「脳内ポイズンベリー」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

1) 29歳のケータイ小説家である櫻井いちこ(真木よう子)は、飲み会で知り合った23歳のフリーター・早乙女亮一(吉川雄輝)を駅で見かける。早乙女はいちこの好きなタイプであり、彼に話しかけるべきかどうか、脳内会議を行う。

2) 意を決したいちこは早乙女に話しかけ、その日のうちに食事に行き、その帰りに早乙女の部屋に行く。流れでつい男女の関係を持ってしまったいちこは、翌朝に逃げ帰ってしまうが、早乙女からのアプローチで交際することになる。

3) いちこは、ケータイ小説の出版を編集者・越智(成河)に持ちかけられる。越智は、早乙女と知り合いであり、彼とも飲み会で出会っていた。彼はいちこに好意を持っており、告白される。いちこは、早乙女との関係が上手くいかなくなっていたこともあり、越智との交際を考え始めていたが、早乙女と再びやり直すことを選択する。

4) いちこは、小説が30万部突破した記念パーティーがあった日、早乙女と口論になってしまう。脳内会議が紛糾する中、議長の吉田(西島秀俊)は「多数決は、もういい。早乙女との関係は終わらせるべきだ。誰と付き合うかではなく、誰と付き合うことで自分のことが好きになれるか、そのことが重要なんだ」と主張する。いちこは、早乙女と別れることを決意するのだった。

起:早乙女との再会

29歳のケータイ小説家である櫻井いちこ(真木よう子)は、飲み会で知り合った23歳のフリーター・早乙女亮一(吉川雄輝)を駅で見かける。早乙女はいちこの好きなタイプであり、彼に話しかけるべきかどうか、脳内会議を行う。

いちこの脳内には、多数派の意見に流されやすい議長・吉田(西島秀俊)、ポジティブな意見担当の石橋(神木隆之介)、ネガティブな意見で石橋と対立する池田(吉田羊)、好き嫌いをジャッジする子供のハトコ(桜田ひより)、記録係の岸(浅野和之)がいた。

池田は、話しかけることに強く反対するが、石橋やハトコたちの強い後押しで、話しかけることにする。早乙女は、いちこが何者なのか分からなかったが、「餃子・・・」とつぶやく。どうやら、早乙女はいちこが小籠包のケータイストラップをつけていることで覚えていたようだった。

一緒に帰る電車内で、いちこはあまり会話が盛り上がらないことに脳内会議で悩む。だが、飲み会での食事の話から、一緒に食事に行くことになる。そして、「部屋が汚い」という早乙女のほぼ唯一の情報を口にしてしまい、なぜか部屋を片付けに行くことになる。

部屋を片付けた後、いちこは「あなたのことを好きだから、ここにきた」と口走ってしまい、再会して初日に男女の関係になってしまう。翌朝、目が覚めるといちこはパニックになってしまい、思わず逃げ帰ってしまう。

承:早乙女との交際

いちこは30歳を迎える。友人・川上礼子(野波麻帆)の勧めもあり、いちこは自身の書いたケータイ小説を出版したいという編集者・越智(成河)に会う。越智は、早乙女と出会った飲み会に参加しており、早乙女の同級生の兄で、早乙女と親しい間柄のようだった。

いちこは、越智に取材のため、鎌倉へのドライブに行くことを誘われる。いちこは躊躇するが、「取材のためだから」と押し切られ、約束する。その帰り、いちこは早乙女と再会する。早乙女は、急にいちこが帰ってしまったことを不思議に思っていた。

いちこは、「軽い女じゃない」と慌てて弁明するが、そんな彼女に早乙女は、「付き合おうか」と提案する。いちこは、思わぬ提案に驚くが、その提案を受け入れる。

早乙女は美大出身であり、仲間と借りていたアトリエで作品作りをしていた。作品を一通り見せてもらった後、いちこは早乙女の家に行く。そこで、年齢を訊かれたいちこは、「30歳になった」と明かす。その年齢を聞いた早乙女は、年齢より若く見えるという意味で「30歳?ないわぁ」と笑いながら言ってしまう。その一言で振られたと思い、傷ついたいちこは再び突然帰ってしまう。

その後、いちこは早乙女に帰った理由を問いただされる。その現場に、早乙女の元カノが登場し、痴話げんかを始める早乙女の様子を見て、いちこは「さよなら」とだけ告げて帰る。

転:越智の告白

早乙女との別れを確信したいちこは、「仕事に生きよう」と考える。そして、越智と鎌倉へのドライブ取材へと向かうのだった。海を前にして、いちこは過去の恋愛トラウマについて話す。いちこはOLをしていたが、婚約を機に退職。結婚を控えていた頃、婚約者が会社の先輩に二股をかけていたことが判明。しかも、その先輩が妊娠していたのだった。

過去の辛い体験談を話すいちこに、越智はついキスしてしまう。単に同情されただけと思ったいちこは、「・・・帰りましょうか」と、スルーしてしまうのだった。

いちこは、ケータイ小説の書籍化に向けて、執筆活動を続ける。そんな中、いちこのもとに早乙女が再びやってくる。いちこのためにオブジェを作り、早乙女はプレゼントする。再び出会って男女の関係となる2人だったが、友人からのいちこ宛てメールを見てしまい、その「越智さんとの鎌倉デート、楽しかった?」
という内容に、2人の関係を疑いだしてしまう。

いちこは動揺し、上手く返答できない。怒った早乙女は、そのまま出ていってしまう。いちこは「1ヶ月経っても連絡がなかったら、早乙女のことを忘れよう」と決める。そんな中、いちこは越智から告白され、返事を待ってもらうことになった。

いちこは、早乙女に対してお別れメールを送り、ついに自分の中で決めた期限を迎える。その日、ちょうどいちこは越智からの電話を受ける。そこで「早乙女君と別れました」と言ういちこに、越智は「駅で待ってて。告白する」と告白の予告をして急いで向かう。

ところが、そこで早乙女からの電話がかかってくる。「やり直したい」という早乙女からの申し出に、いちこはどうすべきか迷う。越智か、早乙女か。2人のどちらを選ぶべきか、脳内会議で考えるが、紛糾して意見はまとまらない。脳内会議では、議論の限界を迎えるとやってくるボンデージ姿の女性が現れ、いちこは早乙女を選んでしまう。

いちこは、書籍がベストセラーとなり、映画化もされるという。一躍、有名作家となったいちこは、そのことを無名な造形作家・早乙女に言うことはできなかった。だが、越智からそのことを知ってしまった早乙女は、いちこに「なんで話さなかったの?」と問いただす。

いちこと早乙女は、早乙女の過去の女性(ともさかりえ)と遭遇してしまい、心かき乱されていたこともあって口論になってしまう。結果、早乙女と再び関係が上手くいかなくなってしまう。脳内会議の中では、ついに常にポジティブだった石橋(神木隆之介)が目を覚まさなくなってしまう。

結:脳内会議

出版社が主催する30万部突破記念パーティーでいちこは祝われる。そこには、早乙女の姿はなかった。ところがパーティー会場の近くに早乙女はおり、そんな彼を見つけた越智は「なぜ出席しなかったんだ。祝ってやらなかったんだ」と責める。

越智は、早乙女が付き合った過去の女性(ともさかりえ)のことを好きだった。ところが、彼女は既婚者であり、越智はその想いを告げなかった。そんな中、早乙女は「好きになったなら、奪えばいい」などと思い、交際してしまう。結果、彼女の家庭は崩壊してしまう。

越智は、早乙女の行為を責める。殴りつけ、「お前はガキなんだ」と罵倒する。豹変したかのような越智の様子を、いちこは目撃してしまう。「なぜ、ここに来てしまったんだ」と、越智は今度、いちこに対して矛先を向ける。

越智は、「キスをスルーされたって、予告告白をすっぽかされても、何も言わなかった。でも、俺が何も傷ついていないなんて思うなよ。そんなことあるわけないじゃないか!」と、今までの鬱憤をぶちまける。

早乙女といちこは、早乙女の家を訪れる。自暴自棄になった早乙女は、自らの作品を壊して捨ててしまおうとする。そんな彼を見て、いちこは再び脳内会議を始める。いちこは泣き出し、その涙で石橋は目を覚ます。

常にいちこの恋路を応援してきた石橋だったが、「もう、早乙女との関係を終わらせよう」と言う。だが、池田やハトコは早乙女との関係を続けるべきだと主張し、話はまとまらない。再び脳内会議がまとまらず、ボンデージ姿の女性が現れるが、そこで議長の吉田は「多数決は、もういい。早乙女との関係は終わらせるべきだ。誰と付き合うかではなく、誰と付き合うことで自分のことが好きになれるか、そのことが重要なんだ」と主張する。

吉田は見事にその場を制し、いちこはついに早乙女に対して別れを切り出す。早乙女はいちこに追い縋ろうとするが、いちこは振り返ろうとしない。彼女には心地よい風が吹き、新たな一歩を踏み出すのだった。

いちこは、新作を書き上げる。その作品を越智は書店で購入する。一方、いちこは街中で人にぶつかり、ペンダントヘッドが階段から転げ落ちる。追いかけるいちこは、その先で新たな人物と出会うのだった。

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