中年男性の板野朋之(辻つとむ)が、犬の散歩中、道路工事の穴で転落死していた。捜査一課は、事故死の可能性が高いと判断。調書作成などの役回りを総合事犯対応係に押し付ける。
現場にやってきた宅間善人(草彅剛)らは、転落直前の防犯カメラの映像を観る。だが、転落する場面自体は映っておらず、犬の前に何かが投げられているのを宅間は発見する。棒を投げて犬を走らせ、わざと板野を転落死させたのではないか、と推理する。穴の周囲にあった柵は、故意に撤去されていた。
姉小路千波(南果歩)の指示で、宅間は我妻真里亜(夏菜)とともに、板野の勤務先で老舗玩具メーカーのユキザワトーイに聞き込みに向かう。宅間は、ユキザワトーイが開発したゲームの攻略法を聞くため、喜び勇んで会社を訪れる。
営業部の連城明弘(相島一之)に、真里亜は「板野さんと、仕事上でトラブルがあった人物はいませんでしたか?」と訊く。連城は、「アットホームな会社ですから」と否定する。
松原唯子(芦名星)と堀川耕平(平岡祐太)は、板野の妻に会う。そこで、板野の所持品の中から平仮名の「い」と書かれた白いカードを発見する。だが、その意味は妻も分からなかった。
ユキザワトーイの開発部で、セキュリティ違反の警報が鳴る。社員のメールを24時間体制で監視しており、社外に添付ファイルなどが送信されるとアラームが鳴る仕組みだった。開発部員の辻岡益美(雛形あきこ)のメールアカウントから送信されており、取締役の山辺和幸(矢島健一)は、辻岡を出社停止にさせる。
宅間は、連れ出された益美のデスクに、平仮名で「つ」と書かれたカードが置かれているのを発見。板野は、「犬も歩けば棒に当たる」、辻岡は「月夜に釜を抜かれる」と、いろはかるたになぞらえて不幸な目に遭わされているのではないかと宅間は推理する。
宅間は、ユキザワトーイ社内の変革で軋轢が生じているのではないかと考える。社内で「CK」と書かれた退席表があるのを見かけるが、その意味は不明で、連城は口を閉ざす。そこで、宅間は「れ」の字を連城に送る。連城は慌てて社内の一室に向かう。そこは、「キャリア教室」と呼ばれる部屋で、いわゆる「追い出し部屋」だった。
宅間たちは、連城が「キャリア教室」に犯人の心当たりがあったのではないかと考える。連城と関係があり、「CK」行きとなった人物は、布田央彦だった。取締役のヘッドハンティングを受けた辻岡は、収益性の悪い知育玩具部門を撤廃、連城は布田をイジメ抜き、「CK」に異動させた。
連城のデスクには、「れ」の字のカードが置かれていた。「良薬(れうやく)口に苦し」で、連城が毒殺されるのではないかと総合事犯対応係は危惧する。布田の自宅から、いろはかるたの読み札が発見された。
宅間は、「どうして連城や、辻岡、山辺取締役を狙っているにも関わらず、板野のように殺さないんだろう。殺したいほど憎いはずなのに」と疑問に思う。連城は、刑事の警護を振りきって逃げ出す。発見された連城は、産廃の山の上で、鉄骨で腹を貫かれ、磔になるように殺害されていた。
連城のもとには、「追い出し部屋のことをマスコミにバラされたくなければ、警察を撒いてください」という布田からのメールが届いていた。
板野の司法解剖結果から、後頭部に殴られた形跡があった。しかも、殴った人物は板野より背が高く、布田とは考えづらかった。さらに、辻岡のPCはセキュリティレベルが高く、布田に犯行は不可能だった。
宅間は推理し、真相にたどり着く。山辺のデスクには、「や」の字が置かれており、社内に布田がいないか、山辺は探し始める。そんな中、山辺を犯人が拳銃で狙っていた。宅間たちは、そんな犯人である警備員・清野を逮捕する。
清野は、布田の意思を継ぎ、「江戸かるた」ではなく、「京かるた」になぞらえ殺人を行っていた。江戸かるたとは異なり、京かるたは「一寸先は闇」「月夜に釜を抜く」「連木で腹を切る」「闇夜に鉄砲」といった札の見立て殺人を行ったのだった。
清野は、社内の警備をしている中で、布田と話をするようになった。布田が作ったオモチャが好きだったという清野は、布田が追い出し部屋に行かされたことに心を痛めていた。布田は、「いろはかるた」を使ったケータイゲームを考案するが、ろくに検討もされず却下される。
布田は、会社の屋上で服毒自殺をしていた。そのことを知った清野は、いろはかるたを使った見立てで、殺人を行うことを決意したのだった。