簡単なあらすじ
1) 大阪城の天守閣に打ち込まれた砲弾により、侍女たちは多数命を失った。その光景を目前とした茶々(竹内結子)は、徳川から提案された和睦を受けようとする。真田幸村(堺雅人)は反対していたが、茶々の動揺する姿を見て、和睦せざるを得ないと考える。
2) 書簡でのやり取りによる和睦の交渉は平行線に終わり、ついに使者を立てて交渉を行うこととなった。そこで幸村は、本多正信(近藤正臣)や織田有楽斎(井上順)らの籠絡を受けぬよう、初(はいだしょうこ)を交渉役として立てることを提案する。
3) 談判の場で、徳川方の代理人として立つ阿茶局(斉藤由貴)は、一見、豊臣方に有利な和睦条件を提案する。だが、書状に書かれていない条件として、真田丸砦の取り壊し、外堀を埋めることを提案する。
4) 牢人たちを追い出したい大蔵卿局(峯村リエ)は、阿茶局の提案を飲んでしまう。結果、大阪城は本丸を丸裸にされてしまう。それでは戦うことはできない、と幸村は諦め、春(松岡美羽)らを逃がそうとする。だがそこに、後藤又兵衛(哀川翔)が現れ、「策を考えろ。俺はお前に従うことにした」と言う。さらに、そこに秀頼が現れ、命運を幸村に任せるのだった。
詳細なあらすじ
大阪城に籠もる豊臣勢は、徹底抗戦か和睦か迫られる。そんな中、一発の砲弾が天守閣に打ち込まれる。きり(長澤まさみ)は、茶々を避難させた。
その後も多くの砲弾が打ち込まれ、大阪城内では、多くの侍女たちが命を失った。片桐且元(小林隆)は、茶々たちの居場所を伝えてしまい、大きな後悔に苛まれる。
茶々たちは、和睦に大きく傾く。だが、真田幸村(堺雅人)らは反対する。和睦になろうとしていることに牢人たちは憤りを覚え、後藤又兵衛(哀川翔)は「和睦でも、俺に任せておけ」と言う。
幸村は、家康の考えについて、「牢人たちを追い出し、その上でさらに豊臣を攻めようという腹だろう」と読んでいた。その上で、幸村は「牢人を豊臣の家臣としていただきたい」と言うが、大蔵卿局(峯村リエ)は反対する。
織田有楽斎(井上順)は、茶々を江戸に差し出すか、豊臣秀頼(中川大志)が大阪を出るかの選択を提案する。そんな中、茶々は幸村を呼び出す。そこで茶々は、「私の目の前で、侍女が亡くなった」と衝撃的な光景を目の当たりにしたと言う。茶々は、幸村にその悲しみの心の内を吐露する。
和睦を避けることができないと考えた幸村は、「今、交渉をどうすべきか思案しております」と言う。幸村はきりに、「江戸を離れるという案も良いのかもしれぬ。大阪城にいては心が休まらぬ」と言う。
幸村は、又兵衛たちの前で和睦について話を進めていると明かし、責められる。さらには、毛利勝永(岡本健一)に茶々との仲を勘ぐられてしまう。
信幸(大泉洋)は、お通(八木亜希子)との浮気を稲(吉田羊)とこう(長野里美)に見咎められてしまう。だが、お通は「次のお客がいらっしゃいますので…」と、信幸を単なる客であると言う。信幸は、「客」とあしらわれたことにひどく動揺する。
堀田作兵衛(藤本隆宏)は、牢人たちに囲まれ、「幸村ってやつは、俺たちが従うに値する男か?」と質問される。作兵衛は、幸村の父・昌幸(草刈正雄)について語り、「義に厚い方だった。領地を取り戻そうと、常に考えようとしていた。…幸村様は、その血を受け継いでおられる」と言う。
豊臣は、牢人を養うために領地拡大、秀頼が大阪を出て四国二ヶ国を領地とすること、と条件を出す。だが、家康は「国替えを望むなら、関東だ」と言い、その申し出を拒否する。
交渉人として、幸村は初(はいだしょうこ)を立てるべきであると言う。一方、徳川方は阿茶局(斉藤由貴)を立てる。さらに、幸村はきりを談判の場に立たせる。
秀頼は、「幸村、お前はしぶとい。虐げられても、真田丸を作り、和睦となっても事を有利に運ぼうと考えとしている」と言う。そんな秀頼に、幸村は「諦めぬ者に道は拓けるのです」と言う。
女たちの交渉の場では、阿茶局は牢人たちの処遇について詳しく決めず、交渉を終了しようとする。だが、初は「牢人たちの処遇のため、領地拡大をお願いしたい」と言う。だが、阿茶局は「真田丸砦などというものがあるから、牢人たちが居座るのです」と言う。その言葉に、大蔵卿局はその決定を飲もうとする。だが、きりに促され、初は「話を持ち帰って相談します…」と言うが、阿茶局は「男たちに渡せば、血がまた流れますよ」と言い、この場で決定しましょう、と押し切ろうとする。
牢人たちの処遇は曖昧なまま、談判は決する。幸村は、「阿茶局と大蔵卿局の間で、なにか他に決まったことがあるはず」と考える。きりに談判の場で他になにか決められていないか、と訊ねると、「真田丸砦の埋め立てが決められた」と告げる。
幸村は、大蔵卿局に問いただすが、「もう牢人たちを養う金銀はない」と居直る。家康は、真田丸砦だけでなく、外堀が埋められた。幸村は、「そのような状態で、家康が約定を守るとお思いか!」と大蔵卿局に詰め寄る。
堀を埋め立てられ、二の丸、三の丸も取り潰すこととなった。幸村は、牢人たちの前で「策はない…この戦、これでもう勝ち目はなくなった。全ては私の力不足だ。面目ない」と謝罪する。さらに、「皆、城から出ていくがよい。城を枕に討ち死にしようなどと、考えぬように」と言う。
牢人たちは、「ここにいても先はない」と立ち去ろうとするが、又兵衛は「他に行き場がないから、ここに来たんだろう?」と言う。堀もなくどう戦うのか、と問われ、又兵衛は「面白ぇじゃねぇか」と不敵に笑う。
幸村は、春(松岡美羽)たちの前で「すぐにここを立て」と言う。だが、又兵衛は「考えろ。俺たちは戦うためにここに来た。勝つための策を考えるんだ!」と言う。牢人たちも、戦うことを選んだ、と言う。
その場に、秀頼が現れる。「望みを捨てぬ者だけに、道は拓けるとそなたは言った…私は、まだ捨ててはいない」と言い、幸村に命運を託すと言う。
又兵衛は決起を挙げ、幸村は家康を討つ決意を固めるのだった。
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