっており、ドアを背にしていたようだった。

三浦の部屋には、金属バットが転がっていた。そして、ベランダの鍵が開いていた。刑事たちは、「犯人は、ベランダから外に出たのでは」と考える。

綸太郎は、日本ミステリー作家賞の雑誌を見て、「僕が大賞をとったとき、三浦は佳作だったんです。だから、僕をアリバイ作りに選んだんだ」と言う。三浦の作品は、エド・マクベインの誘拐小説『キングの身代金』の盗作ではないか、と指摘されていた。

そして、「最初から、三浦は茂君を狙っていたのでは…僕をアリバイ作りに利用したのは、嫉妬心からだ」と考える。PCのファイルには、隆史の写真があった。故に、茂を隆史と誤認して誘拐した可能性は低い、と考えられた。

綸太郎は、「和美さんに話を聞いた方が良い。ここに来る途中、和美さんに会いました」と久能刑事に言う。

和美は、「夫が、三浦さんが何か知っているのではと思い、話を聞きに行きましたが、以前と変わってしまい、話を上手くすることができませんでした」と言う。

綸太郎は、和美に路子との関係を訊く。「私が出産していた時に、病院にいた看護師さんなんです。その後、偶然出会って仲良くなったんです」と明かす。

史朗は、任意同行を求められ、事情を話す。史朗は、三浦を脅して二度と隆史に近づかないように言うつもりだった。傘立ての下にスペアキーを発見し、三浦は部屋に入った。そこで、隆史のことを調べていた証拠を見つけようとしていたのだった。

だが、三浦が帰ってきて、彼は金属バットで史朗を殴った。気を失った史朗が目を覚ますと、玄関で三浦が刺殺されていた。玄関には鍵がかけられ、三浦の持っていた鍵、スペアキーも部屋の中にあった。窓の鍵もかけられ、部屋は完全な密室だった。

誰かがインターホンを鳴らしたため、史朗は焦って靴を持ち、ベランダから外に出たと証言する。

久能刑事は、「三浦殺しは、山倉史朗の犯行。誘拐も自作自演でしょう」と言う。だが、綸太郎は史朗が「部屋は完全な密室でした」と、自分が不利になるようなことを証言していたため、「論理的帰結の破綻」がみられ、史朗は無実であると考える。

さらに、綸太郎は「動機は、金ではないのでは。何か別の動機を隠しているように思う。三浦は、単に利用されただけではないか」と指摘する。

綸太郎は、山倉家の周辺を訪れる。そして、和美の証言を思い出す。和美は「富沢路子さんは、病院の看護師さん。最近、近くに引っ越してきて…」と証言していた。さらに、路子が何者かに「警察に自首して。あなたが知り合いに茂を殺させたことは知ってるんだから」と言っているのを聞く。

結:悲劇のはじまり

綸太郎は、三浦が脅迫電話をかけたと断言する。そして、その方法を再現する。三浦は、携帯電話のヴォイスメモ機能を利用し、自ら喋らずに脅迫電話をかけたのだった。

三浦の共犯者は、茂を誘拐・監禁し、夜まで生かしていた。午後8時以降に殺害したのは、アリバイ作りのためだった。三浦は、綸太郎の家にいながら、脅迫電話をかけた。法月家を出た後、三浦は茂の遺体を受け取って運んだのだった。さらに、三浦は石段に細工をして、転倒するようにしていた。三浦は、隆史が時間稼ぎ、もしくは本当に死んでも良いと思っていたのだった。

路子は、山倉家を訪れる。そこで、路子はナイフで脅し、隆史を連れ去ろうとする。そして、和美に対し、「あなたの旦那を呼んで」と言う。和美から連絡を受けた久能刑事や、、史朗たちは河川敷に向かう。

路子は、「どうして茂を殺したの?茂が死ねば良いと思ったの?…隆史は血の繋がらない他人の子でしょ。でも、茂は違う。血の繋がった子じゃない」と言う。戸惑う和美に、史朗は「茂は、俺の子だ」と明かす。

路子は、「あなたが犯人。私もこの子を殺して死ぬ」と言う。路子は、ナイフを振り上げる。史朗は、隆史を身を挺して守るのだった。

8年前、史朗と和美は、不妊治療の末に子供を授かったことを喜んでいた。そのときに夫婦を担当していたのが、看護師である路子だった。その後、和美は流産してしまう。流産のショックで、和美はひどく取り乱すようになり、精神的に不安定となる。

そんな和美を支えることに疲れた史朗を、路子は慰めたのだった。結果、路子は史朗の子供である茂を妊娠した。だが、そうとは知らず、史朗はそこから路子とは会わないようにしていたのだった。

その後、路子は近くに引っ越してきた。路子は、史朗に「茂はね、あなたの子なの」と耳打ちするのだった。「茂を見て、8年間ずっとあなたのことを考えてきた。あなたにそっくりだもの」と言い、路子は史朗に再び関係を持つことを迫ったのだった。

史朗は、和美に謝罪する。「俺がお前を傷つけたことは、一生かかって償いたい」と言う史朗に、和美は「あの日がずっと遠くみたい。一緒に遊園地に行って…3人で、楽しかったわね」と言う。

久能刑事は、「山倉史朗が犯人だ。茂をどうにかしたいと考え、三浦とともに犯行に及んだんだ」と考える。だが、門脇社長は出頭し、「興信所に調べさせ、茂という隠し子がいることを知り、どうにかしたいと考えた。三浦を利用し、あの子供を殺害したんだ」と自供する。

だが、綸太郎は門脇社長が犯人ではないと考えていた。密室の謎を再び考え、「三浦が自ら施錠したのではないか。犯人を庇うために」と指摘する。そして、山倉和美が誘拐犯、三浦を殺害した犯人であると疑うのだった。門脇社長は、娘をかばっていたのだった。

和美は、犯人からの電話を待つ間、「湧き水を持ってきます」と言い、ガレージに向かった。そこで、茂を絞殺したのだった。和美は、茂の出生の秘密を知っていた。

綸太郎は、和美に会いに行く。そこで、和美に「茂君を誘拐し、殺害したのはあなたですね」と言う。隆史を休ませ、家にやってきた茂を眠らせ、ガレージに監禁した。そして、通話記録が調べられたら困るため、三浦からの電話を受けたのだった。

午後7時、警察官たちがいるリビングを離れ、「湧き水をとってくる」と言い、ガレージにいた茂を殺害したのだった。だが、遺体を運ぶには共犯者が必要だった。和美は、三浦に「史朗には、隠し子がいたの。隆史も、血の繋がったあなたと暮らした方がいいんじゃないかしら」と、交換条件を持ちかけるようにして、共犯関係を築いたのだった。

一方、三浦を殺害した日、和美は三浦を呼び出した後、「あなたを呼び出すように言われたの。今、あなたの部屋に史朗がいるわ」と言う。三浦が史朗を殴って気絶させた後、和美は三浦を刺したのだった。和美は、三浦が自分を庇うと分かっていた。三浦は、和美が出て行った後、自ら鍵を閉めて密室を完成させたのだった。

和美は、茂が史朗に似ていることに気づいていた。そして、路子が「兄弟を作ってあげたい」と、子供をもう産むことができない自分に言ったことで、憎悪を抱くようになった。
そして、茂はぞっとするほど史朗に似ていたこともあり、「あの子を見るたびに吐き気がしたの…本当は生まれちゃいけない子供だったの。だから、私が天国の神様のもとへ送ってあげたの。私の赤ちゃんと同じように」と和美はつぶやく。

そして、和美はベランダの縁に立つ。「あなたが死んだら、隆史君はどうなるんです!あの子には、あなたが必要です」と説得する。だが、和美は「人殺しの母親でも?…こんな母親、早く忘れさせて」と言い、自ら死を選ぶのだった。

史朗は、隆史とともに実家のある九州に戻り、一緒に暮らすことを選んだ。綸太郎は、今回の事件をもとに小説を書くよう出版社から要請されていた。だが、今回のような悲しい結末の物語を書いていいものか、と悩みつつも、パソコンに向かい続けていた。

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