「臨床犯罪学者 火村英生の推理 第8話 アポロンのナイフ」あらすじ・ネタバレ

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シャングリラ十字軍の指導者・諸星沙奈江(長谷川京子)は、東京地検に引き渡される前、脱走する。諸星は、京都へ向かうことにし、「ターゲットは火村英生」と部下に命じる。諸星が逃れたことについて緘口令が敷かれる。

東京で過激派集団・シャングリラ十字軍に所属する若者2人が、殺害される事件が発生していた。そして、「犯人は、高校生ではないか」という噂がネット上で駆け巡っていた。都内の私立高校の裏サイトを中心に、噂が拡散したのだという。

犯人と見られる少年は、坂亦清音(小野寺晃良)であり、顔写真も拡散していた。そんな中、犯人を「切り裂き王子」「アポロン」と呼び、ヒーロー扱いする者まで現れるようになっていた。

火村英生(斎藤工)は、シャングリラ十字軍の指導者・諸星沙奈江(長谷川京子)が、事件について「犯人は未成年だ」と言っていたことを思い出す。有栖川有栖(窪田正孝)は、「アポロン」と呼ばれる少年・坂亦の写真をネットで発見し、その写真を見た大家の時絵(夏木マリ)は、「今日、この子に会いましてん」と言い出す。坂亦は、東京ではなく京都に現れていた。

一方、京都では男女の高校生が、連続して刺殺される事件が発生する。被害者の尾木紫苑、座間剣介は、同じ学校の生徒だった。第一発見者は、安納守之(泉谷しげる)であり、犬の散歩中に剣介の遺体を発見した。遺体には、首筋にナイフの切り傷がつけられていた。紫苑の遺体は、1 km先で見つかった。

火村は、現場に現れる。諸星のことを黙っていることから、鍋島久志(生瀬勝久)刑事はぎこちない対応になってしまったのでは、と気を揉む。

剣介は、首筋に致命傷があり、抵抗したのか他の傷が周囲にあった。一方、紫苑は腹部に傷跡があった。剣介は、死の直前に紫苑宛てでメールを送っていた。だが、死亡推定時刻から、その時点で彼女は既に死亡しているものと思われた。待ち合わせに遅れた彼氏を待っていた紫苑が先に襲われ、後にやってきた剣介が同一犯に殺害されたのだと考えられた。

「アポロンが京都に現れた」という情報がネットで広まり、高校生の連続殺人もアポロンの犯行ではないか、という噂が広まる。火村が講義を行う前、学生たちはアポロンの噂で持ち切りだった。騒がしい学生を前に、「根拠のない噂は、真実を見えにくくする」と言い、貴島朱美(山本美月)の質問に回答を行った後に粛々と授業を開始しようとする。

有栖川は、時絵とともに坂亦の足取りを追う。バスを下りてどこに向かったのか、時絵は有栖川に話す。時絵は、「火村先生と同じ目をしていた」と坂亦について語る。

警察の捜査では、紫苑と剣介は交際しておらず、紫苑は剣介のメールを着信拒否していたことが判明する。火村と有栖川は、第一発見者・安納守之の家を訪ねる。安納は、コンビニを経営しており、そこに紫苑や剣介はよく2人でやってきていたが、最近、剣介は1人でやってきていたという。

安納は、朝刊で女子高生が死亡しているのを知り、剣介の遺体を発見して連続殺人だと思ったのだという。彼は、少年の犯罪者であっても実名報道をすべきだと強硬に主張していた。後にコンビニの店員に話を聞くと、安納の息子がイジメに遭い、加害者のプライバシーが保護されていることに腹を立て、学校と揉めていたことが判明する。現在は妻と別れ、息子は妻と同居してフリースクールに通っており、安納は1人暮らししていた。

朱美は、公園でエーリッヒ・フロム『悪について』を読んでいると、坂亦に声を掛けられる。朱美は、坂亦と読書の話をするうち、意気投合する。だが、朱美は坂亦の「生きる価値もない人間もいる」といった言動に不穏なものを感じ、警戒する。

火村は、鍋島刑事に呼び出され、諸星が逃亡していることを告げられる。そこで、火村は諸星の「事件現場の写真を見れば、未成年の犯行と分かる」という言葉に触発され、東京の連続殺人と京都の高校生連続殺人の現場写真を見比べ、真相に辿り着く。

朱美は、坂亦の隙を突いて、彼のバッグの中身を探る。その中に、ナイフを発見する。朱美はその様子を発見されてしまう。

火村は、東京の事件では無邪気な感情、紫苑の事件には憎しみ、剣介の事件にはためらいが見られると指摘する。剣介は、紫苑を殺害後、自殺したのだった。その死の直前、「ごめん、いまからすぐいく」とメールを送ったのは、自殺によって後を追う、という意味だった。

だが、それでは現場にナイフが落ちているはずである。そのナイフを持ち去ったのは、安納だった。安納は、剣介を加害者ではなく被害者と見せかけるため、ナイフを持ち去ったのだった。「加害者がプライバシーを守られるのはおかしい」と考え、そのような行動に出たのだった。

安納は身体検査をされたが、ナイフは出てこない。腰の悪い安納が遠くにナイフを隠しに行くこともできないと考えた火村は、飼い犬の服の中にナイフを隠したと考え、案の定、そこに発見された。

安納は、証拠隠滅罪として逮捕される。だが、剣介の名前・写真は既に全国的に報道されていた。翌日から匿名となっても、後の祭りだった。

朱美は、坂亦のことを通報する。坂亦は、大人しく警察が到着するまで待っており、逮捕される。火村は、「後で彼と話をさせてもらいたい」と鍋島刑事に言う。

後日、有栖川のことをつけ狙うシャングリラ十字軍のメンバーの姿があった。

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