「THE 有頂天ホテル」あらすじ・ネタバレ

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大晦日で、カウントダウンイベントを控えたホテル・アバンティは賑わっていた。客やホテルの従業員たちの様々な思いが、アバンティの中では交錯していた。

ベルボーイ・只野憲二

ベルボーイの只野憲二(香取慎吾)は、ホテル・アバンティで働きつつも、歌手を目指していた。だが、なかなか夢が叶わず、明日には故郷へ帰ろうとしていた。

そんな彼のもとに、フライトアテンダント姿の幼馴染である小原なおみ(麻生久美子)が現れる。なおみは、憲二に「夢を諦めるな」と伝えるのだった。

そんな憲二となおみは、自殺未遂騒ぎを起こす大物演歌歌手・徳川膳武(西田敏行)のもとを訪れる。そこで憲二は歌を披露し、自殺を思いとどまらせようとするが、その奇妙な歌は効果がなかった。

だが、そんな彼の歌を隣で耳にした汚職でマスコミに追われる国会議員・武藤田勝利(佐藤浩市)は、自殺しようとしていたのを思いとどまる。そして、憲二に武藤田は「勇気をもらった」と言い、憲二は人前で歌うことの喜びを感じる。

一方、歌手の桜チェリー(YOU)は、所属事務所から歌いたくもない歌を歌わされ、枕営業も強要されていた。そんなことに嫌気が差して歌手を辞めようとしていたチェリーに、憲二は「歌えるだけでも幸せだ」と、歌手を続けるよう説得する。

カウントダウンイベントで精一杯歌う桜チェリーの様子を見て、憲二は歌手を目指し続けることを決意する。

汚職国会議員・武藤田勝利

国会議員の武藤田勝利(佐藤浩市)は、汚職が明るみとなり、マスコミからの追求を逃れるため、アバンティに身をひそめていた。証人喚問は避けられず、全てを話せば政治家生命は終わる。武藤田は、記者会見で全てをぶちまけてやろうかとも考えたが、その勇気もなかった。

既にマスコミは武藤田の居場所を嗅ぎつけており、再び追われるのは明らかであった。自室で思い詰めた様子の武藤田は、拳銃に手をかけ、自殺を考えていた。

だが、隣室から聞こえてきた憲二の脳天気な歌を聞いて、自殺を思いとどまる。そして、元愛人だった竹本ハナ(松たか子)に「政治家を続けるのよ」と説得された武藤田は、副支配人・新堂平吉(役所広司)に助けられ、詰めかけたマスコミから逃げ出すのだった。

客室係・竹本ハナ

国会議員・武藤田勝利(佐藤浩市)の元愛人で、客室係の竹本ハナ(松たか子)は、シングルマザーで働きつつ子供を育てていた。

坂東健治 社長(津川雅彦)の愛人である小原なおみ(麻生久美子)の客室を掃除していたハナは、なおみの高級毛皮のコートを着る。「子供を産まなければ、私もこんな毛皮が着れたのかしら…」と想像していた。

そこに、坂東社長の息子・直正(近藤芳正)がやってきて、ハナと愛人・なおみを勘違いした直正は、「父と別れてくれ」と頼む。愛人経験のあるハナは、なおみでないにも関わらず、「別れない」と直正に告げる。

坂東社長は、交通事故に遭い、ホテルに運ばれる。なおみの振りをしたハナも彼に引き合わされてしまうことになる。坂東社長は周囲の手前、話を合わせるが、なおみの居場所を訊かれる。

なおみはフライトアテンダント姿で、幼馴染の憲二のもとを訪れ、励ましていた。なおみは坂東の愛人であったが、フライトアテンダントを装ったのだった。

ハナは、なおみと鉢合わせし、なおみの愛人という境遇を知る。なおみは、坂東との結婚を望んでいたが、親族や世間からの反対を考え、諦めようとしていた。そこで、ハナは「諦めないで」となおみを説得し、なおみは坂東との結婚を決意するのだった。

ハナは、カウントダウンイベントが行われる最中、息子に電話をかける。もう、シングルマザーとしての後悔はないようだった。

副支配人・新堂平吉

ホテル・アバンティの副支配人・新堂平吉(役所広司)は、舞台俳優を志すも、挫折した過去があった。そんな彼の勤務するアバンティに、 新堂の元妻である堀田由美(原田美枝子)が宿泊にやってくる。

ホテルマンとしてのプライドがまだ持てず、新堂は「まだ俳優をやっている」と堀田由美にウソをつく。さらに、ホテルで開催される「ステージマン・オブ・ザ・イヤー」の表彰パーティーに招かれたのだ、とウソを重ねる。

だが、「ステージマン」ではなく「スタッグマン」(鹿の交配技師)の表彰パーティーであることが判明し、新堂は仕方なくステージに上る。ところが、その表彰される予定だったのは、由美の現在の夫(角野卓造)であり、ウソであることは由美にとって明白だった。

激しく自己嫌悪に陥る新堂だったが、武藤田を無事に逃亡させることに成功し、副支配人としての自信を取り戻す。そして、カウントダウンイベントが行われる最中、新たにやってきたゲストをホテルへと向かえ入れるのだった。

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