簡単なあらすじ
1) 山猫(亀梨和也)は、仲間とともに悪どい連中からカネを盗み、罪を明るみに出す「現代の義賊」と言われていた。手際の良い仕事で軽やかに盗みを働くが、魔王という天才ハッカーに邪魔されていた。
2) ライターの勝村(成宮寛貴)は、魔王や山猫の正体を追う連載を行っていた。そんな勝村に山猫は接近し、魔王の正体が女子高生・高杉真央(広瀬すず)だと判明する。真央は、父親の不倫を苦に自殺未遂を図ったという母親の入院費のため、ハッキングを行い、顧客名簿などを父親に渡していた。
3) 山猫は、真央自身の協力を得て、真央の父親の仕事に侵入。カネを盗み出す。真央は、会社の金庫に母親の白骨化した遺体があるのを発見する。父親は、母親を殺害していたのだった。
4) 山猫は、真央と「カネを盗み出すことができたら、1つ言うことを聞いてもらう」と賭けをしており、真央はその約束を果たす。山猫は、真央を仲間として迎え入れるのだった。
起:山猫と勝村
2013年某国で、探偵怪盗・山猫(亀梨和也)は小屋でリンチにかけられていた。そんな彼は、激しい暴行を受けながらも、『武士道』の一節を諳(そら)んじてみせる。ジープに乗せられ、移動している最中、山猫は手錠を外して脱出を図る。
2016年、山猫は東京でビルの屋上から、向かいのビルの屋上へとロープを通し、移動する。そして、表向きの政治団体とは異なり、実は振り込め詐欺で儲けているという団体の資金源を山猫は狙っていた。だが、天才ハッカー「魔王」によりセキュリティシステムが復旧されてしまい、警察がかけつける。だが、山猫は5千万円を盗み出し、振り込め詐欺の事実を明るみに出す。
山猫は、雑誌ライターの勝村(成宮寛貴)を、霧島さくら(菜々緒)刑事の名を騙って呼び出す。山猫は、勝村が『武士道』の一節を引用したことから気に入る。
承:魔王の正体
山猫は、勝村に自分のアジトまで教えてしまい、勝村は呆れる。表向きはバーであるアジトで、勝村が週刊誌に魔王の連載をしていたことを山猫は指摘。だが、勝村は連載を中止しており、「魔王の正体にたどり着いたのではないか」と山猫は推理する。さらに、勝村の部屋にあった弱みを握り、勝村の正体を明かさせる。
勝村は、魔王の正体が女子高生・高杉真央(広瀬すず)だと明かす。真央は、父親がアイドルと不倫していると世間に公表した。だが、そのせいで会社の業績が悪化、母親が自殺未遂を図った。母親は心療科に入院し、その高額な入院費を稼ぐため、ハッキングで顧客情報を盗み、個人情報を取り扱う会社「フロンティア・データバンク」の社長である父親に渡した。
転:母親の所在
山猫は、真央に直接会い、「お前が渡した情報で、振り込め詐欺に会った老人が数多くいる」と責める。だが、真央は「私には関係ない」と言い、帰宅する。山猫は、真央のかばんに盗聴器を取り付けており、「お母さんに会いたい…」と父親と話している真央の声を聞く。
東京都知事は、振り込め詐欺の次の資金源を探していた。真央の父親は、東京都知事と繋がっており、真央に情報収集をさせ、株で金儲けをしようとしていた。
勝村は、霧島刑事とともに、高杉の母親が入院する精神科病院に向かう。だが、母親は病院にはおらず、すでに他界していた。高杉は真央を騙し、利用していたのだった。
結:真央の協力
山猫は、「お前と父親が違法に稼いだ金を盗んでやる。…賭けをしよう。俺が成功したら、俺の願いを1つ聞いてもらう。代わりに、俺が負けたら今まで稼いだカネをすべてやる」と宣戦布告する。
真央の父親の会社に侵入するが、音声認証など、堅牢なセキュリティシステムに守られていた。しかも、真央がハッキングを妨害していた。だがそこで、山猫は真央に「現実と向き合え」と伝える。
山猫は、真央に父親がハニートラップにかかり、「妻は自分が殺した。自殺に見せかけて、真央に知らせたのは、罪の意識を植え付けて利用しようとしたためだ」と言っている映像を渡していたのだった。真央は、セキュリティを解除。山猫に協力する。
金庫の先には、白骨化した真央の母親の遺体があった。山猫は、電気を消して発煙筒をたいて逃亡。関本修吾(佐々木蔵之介)や霧島に邪魔立てされるが、勝村を囮にして逃げ去る。
すべてを観念した高杉は、「会社を調べれば、魔王というハッカーにたどり着きます。魔王は、私です」と、娘のことを庇って署に連行される。
真央は自殺を図るが、山猫が現れて邪魔される。山猫は、「お前は、すでに母親がこの世にいないことに知っていた。だが、母親が自分のせいで自殺したと思いたくなかったから、現実から逃げてバーチャルの世界に逃げ込んだんだ」と指摘する。
真央は、感情的になり、ひどく取り乱す。そんな真央に、山猫は「俺は、いつか自分に罰が下ることを知っている。だが、それでも譲れないもんがあるから、覚悟を持って法を犯している!お前に、そんなもんがあんのか?ねぇよな!」と攻め立てる。
真央は、「私には大切なものなんかなかった」と言う。そんな彼女に、山猫は真央の母親がプレゼントしたオルゴールを渡す。その裏蓋には、「真央、生まれてきてくれてありがとう。これからもずっと私はあなたの味方だからね」と書かれていた(書いたのは、山猫だったと後に判明)。そして、山猫は、「お前は1人じゃなかったんだ」と言う。
高杉は逮捕され、繋がりのあった東京都知事は辞任した。山猫のアジトに、真央がやってくる。「何か言うことを1つ聞くっていう約束、何をすれば良いの?」と言う。真央は、山猫たちの仲間に迎えられる。
関本とつながりのあるニュースキャスター・藤堂健一郎(北村有起哉)は、キャスターを辞任。都知事に立候補する。
山猫は、ハッカーの細田(塚地武雅)を連れて埠頭へと向かう。細井は、カネに目がくらんで警察に内通していたのだった。細井は、ユウキテンメイに頼まれて裏切ったのだと明かす。銃声が数発鳴り響き、山猫は仲間たちのもとへ戻ってきた。
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