「ピエロがお前を嘲笑う(原題:WHO AM I-No System Is Safe)」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

1) 世間を震撼させたハッキング事件を次々と起こし、ついに殺人の容疑者として追われていた天才ハッカー・ベンヤミン(トム・シリング)が、警察に出頭してくる。彼は、身の上話を始め、そこからマックスたちとCLAYというハッカー集団を結成した経緯を語るのだった。
2) ベンヤミンは、アングラ界のハッカーとして頂点に立つMRXに認められたく、連邦情報局から盗んだ情報を渡す。だが、それをきっかけとしてMRXはベンヤミンたちに罪を着せた上で、裏切り者を粛清したのだった。
3) 警察から追われるベンヤミンは、MRXの正体を暴いて潔白を証明しようとするが、逆に墓穴を掘って自らの居場所を知らせてしまう。結果、ロシアンマフィアに追われることになった。そのため、警察に出頭し、MRXの居場所を探す代わりに、証人保護プログラム適応を依頼したのだった。
4) MRXは逮捕されるが、ベンヤミンの証言に疑いを持ったハンネ捜査官は、裏付けを行う。結果、ベンヤミンの証言はウソだらけで、ベンヤミンは解離性同一性障害で、マックスたちはベンヤミンの別人格であると結論づけた。
5) 精神疾患があると、証人保護プログラムは適応されない。ハンネ捜査官は、MRX逮捕に寄与したということもあり、ベンヤミンに自らの戸籍情報を書き換えることを許可する。だが、これこそがベンヤミンの狙いだった。彼は解離性同一性障害などではなく、証人保護プログラムなども得たいとは思っていなかった。ハンネ捜査官に解離性同一性障害であると思わせ、戸籍情報を書き換えるチャンスを狙っていたのだった。かくして、ベンヤミンはマックスたちCLAYのメンバーと再会することができたのだった。

起:ベンヤミンの出頭

世間を震撼させたハッキング事件を次々と起こし、ついに殺人の容疑者として追われていた天才ハッカー・ベンヤミン(トム・シリング)が、警察に出頭してくる。自分が盗んだ情報により殺人事件が発生し、今度は自分自身の命が狙われているというのだ。

ベンヤミンは、ハンネ・リンドベルク捜査官(トリーネ・ディアホルム)を指名し、事件の経緯を話す。まず彼は、自身の生い立ちから語り出す。ベンヤミンは、父親がフランスへ逃亡し、母親は精神病で自殺。祖母と2人暮らしだった。

学校では「透明人間」として、誰からも注目されず、孤独に過ごしていた。だが、そんな彼は14歳の頃にコンピュータ・プログラムと出会い、マシン語も理解するようになる。卓越したハッキング能力を持つベンヤミンは、仮想現実の世界にのめり込むようになる。

その後、ピザ屋のバイト中に元同級生で現在は大学生のマリ(ハンナー・ヘルツシュプルング)と再会する。試験を控えて困っていたマリのために、ベンヤミンは大学のサーバーに侵入して、テスト問題を盗み出すが、警備員に見つかって取り押さえられてしまう。

承:マックスとの出会い

裁判の結果、罰としてゴミ拾いなどの社会奉仕を行うこととなり、そこで、同じく社会奉仕活動中のマックス(エリアス・ムバレク)と出会う。マックスに才能を見込まれた彼は、仲間に加わる。マックスの仲間であるステファンやパウルと共に、ハッキングチーム“CLAY(Clown laughing at you=ピエロがお前を嘲笑うの意)”を結成。ドイツ経済界の管理システムなどをハッキングし始める。

マックスは、ネット界のアングラの頂点であるMRXに自分たちの存在を認めさせることができると思っていたが、MRXは小者であると無視するような態度をとる。激怒したマックスに、ベンヤミンは「連邦情報局に侵入してはどうか」と提案する。鉄壁のセキュリティ網をかいくぐり、侵入できればさすがのMRXも認めざるを得ないと考えたのだった。

連邦情報局への侵入を成功させ、ベンヤミンやマックスたちは、意気揚々とクラブへ向かう。そこに、マリもいて一緒に楽しい時間を過ごすが、ベンヤミンはマリとマックスがキスしているところを見かけ、自分自身の力を誇示するため、連邦情報局で盗んだ情報をMRXへと渡すのだった。

結果、その情報を元にMRXは自身たちのチーム”FR13ENDS”の中に、政府に情報をリークする裏切り者がいると分かったMRXは、その裏切り者をロシアンマフィアに殺害させる。CLAYが情報を盗み出したと知っている警察は、殺人を犯したのがCLAYであると考えた。MRXはベンヤミンたちに罪を着せ、裏切り者を粛清したのだった。

転:MRXとの闘い

ベンヤミンは、MRXの正体と居場所を暴き、自らの身の潔白を証明しようとする。MRXに近づき、「FR13ENDSに入れて欲しい」と願い出る。MRXは、「ユーロポールに侵入してトロイの木馬を仕込むことができれば考える」と条件を出す。

ベンヤミンはユーロポールに侵入し、MRXのトロイの木馬の中に、さらにトロイの木馬を埋め込んで居場所を探ろうとするが、MRXはその企みを見抜いていた。逆に、IPアドレスから居場所を探られてしまい、ロシアンマフィアに追われることとなった。マックスやステファン、パウルもまた殺害されてしまったのだという。

追い詰められたベンヤミンは出頭し、ハンネ捜査官に「MRXの居場所情報と引き換えに、証人保護プログラムを適応して身の安全を確保して欲しい」と願い出たのだった。ハンネ捜査官は了承し、ベンヤミンはMRXになりすまし、MRX本人のプライドを刺激して居場所の情報を手に入れるのだった。かくして、MRXは逮捕される。

結:CLAY再始動

ベンヤミンは、証人保護プログラムを求めるが、ハンネ捜査官はベンヤミンの証言に疑問を持ち、証言の裏付けを開始する。ベンヤミンが「マックスたちが撃たれた現場に落ちていた」として持ってきた薬莢も、祖父の遺品とされる第二次世界大戦時代のものであり、三人の遺体も発見されなかった。また、マリも「学校を卒業してから、一度も会っていない」と語った。

ベンヤミンの母親が解離性同一性障害であり、なおかつベンヤミンがリタリンを常用しているといったことから、ベンヤミンもまた解離性同一性障害であり、マックスたちは自らが作り出した人格ではないか、と結論付けた。精神疾患がある場合、証人保護プログラムは適応とならない。

「保護してもらえなければ、ヤツらに殺害されてしまう」と泣いて懇願するベンヤミンだったが、ハンネ捜査官は、保護を拒否する。だが、悲しい身の上や、「あなたの情報をハッキングしてすまなかった」と素直に謝る様子から、同情したハンネ捜査官は、証人保護プログラムのデータが格納されているサーバーの場所に案内し、「自分の戸籍情報を書き換える時間をあげる」と、サーバーに案内する。その後、ハンネはベンヤミンを逃がすのだった。

ベンヤミンは、マックスたちと船の上に乗っていた。実は、ベンヤミンは解離性同一性障害などではなく、実際にマックスたちは存在していた。ロシアンマフィアから追われることになったベンヤミンは、マックスたちと話し合い、「自身を別人になりすます」方法を考え出した。

成果が挙げられず、窮地に立っていたハンネ捜査官に「MRXを捕まえられる」という情報を与え、さらには証人保護プログラムを求めるフリをし、自らの戸籍情報を書き換えることを考えたのだった。解離性同一性障害と思わせ、「精神疾患患者は証人保護プログラムの適応とならない」ということも織り込み済みだった。

ベンヤミンやマックスたち、CLAYのメンバーは再会を喜び、ベンヤミンの隣にはマリが微笑んでいるのだった。

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