英都大学・社会学部の准教授である火村英生(斎藤工)は、臨床犯罪学の研究者であり、警察の依頼を受けて殺人事件の捜査協力も行っていた。深夜にも関わらず警察から呼び出され、火村は友人の推理作家・有栖川有栖(窪田正孝)とともに、ホテルで殺害された女性の事件を操作することになる。
被害者は、ニック・ハレルヤ(戸次重幸)というマジシャンのアシスタント・ジュリアであった。部屋には、ニックが泥酔して寝ており、部屋は密室状態であった。凶器は、マジックで使っていたナイフであり、ニックの指紋がついていた。
火村は、ニックのマネージャー・吉永(音尾琢真)が被害者と同じ店のアクセサリーをしていたことに目をつける。そして、密室トリックを解説する。ニックが部屋に戻ってきた際、すでに被害者は殺害されていた。彼女の体には、マジックで使う透明なワイヤーがとりつけられ、それを向かいの部屋で手繰ると、彼女の体が部屋の中に出てきて、ニックに発見されるというものだった。
火村の講義に出席する学生・貴島朱美(山本美月)らは、若い女性2人が殺害された、連続通り魔事件について訊く。その中で、貴島は「人を殺したいと思ったことがありますか?」と質問する。火村は、その質問に「あるよ。それが何か?」と平然と答える。
火村は、有栖川とともに連続通り魔事件について話をする。被害者は、背中から鋭利な刃物で刺されており、口内には、謎のメッセージが書かれた紙切れが入れられていた。事件が起きたのは、ともに火曜日の夜だった。火村は、同じく火曜の夜に第三の殺人が起きると予想する。
3週目の火曜の夜、同様の事件が起こる。火村は、警察から連絡を受け、捜査協力に向かう。被害者はやはり背後から刺殺されており、口の中には紙切れが入れられていた。紙には、「NIGHT PROWLER(夜、うろつく者)」と書かれていた。NIGHT PROWLERとは、テレビゲーム『絶叫城』のキャラクターの名前だった。有栖川は、小野希(優香)に『絶叫城』のソフトを手渡され、プレイする。『絶叫城』は、4人のプレイヤーが全員死ぬとゲームオーバーとなる。
火村は、『絶叫城』の制作会社・simbalinxを訪れる。『絶叫城』は、事件との関連性を問題視され、販売自粛となっていた。そんな中で、1人の社員(田口浩正)がゲームの悪影響を指摘するマスコミの姿勢を批判する。
『絶叫城』をクリアした有栖川は、「クリアしたプレイヤーは、新たなNIGHT PROWLERとなり、絶叫城を引き継ぐ。いわゆるバッドエンドや」と火村に告げる。
翌週火曜の3日前、なぜか第四の殺人が起こる。被害者はフリーライターの大和田雪枝(入山法子)であり、口の中に残された紙切れには「GAME OVER」と書かれていた。現場には、以前とは異なり、凶器が残されていた。雪枝は、犯行が行われた直後、自ら電話で通報していた。
一連の犯行は『絶叫城』の見立てで行われたのだと思われたが、火村は「この事件は、これまでの3件と違う…まだゲームは終わっていない」と指摘し、今までの犯行とは異なると考える。
事件現場で、男(田口浩正)を小野が発見して取り押さえる。雪枝は、両親は既に他界し、唯一の肉親である弟は交通事故で入院中であり、半身不随になる可能性が高かった。
警察は、緊急配備を敷いたにも関わらず、犯人が消え失せたことに疑問を持っていた。さらに、火村は犯行の曜日が異なることなど、今までの犯行と連続性がないことへの疑問について考えていた。
火村たちは、被害者の自宅へ向かう。有栖川は、雪枝の部屋に鳥のフンのニオイがしているのに気づき、彼女が鳥を飼っていたのではないかと指摘。だが、部屋に鳥かごはすでになかった。飼っていた文鳥の鳥カゴは、ゴミ捨て場に捨てられていた。
火村は、雪枝の弟に会う。そこで、火村は「お姉さんは、自殺したんです。そして、自殺とは分からないように自殺したかったんです」と話す。
3件の連続殺人の犯人は、雪枝の弟・英児(高杉真宙)だった。犯行後、英児は交通事故に遭った。長期入院の準備のため、雪枝は英児の部屋を訪れ、凶器や紙切れから、英児の犯行だと気づいてしまった。雪枝は、自らの死を持って弟の犯行を終わらせたかったのだった。
自殺を前に、雪枝は文鳥を逃し、鳥カゴを捨てた。このことをきっかけに、火村は自殺であると気づいたのだった。
火村は、有栖川と事件後に話す。有栖川は、英児の身勝手で軽薄な「現実とバーチャルの境目が分からなく感覚を味わいたかった」という動機に憤る。一方、火村は「雪枝の気持ちが分からない」と言うのだった。
原作:
価格:680円 |