簡単なあらすじ
1) 梶間勲(伊武雅刀)は、武内真伍(ユースケ・サンタマリア)が自宅に深夜、大きなスーツケースを運び入れているのを目撃し、訝しむ。さらには、池本亨(佐藤隆太)が失踪しているということも知り、武内の不可解な行動を怪しむようになる。
2) 勲は、武内に的場一家殺人事件で凶器としても使われたネクタイをプレゼントされ、困惑する。検察側は、「贈ったネクタイを『趣味が悪い』と言われ、逆上して犯行に及んだ」と主張していた。勲は、武内の弁護を担当した関孝之助(迫田孝也)弁護士に相談していた。
3) 勲は、武内のことを疑い、ついに自ら行動を起こす。武内が梶間家で食事を行っている間、武内の家に侵入。そこで、大きなスーツケースを開く。だが、そこに遺体はなかった。武内は、勲が「自分を疑っているかどうか」を試していたのだった。
4) 武内は「私が精一杯尽くしてきたにも関わらず、的場一家はそれを無碍にした!その罪にしてみれば、私が一家を殺害する罪は、微々たるものです」と告白する。その上で、変わらずに接するように要求する。家族の身を案じ、勲は黙っているしかなかった。
起:勲の疑念
武内真伍(ユースケ・サンタマリア)の罪を暴き、凶行を止めようとした池本亨(佐藤隆太)は失踪してしまう。妻・杏子(酒井若菜)は、武内が夫を殺害したと考えていた。
一方、深夜に武内が、自宅へと大きなスーツケースを運び入れているのを目撃し、梶間勲(伊武雅刀)は訝しむ。その後、勲は関孝之助(迫田孝也)弁護士に呼び出される。関は、武内の裁判を担当した弁護士だった。
関弁護士は、「武内のこと、無実だと思ってはいないんじゃないですか?」と図星をつかれ、勲は動揺する。だが、無罪判決を下したこともあり、勲はそのことを認めることはできなかった。
その帰り、勲は杏子に「夫は、武内に殺されたんです!」と訴えかける。だが、勲は何も言えずにその場を立ち去った。
承:見覚えのあるネクタイ
武内に言われ、俊郎(大倉孝二)は、勲の講演を聞きに行く。その日の晩、俊郎に裁判官時代の話を訊かれ、勲は話す。一度だけ死刑判決を言い渡したことがあり、その責任の重圧から、勲は胃潰瘍となったこともあった。
俊郎は、「実は、武内さんを無罪にしたの、単に誰かを死刑にするのが嫌だったからじゃないの?」と冗談めかして指摘するが、武内は上手く笑えなかった。
4月30日を迎え、武内は「今日は記念日です」と、梶間家を訪れる。その日は、2年前、勲が無罪を言い渡した日だったのだ。武内は、感謝の言葉を並べながら、勲に1本のネクタイをプレゼントする。
勲は、そのネクタイに見覚えがあり、酷く動揺する。そのネクタイは、武内がかつて裁判にかけられた、的場一家殺人事件の時に子供を絞殺する凶器として使われたものだった。検察側は、「贈ったネクタイを『趣味が悪い』と言われ、逆上して犯行に及んだ」と主張していた。
そのネクタイをプレゼントされ、勲は関弁護士に相談する。関弁護士は、「私がなんとかします」と請け負い、勲は任せることにする。
転:勲の行動
杏子は武内が大きなスーツケースを持って外出しようとしているのを目撃し、「中身を見せなさいよ」と詰め寄る。拒否する武内に、拒否はハイヒールで武内の頭を殴りかかり、警察官に取り押さえられる。
俊郎が怪我を負った武内を、梶間家に食事に誘った夜、武内は「電話をかけるのを忘れていた」と席を外す。その足で、鍵が壊れているという裏手の扉から武内の家に侵入する。そして、リビングにあった大きなスーツケースを開く。
暗証番号を記念日から推測し、「0430」とダイアルを合わせると、スーツケースは開いた。そこには、遺体は入っておらず、武内と梶間家の家族が撮った写真が入っていた。
呆然とその写真を見ていると、突然、電気が点く。そして、そこには武内がいた。武内は、「焼いたバウムクーヘンを持っていくのを忘れておりまして」と言う。
結:武内の独白
武内は「私が精一杯尽くしてきたにも関わらず、的場一家はそれを無碍にした!その罪にしてみれば、私が一家を殺害する罪は、微々たるものです」と告白する。
ついに武内は自らの罪を告白し、勲は戦慄する。「このことは、私と先生の秘密ですよ。…家族のためにもね」と言い、武内は勲に黙って、今までどおりの関係を演じ続けるよう要求する。
勲は家に戻り、関弁護士に「私は間違っていた…殺人犯を、野に放ってしまった」と電話する。関弁護士はその電話の後、事務所に訪問者がやってきた。
翌日、勲は庭で苦々しげに武内の家を見ていた。そこで雪見(優香)は、勲が「対岸の火事であると思っていた火の粉が、家族に降りかかってきた…」とつぶやくのを聞き、何のことか、と疑問に思う。
価格:822円 |
原作のあらすじ:「火の粉」(雫井脩介 ドラマ原作)あらすじ・ネタバレ