『アメリ』を今さらながらだけど観るべき5つの理由

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「あの笑顔のポスターは見たことがある。おしゃれで、かわいい映画らしい。でも、観たことはない」

『アメリ』は、そんな人が意外と多い作品かもしれません。日本公開は2001年。2026年11月13日からは、公開25周年を記念した上映が始まります。観るなら、今がいいタイミングです。ネタバレなしで、その理由を5つ紹介します。

どんな映画?(ネタバレなし)

舞台は、パリのモンマルトル。空想が好きで、人と関わるのが少し苦手なアメリ(オドレイ・トトゥ)は、カフェ「ドゥ・ムーラン」で働きながら、一人暮らしをしています。ある日、アパートで古い宝箱を見つけた彼女は、持ち主を探し出して返します。これをきっかけに、誰かの人生を少しだけ幸せにする「小さないたずら」を始めます。そんな中で出会ったのが、捨てられた証明写真を集める不思議な青年、ニノです。

監督・脚本はジャン=ピエール・ジュネ。『デリカテッセン』や『エイリアン4』を撮った監督です。日本公開は2001年11月17日、上映時間は121分です。

原題は『Le Fabuleux Destin d’Amélie Poulain』で、「アメリ・プーランの素晴らしい運命」という意味です。邦題は、主人公の名前だけのシンプルなものになりました。

理由1:公開25周年の記念上映が、11月13日から始まる

『アメリ』は、日本公開から25周年を迎えました。これを記念して、2026年11月13日(金)から、ヒューマントラストシネマ有楽町、kino cinéma新宿、ホワイトシネクイントなどで、順次上映される予定です。

ビビッドな色調で描かれた映画なので、大きなスクリーンで観る価値があります。2023年にはデジタルリマスター版も上映され、あらためて注目を集めました。

観るなら、スクリーンで出会えるこのタイミングは絶好の機会です。

理由2:1館から全国へ広がった、社会現象の映画

日本では、2001年11月に、今はなき渋谷のミニシアター「シネマライズ」1館だけで公開されました。そこから人気が広がり、社会現象と呼ばれるほどのヒットになりました。

今でも、フランス映画の入門編として、最初に観る一本に選ばれることが多い作品です。映画に詳しくなくても、あの笑顔のポスターは見覚えがある、という人も多いはずです。

人気の大きさを示す話として、イギリスでは、アメリと名付けられた赤ちゃんが、映画公開前の2000年は12人だったのに、2002年には250人、2007年には1100人に増えたと言われています。

理由3:主演は、ポスター1枚で決まった

ジュネ監督は、脚本を書く段階では、別の俳優を主演に想定していました。イギリスの女優エミリー・ワトソンだと言われています。ところが、スケジュールなどの都合で、実現しませんでした。

そこで新たにキャスティングを始めたところ、監督の目に留まったのが、ある映画のポスターでした。『エステサロン/ヴィーナス・ビューティ』のポスターに写っていた、オドレイ・トトゥです。彼女は、映画デビューしたばかりの新人でしたが、即採用になったといいます。

もしも最初の予定どおりだったら、まったく違う『アメリ』になっていたかもしれません。そう考えながら観ると、トトゥの表情の一つひとつが、より特別に見えてきます。

アメリ-Amazonプライムビデオ

理由4:パリの街並みと色彩、音楽を味わえる

映画の舞台は、パリのモンマルトルです。アメリが働くカフェ「ドゥ・ムーラン」は、映画でも使われた実在のカフェで、パリを訪れるファンが足を運ぶ場所としても知られています。

画面を彩る緑・黄・赤の色使いは、ブラジル人画家の絵にヒントを得たものだと言われています。撮影のときは、理想の背景をつくるために、ゴミや落書きを取り除いたり、通りの車を撤去したりしたそうです。

音楽は、ヤン・ティルセンです。映画に詳しくなくても、パリの街を旅するような気分を、2時間ほど楽しめます。

理由5:ほっこりしたいけれど、重い映画は疲れる夜に

監督のジュネは、『アメリ』を撮るにあたって、「人々を幸せにする映画を撮りたい」と方向転換したと言われています。それまでは、少し毒のある作風で知られていた監督です。

人付き合いが苦手なアメリが、小さなお節介で人を幸せにしていく。その姿は、ほっこりして、見ているだけで元気が出ます。公式の紹介でも、「小さな勇気の物語」とされています。

感情を激しく揺さぶる映画ではありません。だからこそ、疲れた夜にも観やすく、観終わったあとに、じんわりあたたかい気持ちが残ります。

賛否のあるポイント

本作は、第74回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、映画データベースのallcinemaでは7.0点と高めの評価です。ただし、否定的な意見もあります。ネタバレを避けるため、結末については触れずに書いています。

• パリの描き方が偏っている:公開当時、フランスの新聞「リベラシオン」が、黒人もアジア人もいないパリを描いていると批判したと伝えられています。外の世界が入り込まない、理想化された街だという指摘です
• 小さな話を引き延ばしたよう:短いエピソードをつなげて、長編にしたような作りだと評した批評家もいます。物語の軸が弱いと感じる人もいます
• かわいいだけの映画ではない:かわいい映画だと思って観ると、ブラックユーモアや、奇妙な人物、コミュニケーションがうまくいかない描写に戸惑う、という声があります
一方で、このユニークな世界観こそが魅力だと評価する声も多く、25年たった今も愛され続けています。

こんな人におすすめ

• 『アメリ』という名前やポスターは知っているけれど、フランス映画はほとんど観たことがない人
• 11月13日からの25周年記念上映を、スクリーンで観てみたい人
• 空想するのが好きで、少し人付き合いが苦手だと感じている人

25周年記念上映、1館から広がった社会現象、ポスター1枚で決まった主演、パリの街並みと色彩、そしてほっこりする物語。『アメリ』には、今観る理由がそろっています。かわいい世界観と、ちょっとした毒のあるユーモアが好きな人なら、きっとハマります。この機会に、気軽に観てみてください。

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