杉原音(有村架純)は、井吹朝陽(西島隆弘)に誘われ、ビルの屋上で望遠鏡を覗き、星を見る。瞬く星を見つつ、朝陽は「片思いは扁桃腺と同じだよ。あっても意味がないのに、病気の元になる。僕を好きになりなよ。僕なら、両想いをあげられるよ」言う。
だが、音は「私、一度好きになったら、なかなか好きにならないんです。一度片思いしたら、そのまま片思いのままなんです」と、曽田練(高良健吾)のことを好きであり続ける、と言う。
市村小夏(森川葵)は、曽田練(高良健吾)が初恋の相手だった。そのことを聞いた中條晴太(坂口健太郎)は、「その初恋、叶えてあげる」と言う。晴太は、「練君が地元に帰りたくなるようにすればいいんだよ」と、同郷の強みを活かすべきだと小夏にアドバイスする。
音は、仕事帰りにバス停で練と会う。練は、恋人の日向木穂子(高畑充希)と一緒であり、音は、練と木穂子が腕を組んで歩いていく姿を切なく、寂しげに見送っていた。練の部屋には、晴太と小夏がいた。小夏は、「じいちゃんが転んで怪我をした」と告げる。
練の祖父・曽田健二(田中泯)は、片道1時間かけて買い物をしており、その最中に転倒して怪我をしてしまったのだった。木穂子は、「地元に帰ったりしないよね?」と訊き、練は否定する。
音は、介護施設「春寿の杜」の経営会社から、3ヶ月の契約が切れた後の「契約更新はしない」と通達されてしまう。練は会社に休暇がとれないか訊くが、「こんな忙しい時期に休むんだ?」と、皮肉を言われてしまった。
音は、犬の散歩にやってきた仙道静恵(八千草薫)の家を訪れ、練と会う。音は、練の祖父の怪我のことを知り、「ちょっとした段差が登れなくなる。それが凄く落ち込むの」と言い、顔を見せに行ってあげるように言う。だが、練は「仕事休めない。それに、何もできていない内に帰れない」と、帰るつもりはないと言う。
音は、「何もできていないということはないと思います。少なくとも、私は救われました。何もってことはないと思います」と言い、練を励ます。練は、音に後押しされ、電話をかけてみるが、祖父が電話に辿り着くまでに切ってしまった。余計に心配になった練は、帰郷することにする。
音は、介護施設「春寿の杜」に残れることになった。朝陽が本社に掛けあってくれたおかげだった。だが、朝陽は本社で研修を受けることになった。所長の神部正平(浦井健治)は、「研修は、リストラ対象者が行うもんなんだけどね」と明かす。
練は、柿谷社長(松田美由紀)に掛けあい、さらには佐引穣次(高橋一生)に土下座をしてまで頼み込み、仕事を休めることになった。
朝陽は、寒々とした屋外で洗車をさせられていた。そんな朝陽を、音は手伝う。音は、「初めて朝陽さんと会った時のこと、実は覚えてるんです」と、ガソリンスタンドでバイトしていた時に出会ったことを覚えてる、と明かす。朝陽は音を静恵の家に送り届け、そこで朝陽は初めて音の想い人・練に出会う。
音は、練と木穂子の会話で、練が会津に帰ることを知る。音は、気まずい木穂子と2人で台所に立つ。そこで、音が北海道に住んでいたことを知り、木穂子は「練が1年前、北海道に行ってた」と明かす。
食事が始まり、晴太は木穂子が不倫していた、と言い出して場を凍りつかせる。さらに、小夏は「練が本当に好きなのは、音さんでしょ。音さんも練のことが好きで」と言い出し、「両思いなのに、良いの?目の前に好きな人がいるのに、好きでもない人と付き合ってていいの?」と、練に問いかける。
さらに、小夏は音に「『練、好きよ』って言いなよ」と繰り返す。そんな言葉に、切なさがこみ上げた音は泣き出してしまう。練は、無言でいるしかなかった。
練は会津に発つ前、自宅の前にノートが置かれているのを発見する。それは、練が祖父を介護する時のため、音が懇切丁寧にアドバイスを書いたノートだった。練は祖父の家を久しぶりに訪れる。さっそく電球を変え、風呂を直し始める。
音は、静恵に「追いかけなくてもいいの?」と言われるが、「練のことをちゃんと好きになりました。短くても良いんです。いつかこの恋を思い出して、きっと泣いてしまう。かけがえのない時間を過ごしてる。まぶしくてまぶしくて、きっと泣いてしまう」と言う。
練は、「帰ってきて、じいちゃんと暮らしてぇ」とつぶやく。祖父は「東京がイヤになったか?」と問われ、「会津にいたら会わない人にもいっぱい会った。…東京にいる人は、『会津』って言われたら、俺のことを思い出してもらえる。そういうのが嬉しいんだ」と、東京にいたからこそ多くの人に会い、楽しいこともあった、と言う。
さらに練は、「何年かかってもいい。じいちゃんと一緒に畑に出る」と、いつか帰ってくることを夢みている、と言う。祖父の家に、小夏がやってくる。だが、音や木穂子を傷つけた小夏を、練は許さなかった。
5年後、音は変わらず介護施設・春寿の杜で勤務していた。一方、練は晴太とともに東京にいた。スーツを着こなし、その風貌は朴訥とした以前と異なっていた。
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