女子大生・なつみ(南野陽子)は、彼氏である龍夫(湯江健幸)の子供を妊娠する。そのことを告げると、龍夫は「母さんが産んでくれって。孫が欲しいんだって。面倒は母さんが全部みるから、心配しないで」と言う。
なんでも母親を頼るようなマザコンの龍夫にうんざりし、なつみはプレゼントされたネックレスを投げつけ、堕ろすことを決意する。
そんな彼女の前に、見覚えのない青年(保坂尚輝)が現れる。なつみは、占いが趣味であり、青年に「占って欲しい」と言われる。なつみは、彼の未来を占うが、見ることができなかった。
「未来がない・・・事故に遭ったり、自殺でもしてしまったらどうしようか」となつみは心配になり、青年の後を追う。歩道橋から落ちてしまったかのように見えたが、青年は無事だった。そこで青年は、なつみに「1日だけデートしてください」と言うのだった。
なつみと青年は、デートをして楽しい時間を過ごす。そんな中、2人は女性たちといる龍夫と遭遇する。なつみは、青年と話をしつつその場を立ち去るが、龍夫の目には独り言をつぶやきながらなつみが歩いているようにしか見えず、龍夫はなつみのことが心配になる。
公園でボートに乗っていると、青年は「あの人、モテそうだね」となつみに言う。さらに、「あの人と結婚しないの?」と言われ、なつみは答えを濁す。すると、青年は池の中に飛び込んで、なつみは驚く。
なつみが目を覚ますと、青年は「ごめんね」と言って笑う。怒ったなつみは立ち去ろうとするが、青年は追いかける。赤信号で立ち止まると、青年は「これ」と言ってネックレスを渡す。「お母さんからもらったんだ」というネックレスには、「NATSUMI」の文字があった。
なつみは、青年の正体が自分の堕ろそうとしている子供であることに気づくのだった。青年は、「君みたいな人と付き合いたかったな」と言って、赤信号にも関わらず横断歩道を渡っていく。なつみは、青年を追っていこうとして、車通りの激しい道へと足を踏み入れようとする。だがそこで、龍夫に止められるのだった。
龍夫は、付き返されたネックレスを再びなつみに渡そうとする。すると、なつみは青年から渡されたネックレスが手のひらから消えていくことに気づく。龍夫から「結婚してくれ」と言われ、なつみはそのプロポーズを受ける。その理由をなつみは、「20年後の恋人に会いたいから」と言うのだった。
1990年8月9日放送 脚本:金谷裕子