「白ゆき姫殺人事件」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

1) 長野県のしぐれ谷国立公園で、化粧品会社「日の出化粧品」の社員・三木典子(菜々緒)が10ヶ所以上刺された上、可燃剤を撒かれて遺体を燃やされる事件が発生する。
2) 犯人は、同僚の狩野里沙子(蓮佛美沙子)だった。里沙子は、会社での盗難を繰り返し、そのことを典子にバラされてしまうことを恐れて殺害したのだった。
3) 里沙子はワイドショー『カベミミッ!』の製作会社の契約社員である赤星雄治(綾野剛)に電話をかけ、典子殺害の疑惑を、同僚の城野美姫(井上真央)に向けようとして、ミスリードしていく。
4) 赤星は「美姫=犯人」説でVTRを作って番組は反響を呼び、ネットでは美姫の個人情報が次々に晒されていく。だが結果、里沙子逮捕で事件は収束し、赤星は、責任をとらされるようにして契約を切られ、クビとなる。

起:赤星への電話

長野県のしぐれ谷国立公園で、化粧品会社「日の出化粧品」の社員・三木典子(菜々緒)が10ヶ所以上刺された上、可燃剤を撒かれて遺体を燃やされる事件が発生する。

ワイドショー『カベミミッ!』の製作会社の契約社員である赤星雄治(綾野剛)は、大学生時代の同級生・狩野里沙子(蓮佛美沙子)から久しぶりに電話を受ける。里沙子は、「警察に事情聴取を受けた」と告げ、三木典子が殺害された事件について警察に話を聴かれたことを明かす。

興味を持った赤星は、里沙子に取材をしに行く。そこで、評判の美人だった典子と、現在失踪している同僚・城野美姫(井上真央)の存在を知らされる。典子と対照的な地味で控えめな美姫は、典子に恋人をとられて恨みを持ち、また、社内で盗難騒ぎが続発していたこと、事件当夜、美姫が典子をクルマで送っていったこと、クルマにはバーベキューで使われていた可燃剤が載せられていたことを知る。

承:美姫犯人説

さらに、赤星は「城野美姫=犯人説」を裏付けるように取材を進め、同僚や美姫と交際していたという係長の篠山聡史(金子ノブアキ)に取材を行い、盗難騒ぎで城野を疑っていたことや、美姫が典子に恨みを持っていたのではないかということ、篠山が城野から手作り弁当を受け取っていたが、篠山自身は付き合っていたという認識はなく、実は迷惑していたなどの証言を得る。

これらの取材を元に、赤星が作ったVTRは、担当する番組『カベミミッ!』で放送される。多くの反響を呼び、なおかつ赤星が取材内容をつぶやいていたツイッターの内容は、注目されるようになっていく。

「城野美姫=犯人説」が信憑性を帯び、城野の実名や写真、学歴までもがネット上で拡散していく。制作したVTRが好評であったため、赤星はさらに城野美姫の地元で取材を行う。

近所の女性に、「子供の頃、祠のある森で放火騒ぎを起こした」ということや、同級生たちの「呪いの儀式を行っていた」といった証言などを得る。中学時代の同級生・江藤慎吾(大東駿介)は、「雑巾を蹴って城野の頭に乗せてしまい、その後、自転車のブレーキが効かず、大腿骨を骨折した。城野がブレーキを外したのではと疑っている」と語った。城野の両親も、美姫が犯人であると信じてしまい、父親(ダンカン)は、カメラの前で土下座して謝罪する

小学校時代の親友で、イジメがきっかけで引きこもるようになった谷村夕子(貫地谷しほり)は、2人で祠で行ったという「儀式」について語る。人型の紙に名前を書き、それを燃やすことでイジメを行っている人の心が浄化・改心するというものであったが、その儀式がきっかけで火事が起きてしまったのだという。美姫は、イジメられている夕子を救おうとしていたのだった。

転:美姫の手記

「城野には心の闇や、呪いの力があった」といった編集で作られた赤星のVTRが『カベミミッ!』で放送されると、城野の大学時代を知る友人・前谷みのりは「城野さんのことをよく知らず、犯人と決めつけるようなデタラメな放送をしないで欲しい」と抗議文を送る。

この抗議文や、赤星が、個人情報を多く含む取材内容をツイッター上で明かしているといったことが上司に発覚し、赤星は厳重注意を受ける。

世間が「城野美姫=犯人説」を信じ、ツイッター上でも城野をバッシングする内容が多く見られる中、追い詰められた美姫は、ビジネスホテルの一室に身を隠していた。「本当に私は、テレビで放送されていたり、ネット上で叩かれるような人物なのだろうか」と思うようになった美姫は、自身の今までの人生についての手記にしたためる。

小学生時代、城野はイジメられている夕子とともに、『赤毛のアン』のようにアン・ダイアナなどと呼び合って、ツライことがあると空想にふけってやり過ごしていた。夕子は、その美貌に嫉妬した同級生に、イジメのターゲットとされてしまったのだった。だが、祠での火災の一件以来、美姫は夕子と会うことを禁じられてしまっていた。

美姫は、中学生になると初恋相手の少年・江藤慎吾に、アンの恋したギルバートを重ねて空想にふけって「謝られても許さない。それをすることで、自分に関心を持ってもらえている」といったことをして楽しんでいたが、そのことがきっかけで「呪い」といった誤解を招いてしまったようである。

日の出化粧品に就職し、そこで同期の三木典子と出会う。会社のバーベキューで、同僚が「典子さんは美人だ」といった話で盛り上がっていたが、そこで美姫は「今まで会った女性のなかで、地元の友達・夕子ちゃんが一番美人だった」と言う。そのことがきっかけで、典子が明らかに自分の服装を真似したり、恋人をとったり、明らかな嫌がらせをされるようになる。

結:事件終結

憧れの篠山に手作り弁当を渡し、ようやく交際にこぎつけて振られるという悲しみの中、さらに美姫が心の支えとしていた音楽デュオ・芹沢ブラザーズの雅也との交際を美姫は仄めかす。

さらに、「体調が悪いから」と、東京でのコンサートチケットを譲る約束をしていたにも関わらず、「調子が良くなったから行く」と反故にされてしまう。そんな美姫に狩野里沙子が近づき、「会社の飲み会で、眠気を誘う風邪薬を典子さんに飲ませて、チケットを奪ってコンサートに行ってはどうですか?」と言うのだった。

美姫は、里沙子との打合せ通り、眠らせた典子をクルマに乗せ、コインパーキングに置いたまま東京へ出かける。急いで快速電車に乗り、ついに憧れの芹沢ブラザーズに近づくが、階段を降りる雅也に触れようとした瞬間、美姫は脚を踏み外し、雅也を突き飛ばしてしまう。結果、雅也は転がり落ちて全身打撲・左手に怪我を負う。

その場から混乱して逃げ出した城野は、ビジネスホテルへ逃げ込む。雅也を怪我させた罪悪感やネット上での糾弾を目にした城野は、追いつめられて自殺を図ろうとする。だがその直前、ニュースで典子殺害の容疑で里沙子が逮捕されたと知らされ、思いとどまる。

典子と先輩・後輩のパートナー関係だった里沙子も、典子に貶められており、ストレスを感じて憂さ晴らしに職場での盗みを繰り返していた。それを典子に知られ、仄めかされた里沙子は、典子殺害を思い立ったのだった。そして、疑いを美姫に向けるため、赤星に連絡したのだった。

美姫は、亡くなった祖母の葬儀のために実家に戻るが、彼女を疑っていた両親に美姫は冷たい態度をとる。葬儀の晩、自室にいた美姫は、夕子が送るロウソクの光で送られたサインを見て、自分もサインを送り返すのだった。

ワイドショーでは、今まで美姫をあたかも犯人かのように報じていたが、手のひらを返すように簡単な謝罪を行い、事件報道を終結させていた。赤星は、責任をとらされるように、契約を切られ、美姫の実家へ謝罪しに行く。

その帰り、失ったものの大きさで茫然自失とする赤星を、美姫が運転するクルマが轢きかける。赤星は、美姫だと気づかず、「最近、ツライことが多くあって…」と愚痴るようにつぶやくが、そんな彼に美姫は「きっと何かいいことがありますよ」と、アンのように励ますのだった。

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