林田音(有村架純)は、北海道の八羽町で林田雅彦(柄本明)・知恵(大谷直子)たちに育てられていた。音は、母一人子一人で暮らしていたが、母を幼い頃に亡くし、林田夫婦を頼ることになったのだった。
曽田練(高良健吾)は、東京の古ぼけたアパートで生活しており、安い給料で先輩たちにこき使われていた。そこで、日向木穂子(高畑充希)とともに暮らしていた。
練のアパートへ、悪友の中條晴太(坂口健太郎)が転がり込んでくる。晴太は、旅先の北海道で女性物のカバンを拾ってきていた。カバンの中から、音は古ぼけた手紙・クリーニング店のカードを見つける。「音へ」と書かれた手紙を読んだ練は、その手紙を持ち主に返そうと、会社のトラックで北海道へと向かう。
練は、クリーニング店のカードに書かれた住所を目指す。そして、クリーニング店で働く音に、練は「林田音さんって、この近くにいますか?」と尋ねる。音は、「林田さんは、カバンを盗まれたショックで死にました」とウソをつくが、練は信じてしまう。
音は、練に自分が林田音であると明かし、お金を返すように言う。練は、晴太が盗んだにも関わらず、代わりにお金を払わされる。そして、手紙を返そうとするが、音はその手紙を「捨てておいて」と言う。
音は、雅彦に資産家の白井篤史(安田顕)と結婚させられそうになっていた。さらに、雅彦は、寝たきりになった知恵の介護を音に押し付けていた。だが、音は幼い頃より諦めることを教えこまれており、その状況を受け入れようとしていた。練は、音の住む近所で食事を行い、そこで音が25歳上の白井と結婚する予定だと知らされる。
錬は、疲れてトラックの中で寝ていると、音がボールを壁当てしている音で目覚める。しばらく会話をした後、音は錬に別れを告げて帰ろうとする。そこで、錬は手紙を渡そうとするが、音は「捨てて」と言って受け取ろうとしない。困った表情の錬に、音は「来る?」と誘う。
音は、錬を連れて町を案内する。ダムに沈むはずの町は、反対運動でダム建設が中止された。だが、この町が嫌いな音は、「沈んだらよかったのに」と思っていたのだという。錬は、「結婚、断れないんですか?」と音に訊く。音は、父の勧めである見合いを受け入れると錬に告げる。
音は、クリーニング店の配達で、シングルマザーの客・伊藤が困窮している様子を見て心を痛める。その帰り、音を白井が迎えにやってくる。音は、「伊藤さんのため、お金を貸してくれませんか?」と言うが、白井は「後先考えず子供を産むような人を助けようとしちゃダメだよ」と言って、カネを貸そうとしない。
音は、雅彦に「私、伯父さんたちに恩を返したいと思ってる。でも、好きな人とは結婚したくないの」と言う。そんな音に、雅彦は「恩知らずが」と吐き捨てるように言う。そんな中、知恵の病状が悪化し、苦しむ。そんな知恵を、音は錬に頼んで病院へと運んでもらう。そのお礼のため、音は錬をファミレスに誘う。その様子を、白井は見かけていた。
ファミレスにも来たことがない音は、初めてのファミレスの食事に喜ぶ。その様子を見て、錬は思わず頬が緩んでしまう。一緒に今までの恋愛などについて語り合い、2人は楽しい時間を過ごす。音の元カレは、札幌の大学に行っているという。
寂しそうな様子の音に、錬は「またいい人見つかりますよ」と励ます。音は、「白井さんと結婚することにする。決めた」と、自分に言い聞かせるように言う。
錬は、音を送る。そこで、音は「なんでわざわざ手紙を届けてくれたん?」と訊く。そんな音に、錬は「俺にも親がいねぇ」と答える。
帰宅すると、白井が雅彦に「男と浮気している」と告げたと明かされる。家に入ると、雅彦は母の遺骨を捨てており、ショックを受ける。呆然とした音に、知恵は「逃げなさい。もう、あなたの好きなところに行っていいから」と言う。
音は、荷物も持たず、雨の中、家を飛び出す。そこで、土砂崩れで迂回することを余儀なくされた、錬のトラックを見かける。音は、錬のトラックを止め、錬は音に「乗れ!」と言う。
トラックに乗り、錬の隣に座わる音は、そこで母親の手紙を読む。母は、病院で入院中に手紙を書いたのだった。
死期を悟り、母は音に向けて「自由に生きて…恋をして、いつかたった1人の人と出会えると良いね。その人は、きっとあなたの物語を聞いてくれる。あなたの質問に答えてくれる」とメッセージを送っていたのだった。その手紙に、音は涙をこらえることができなかった。
音は、友人が働く居酒屋で住み込みのバイトができるか聞きに行く。だが、戻ると錬のトラックはそこになかった。練は、市村小夏(森川葵)に偶然出会い、そのままいなくなっていたのだった。
1年後、音はバイトを掛け持ちして、東京で1人暮らしを続けていた。いつしか錬と出会えるのではないかと思いながら。
FOD(フジテレビオンデマンド)ならすぐに放送済みエピソードが観られます。
次話:「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう 第2話」あらすじ・ネタバレ