「臨床犯罪学者 火村英生の推理 第3話 准教授の身代金」あらすじ・ネタバレ

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志摩恵里香(西田尚美)は、人気俳優の夫・志摩征夫(飯田基祐)を誘拐した犯人の指定通り、カバンに現金3,000万円を入れ、京都発・南宇治原行きの電車に乗っていた。電車内には、刑事が変装して乗車しており、犯人の動向をうかがっていた。

「赤い目印を見つけたら、カバンを窓から落とせ」と指示されており、恵里香は緊張しつつ窓の外を見ていた。

遡ること1日前、1月27日午後3時45分、恵里香は九州への出張から京都へ戻ってきた。そこに非通知で電話がかかってくる。「一昨日から連絡がとれないだろう?志摩征夫は我々が預かった。命が惜しければ、カネ3,000万円を用意しろ。警察に連絡したら命はないと思え」と言う。

恵里香が帰宅すると、征夫を探していたマネージャー・城戸(児嶋一哉)が待っていた。様子のおかしい恵里香の様子を見て、城戸は「どうかしたんですか?」と訊く。事情を知った城戸は、止める恵里香を振り切るようにして警察へ通報したのだった。

だが、実は2日前、恵里香は征夫に「恵里香、俺は間違っていたよ。やっと分かったよ」と言われ、思わず置物を手にとって投げつけて殺害していたのだった。そして、征夫の遺体を隠し扉の中へと押し込んで隠した。だが、出張から戻ってくると、征夫の遺体は消えていた。

京都府警が極秘裏に捜査を開始する。火村英生(斎藤工)と有栖川有栖(窪田正孝)は、鍋島刑事(生瀬勝久)の依頼で、志摩の自宅にやってくる。有栖川は、火村に「志摩はヒット作の准教授役で人気俳優になった」と説明する。

鍋島刑事は、「3千万円は、こちらで用意します。もちろん、全て紙幣ではありませんが」と言うが、恵里香は「夫の命がかかっているんです!犯人に従うべきでは…」と取り乱す。

そんな中、電話が鳴る。犯人かと思われたが、それは上司からの電話だった。
次に、志摩の自宅に差出人不明の荷物が届く。中に、志摩のケータイ電話、財布、髪の毛、脅迫状が入っていた。脅迫状には、「用意したカネをカバンに入れ、列車に乗れ」というものだった。火村は、鍋島刑事に消印を確認させる。日付は昨日であり、京都市内から出されたものだった。火村は、恵里香の自作自演の線はなくなった、と言う。

「警察がそばにいると分かったらおしまい」と脅された恵里香は、鍋島刑事らの同行を拒否し、代わりに「警察らしくない」という火村と有栖を指定し、同行することになる。

恵里香は、犯人の指定した列車に乗る。もうじき終点であったが、「赤い目印」は見当たらなかった。火村は、犯人が警察の介入を前提にしており、髪の毛も鑑識に分析させるために送りつけたのだと推理していた。

火村の読みどおり、現金の受け渡しは、空振りに終わる。「カバンを電車の窓から投げさせるという指示は、杜撰過ぎる」と火村は指摘する。その指示の目的として、「征夫の狂言の可能性もある」と考える。

捜査の仕切り直しが行われる中、志摩の遺体が肝試しを行っていた男女によって廃墟で発見される。火村と有栖は、現場へ向かう。遺体が損傷していたことから、征夫は別の場所で殺害された後に運ばれたと判明する。

恵里香が脅迫電話を受けた時点で、既に征夫は死亡していた。だが、恵里香は、脅迫電話で征夫の声を聞いたと証言していた。

火村は、犯人の目的が、身代金目的の誘拐ではなく、志摩の殺害だったのではないかと推理する。恵里香は出張中であり、遺体を発見現場の廃墟まで運ぶことは不可能だった。

征夫は、収集癖があり、”コンプリート”が好きな様子がインテリアや書棚から見てとれた。そこで火村は、チェスピースのオブジェで、ナイトだけがないことを指摘する。火村は、恵里香の視線により、本棚の奥に隠し扉があることを見抜く。

その先には、破損したナイトのオブジェがあった。恵里香は、任意同行を求められ、そこで「誰かが死体を運びだして、私を脅したんです」と自供する。

火村は、誰が死体を運び出したのか推理する。恵里香のスケジュールを知りうる人間を探し、マネージャー・城戸に話を聞く。城戸は、火村と有栖川を取り違え、間違いを指摘されると、驚いた。さらに、城戸は隠し扉の存在を知っており、そのことを火村は確認する。

恵里香は、征夫が「君との結婚は人生のロスだ。出会ったのが間違いだ。恵里香、やっと俺は分かったよ」と言い、その言葉をきっかけに殺意を抱いたのだと自供する。

城戸は、火村を呼び出し、調査の進捗状況について訊く。火村は、恵里香に征夫殺害後、征夫の声を脅迫電話で聞かせたのは、「家の音を盗聴し、その音を録音して使用したのだ」という推理を聞かせる。

城戸は、志摩の自宅を盗聴しており、火村と有栖川の声をあらかじめ知っていた。2人の志摩邸での会話を盗聴し、城戸は誤って認識してしまったのだった。さらに、火村の「志摩邸で捜査会議」という偽の電話での会話を聞き、あえて城戸に盗聴させた。その盗聴を逆探知し、城戸が志摩邸での音を聞いていたと立証したのだった。

城戸は、恵里香を救うため、遺体を運び、誘拐事件をでっち上げたのだった。だが、音だけでは何が凶器であったのか分からず、恵里香は逮捕されてしまった。城戸は、「恵里香を操り人形にしたかった。それだけじゃない。刑事も私の手のひらの上で踊っていた…なんと甘美なことか」と動機について語る。

火村は、シャングリラ十字軍に所属する10代少女が殺害された事件に関連し、諸星沙奈江に接見する。諸星は火村に「あなた、私に似たニオイがする…」と言われる。

原作:

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