簡単なあらすじ
1) ロサンゼルスの911オペレーターであるジョーダン・ターナー(ハレ・ベリー)は、緊急通報に対応して、警察官などに通報を伝える業務を行っていた。そんな彼女は、10代の少女であるレイア・テンプルトン(エビー・トンプソン)から、通報を受ける。
2) だが、リダイヤルしてしまうというミスで、犯人に通報者の居場所を知らせてしまい、レイアは遺体となって発見される。そのことがきっかけで、ジョーダンはオペレーターの仕事ではなく、新人の指導教官として勤務していた。
3) ジョーダンは新人への指導中、対応が困難な通報に対し、新人の代わりに通報対応を行う。それは、レイアと同じくケイシー・ウェルソン(アビゲイル・ブレスリン)という10代の少女の通報であり、誘拐されているという。ケイシーは、クルマのトランクから通報していた。
4) ジョーダンは、レイアへ指示を行い、次第に犯人への捜査網を狭めていく。犯人の正体はマイケル・フォスター(マイケル・エクランド)という男だと判明するが、警察はなかなか逮捕できない。ジョーダンは、自ら犯人の実家付近に向かい、そこで地下室を発見する。
5) 地下室で、ジョーダンとケイシーは協力しながら、マイケルと戦う。マイケルが気を失ったところで2人は彼を拘束し、絶叫すら地上に届かない地下室に、放置して立ち去るのだった。
起:少女からの通報
ロサンゼルスの911オペレーターであるジョーダン・ターナー(ハレ・ベリー)は、緊急通報に対応して、警察官などに通報を伝える業務を行っていた。そんな彼女は、10代の少女であるレイア・テンプルトン(エビー・トンプソン)から、通報を受ける。
レアは、自宅に1人でおり、何者かが侵入してくるのを発見し、通報していたのだった。ジョーダンは、レイアに2階で隠れるよう指示する。息を潜め、ベッドの下に隠れることにより、レイアはやり過ごせたかに見えた。
ところが、電話が切れてしまったことにより、すぐさまジョーダンはリダイヤルする。ところが、その音を聞いて、侵入者は戻ってきてしまった。そして、レイアは発見され、男に暴行されてしまう。男の「もう手遅れだ」という言葉を聞き、レアは酷く動揺し、ショックを受ける。
その後、レイアは別の場所で埋められ、遺体となって発見された。リダイヤルして、犯人に居場所を教えてしまうというミスで、ジョーダンは自らを責め続けた。そのため、オペレーターを続けることができなくなってしまったのだった。
承:誘拐された少女
6ヶ月後、ジョーダンは、新米オペレーターの教官として勤めていた。抗不安薬を手放すことができず、レイアの事件は大きな心の傷として残っていた。ジョーダンは、新人たちにオペレーター室を紹介する。
「オペレーターは、通報者の結末を知らされない。感情を切り離すことが重要よ」とジョーダンは話す。そんな中、着任して6ヶ月のオペレーターに、誘拐されたらしき少女からの通報が入る。新米オペレーターは、パニックとなってしまう。仕方なく、ジョーダンはオペレーターとして代わる。
通報したのは、ケイシー・ウェルソン(アビゲイル・ブレスリン)だった。ケイシーは、友達とショッピングモールにやってきていたが、友達は先に帰ってしまった。その帰り道、駐車場で男に誘拐されてしまったのだった。
自分の携帯電話は、誘拐された時に落として壊してしまった。一方、もう一つのプリペイド式携帯電話がポケットに入っていた。それは、友人が忘れていってしまったものであり、その返そうと思っていたものだった。その携帯電話でケイシーは通報していた。
ケイシーにジョーダンは対応することになる。ケイシーの携帯電話はプリペイド式であり、GPSによる逆探知が困難であった。携帯電話に問い合わせ、位置情報を教えてもらう必要があったが、それには時間がかかりすぎてしまう。
パニックになるケイシーを、まずジョーダンは落ち着かせる。ケイシーは、どうやらクルマのトランクの中にいるようだった。ケイシーとの会話により、「信号がない高速道路上にいる」「クルマは赤のセダン」「犯人は30代白人男性」であることが分かる。
だが、それだけでは発見が難しく、ジョーダンはケイシーに「クルマのテールランプを蹴落として」と指示する。さらに、テールランプのあった隙間から、手を振るようにジョーダンは指示する。
トランクから手が出ていることで、通報者が出た。ところが、通報者はその運転手の横につき、まじまじと見てしまったため、犯人はハイウェイを降りて行方を再びくらませてしまう。
次に、ケイシーとの会話で、トランク内にペンキがあることが分かる。そこで、ジョーダンはケイシーに「ペンキをテールランプの隙間から流して」と言う。トランクからペンキが流れていることを目印に、警察はヘリで捜索するが、なかなか見つからない。
転:犯人の行方
アラン・デナード(マイケル・インペリオリ)という男性が、犯人に「トランクからペンキが流れている」と親切心で伝えてしまう。犯人は、ケイシーのしわざと考え、ひと目の付かない場所へと急行する。
アランは、犯人の行動を怪しんで、ついていく。犯人は、トランクを開けてケイシーを脅していた。アランは、犯人に声をかけ、立ち去る振りをするが、すぐに通報しようとする。その様子を見た犯人は、アランに襲いかかり、頭部を殴りつける。
その乱闘の中で、犯人はポケットに入れていたクロロホルム入りの瓶を割ってしまい、その場に捨てる。犯人は、アランのクルマに乗り換える。ケイシーは、アランとともにトランクの中に入れられていた。
ケイシーは、再びジョーダンに状況を報告する。ジョーダンは、ケイシーに一緒に入れられた男性の財布を見て、男性の名前を教えてもらう。アランの身元、所有するクルマが判明し、ケイシーは警察に追跡すべきクルマを伝える。アランは、トランク内で騒ぎ立ててしまう。結果、犯人はアランをドライバーでめった刺しにし、殺害してしまう。
犯人は、ガソリンを給油するため、ガソリンスタンドに立ち寄る。そこで、ケイシーはトランクから後部座席の方に出て店主に手を振る。店主に咎められた犯人は、店主にガソリンをかけ、火を放つ。そして、ケイシーを殴りつけて意識を失わせ、その場を走り去るのだった。
ジョーダンのパートナーで警察官のポール・フィリップス巡査(モリス・チェストナット)は、犯人が乗り捨てたクルマを発見する。だが、そのクルマに犯人やケイシーは既に乗っていなかった。
ポールは、クロロフォルムの瓶に付着した指紋を調べ、結果、犯人がマイケル・フォスター(マイケル・エクランド)であると判明する。マイケルは、放火の事件で検挙されるも、不起訴に終わっていた。
ポールたちは、マイケルの自宅へと急行する。だが、そこにマイケルの姿はなかった。そこで、マイケルの実家の場所が映った写真を発見し、そこにマイケルがいるのではないか、と考える。実家は焼失していたが、納屋がまだ残っているのだという。
一方、マイケルはケイシーとともに実家近くにいた。ケイシーが携帯電話を持っていたのだと知り、マイケルは取り上げる。そのことを察したジョーダンは、マイケルに「マイケル、あなたの身元はもう分かっている。終わりよ。その子を解放して」と語りかける。だが、マイケルは「もう手遅れだ」と言う。その言葉で、ジョーダンはマイケルこそがレイア殺害犯であると気づく。
結:地下室
ポールたちは、マイケルの実家に急行するが、そこにマイケルやケイシーの姿はなかった。公開捜査が行われるが、なかなか2人の姿は見つからなかった。ジョーダンは、どうすることもできず、マイケルとのやりとりのテープを聴き続けていた。そこで、金属音が不規則に鳴っていることに気づく。
居ても立ってもいられないジョーダンは、マイケルの実家へと向かっていた。納屋の中に入ると、そこにはマイケルの幼い頃の写真が入っていた。マイケルには姉がおり、被害者たちとどこか似ていた。その姉は幼くして癌となり、やせ細っていた。治療の結果、姉は美しいブロンドの髪を失っていた。
最後の写真では、マイケルが姉の遺体にキスしている様子であった。マイケルが、ブロンドの髪に異常なほど執着していたのは、姉の死が関係している様子であった。
ジョーダンは、再び納屋の外に出て、そこで旗が風ではためいているのを発見する。その旗を揚げるためのロープには、金属がついており、それがポールとぶつかるたびに、金属音が響いていた。その音こそ、マイケルとの会話の中で聞こえていた周囲の音であった。
ジョーダンは、近くの地面を調べる。そこで、地下室への扉を発見するのであった。ジョーダンは通報しようとするが、その地下室に携帯電話を落としてしまう。仕方なく、ジョーダンは地下室に降りてその携帯電話を拾うと、その奥でマイケルの姿を発見する。
ジョーダンは、息を潜めて一室のクローゼットに隠れる。そこで、マイケルは過去の被害者のブロンドの髪を抱きしめ、ニオイを嗅いでいた。
マイケルは、ケイシーに笑気ガスを嗅がせ、自由を奪う。そして、頭皮にメスを入れて髪を頭髪ごと剥がそうとする。ジョーダンは、堪らずにマイケルの頭部を殴りつけて意識を失わせる。
ケイシーの拘束を解こうとする中、マイケルは意識を取り戻してしまう。マイケルはジョーダンを掴み、溺死させようとする。ケイシーは、マイケルを殴りつける。怯んだ隙に、ジョーダンとケイシーは、地下室から脱出しようとする。
だが、マイケルはジョーダンの足を引っ張る。地上に出てからも、マイケルはジョーダンの後を追おうとする。だが、背後からケイシーに鉗子で刺される。さらに、地下室へと叩き落とされ、再び意識を失う。
ジョーダンは、911に通報しようとするが、ケイシーは「待って」と言う。2人は、マイケルを地下室で厳重に拘束する。目を覚ましたマイケルは、「警察はいつ来るんだ?」と言うが、ジョーダンは「警察?来ないわ。ケイシーは、1人で逃げ出して、森の中で発見されたの」という。
ジョーダンは、絶叫すら地上に届かない地下室に、マイケルを拘束していた。悲鳴を上げるマイケルに対し、「終わりよ」と言い、厚い扉を閉めるのだった。