藤田小春(白石麻衣)は、ツイッター上では「港区で社長秘書をしているOL」と偽り、フォロワー数も3万人を超えて人気を集めていた。だが、実際は人気の服やバッグなどもレンタルし、「社長」と偽って合コン相手の高級腕時計や高級車などの写真を撮っていただけだった。
実際の小春は、石渡印刷所という千葉県の小さな印刷所に勤務し、高級服や高級ディナーなどから縁遠い生活を送っていた。だが、虚構の自分を演じることでフォロワー数を増やし、悦に浸っていた。
小春はある日、「ミミ子@ど田舎」というアカウントにフォローされる。あまり気に留めてもいなかったが、ミミ子は小春の大ファンであり、まとめサイトなどでページを作ってくれてもいた。
小春は、人気の「麗しの受付嬢さゆ」にライバル心を燃やしており、さゆに勝とうとしていたため、何かと応援してくれるミミ子をフォローし、次第にダイレクトメッセージでやりとりをするようになる。
小春は、ミミ子に「さゆには負けたくない」と伝える。すると、ミミ子はさゆを線路へと突き飛ばし、殺害する。その報告を受けた小春はミミ子に恐怖を覚える。そして、小春が実際には千葉に住んでいることについて、「港区麻布に住んでいるはずですよね?」などとダイレクトメッセージを送り、勝手に引っ越しをさせようとするのだった。
小春は、ミミ子に突き動かされるように、フォロワーを喜ばせるような行動をし続けなければならなかった。ついにはクレジットカードの限度額は超え、さらにはドレスを盗んでしまう。道行く人のネックレスや指輪を盗み、小春は走って逃げ出す。
小春は道に飛び出し、自動車に轢かれる。その様子を道行く人々が写真に撮り、SNS上で拡散していた。小春は道に落ちた指輪を指に嵌め、写真を撮ろうとして事切れる。小春を轢いた車の運転手は、スマホでツイッターの画面を表示していた。そして、「港区OL_ハル」のアカウントフォローを外すのだった。
世にも奇妙な物語’18春の特別編(2018年5月12日放送)
脚本:岡本貴也