簡単なあらすじ
1) ダメ弁護士のエミ(深津絵里)は、上司である・速水悠(阿部寛)から新しい事件の担当を命じられる。妻・矢部鈴子(竹内結子)を殺害した容疑で逮捕された被告人の夫・矢部五郎(KAN)の弁護を行うのだが、五郎は、「事件当夜、落ち武者の霊にのしかかられて、金縛りにあっていたから、アリバイがある」と主張していた。
2) 五郎の証言の裏付けを行おうとしたところ、エミは落ち武者・更科六兵衛(西田敏行)に遭遇する。そして、六兵衛に出廷してもらい、証言させようと考える。
3) 検事の小佐野徹(中井貴一)に「幽霊の証言など認められない」と主張されるが、エミは幽霊の視える条件を探り当て、なんとか証言させようとする。
4) 形勢が不利な状況の中、エミは「亡くなったのは姉の風子で、鈴子は入れ替わり、妹・風子になりすましている。鈴子は、妹・風子の夫と浮気をしていた」ということを立証する。見事、勝訴を勝ち取ったエミは結婚し、いつまでも六兵衛たちが見守っているのだった。
起:六兵衛との出会い
優秀な弁護士だった父親に憧れ、エミ(深津絵里)は弁護士となる。だが、エミは父親とは程遠く、失敗続きの弁護士だった。ついに後がなくなったエミ(深津絵里)は、上司である速水悠(阿部寛)から、「ラストチャンス」と、新しい事件の担当となる。
彼女が担当となったのは、妻・矢部鈴子(竹内結子)の殺人容疑をかけられている被告人の夫・矢部五郎(KAN)の事件だった。五郎は、「自殺しようと訪れた旅館・しかばね荘で、落ち武者にのっかられて、金縛りにあっていた」と、アリバイを主張する。エミは、証言の裏取りを行うため、「しかばね荘」に宿泊する。
エミが「しかばね荘」の一室で眠りについて目をあけると、五郎の証言通り、落ち武者・更科六兵衛(西田敏行)がのしかかってきた。六兵衛も、事件当夜、五郎の上にのしかかっていたとと証言したため、エミは六兵衛に証人となってもらおうと考え、東京へと連れていく。その道中、六兵衛が視える人間と、視えない人間がいるのだと判明する。
承:六兵衛、法廷へ
落ち武者の霊が裁判に出廷するという前代未聞の事態となり、速水はエミに穴の開いたアメを渡し、「六兵衛にYESなら1回、Noなら2回吹かせろ」と指示する。その方法で意思疎通を図り、証言をさせようとするが、検事の小佐野徹(中井貴一)は、「幽霊など証人として認められない」と主張する。
エミは、六兵衛が視えるには、条件が3つあることを突き止める。
・仕事やプライベートが、最近うまく行ってない。
・最近、死を身近に感じることがあった。
・霊的に敏感になる作用があるシナモンを好む。
この3つの条件に、実は検事・小佐野も当てはまっており、実は幽霊が視えていたのだった。六兵衛に死別した小佐野の愛犬・ラブを連れてきてもらい、六兵衛を証人として認めさせることに成功する。
だが、小佐野は、六兵衛を尋問し、「六兵衛は、北条氏の家臣でありながら、敵側の豊臣に内通した罪で打ち首となった。証言の信憑性に欠ける」と主張する。六兵衛もまた、五郎と同じ境遇で冤罪により処刑されてしまったのだが、歴史上、裏切り者とされてしまっていたのだ。
六兵衛の証言は認められないこととなってしまう。エミは、六兵衛に今回の事件の被害者である鈴子の霊を連れてきてくれるよう頼むが、見つけることができない。
転:無罪判決
ボス弁・速水悠も不摂生が祟って入院中に亡くなり、エミは追い詰められる。
だが、エミは、「鈴子の霊が見つからないのは、まだ死亡してないから。亡くなったのは姉の風子で、鈴子は入れ替わり、妹・風子になりすましている」と推理する。鈴子は、妹・風子の夫と浮気をしていたのだった。
エミは、ボス弁・速水の霊に頼み、風子の霊を連れてきてもらうことになる。エミは、風子に「シナモンはお好き?」と言いつつシナモンを吹きかけ、風子の姿を映し出す。裁判は、鈴子や風子の夫(山本耕史)との企みが明らかとなり、五郎は無罪となった。
結:見守る六兵衛たち
勝訴を勝ち取ったエミのため、六兵衛は、亡くなったエミの父親を連れてくるのだが、条件の「仕事/プライベートが上手くいっていない」を満たさなくなったエミには、父親の姿を視ることができなかった。そこで、ハーモニカを吹いてもらうことで、対話することができるようになった
エミは、俳優志望の彼・工藤万亀夫(木下隆行)と結婚。幸せな家庭を築く。そんな彼らの傍らには、六兵衛たちが写り込んでいた。