映画『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』でサーチャーたちがエネルギー源である「パンド」を手放した理由と「パンド」の正体

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映画『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』では、電力のようなエネルギーを発する植物である「パンド」のエネルギーが枯渇し始めたことで、アヴァロニアの大統領であるカリスト・マルがサーチャー・クレイドを連れて地中の深部へと向かうことになります。

その結果、自分たちの世界が巨大なカメの甲羅の上にあり、その地中はカメの体内であることに気付かされるわけです。体内に入ることで免疫細胞に貪食されようとしていたことも「異物」として免疫反応として排除されようとしていたということになります。

映画を見て、「パンドって?」「なんでサーチャーたちはパンドを手放したの?」と思った方に向けて、今回の記事ではそうした疑問について解説してみたいと思います。

25年で急速に吸い尽くされたエネルギー

パンドの根は地中で結びつき、やがて心臓へと集結します。いわばパンドのエネルギー利用は、巨大なカメからエネルギーを吸い上げる装置に他なりません。

サーチャー・クレイドが発見し、急速に栽培されるようになり、またアヴァロニアの人々がそのエネルギーを使用するようになった結果、巨大なカメはエネルギーを吸い尽くされ、弱り始めていました。

つまりは、パンドのエネルギー供給不足は、自分たちの過剰消費が招いたことであり、そのことにサーチャーとイーサン親子は気づくことになります。

この点、巨大なカメ=宿主、アヴァロニアの人々=寄生虫の構図だと捉えやすいのではないでしょうか。寄生虫は宿主から栄養分などを搾取して生息しているわけですが、その搾取が度を過ぎてしまったというイメージです。

宿主と「共生」できなくなった寄生虫

アヴァロニアでは25年の間で急速にエネルギーが消費されるようになり、そのエネルギーは宿主である巨大なカメから搾取し続けていた状態です。

この点、寄生虫が宿主に大きなダメージを与えてしまう場合は、「共生」が困難な状態となってしまうことと同様だなと思わされます。

パンド栽培を行い、エネルギー源として利用することはつまり、宿主を蝕み続けることになってしまうことになります。結果、サーチャーはパンドを手放し、宿主である巨大なカメとの「共生」を選ぶこととしました。

エンディングでは、イーサンはディアゾたちとストレンジ・ワールド内から利用可能である資源を探すようになり、風力発電といった自然エネルギーを利用するようになっていきました。

「パンド」の正体とは?

パンドは増殖を続けることや、エネルギーを過剰に消費する、毛細血管を自ら引き込むといった性質を持っていることから、イメージとしては「悪性腫瘍(がん)」が近いのかな、と私としては思いました。

アヴァロニアの人々は、それをエネルギー源として利用していたわけですが、悪性腫瘍があちらこちらにできて体を蝕んでいたとなれば、それは宿主である巨大なカメも弱ってしまうのも無理からぬことではないでしょう。

パンド=癌(がん)を免疫細胞たちが排除することで、カメの体内が正常化されたと私としては解釈しました。
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