簡単なあらすじ
1) 一ノ瀬歩(中島裕翔)は、同期の香月あかね(山本美月)が新人ながら企画を通したこともあり、「僕も、新規事業の企画を考えてみたいです」と、安芸公介(山内圭哉)に相談する。課長・織田勇仁(遠藤憲一)も許可し、歩は新規事業の企画を立てる。
2) 企画内容を見た織田は、「お前は、モノを売る根本が理解できていない」と言う。そこで、歩に「一万円を元手に、商品を仕入れる。それを売って利益を出してくる」という研修を受けるよう指示する。歩は、桐明真司(瀬戸康史)とともにハンドタオルを購入して売ろうとするが、売れない。
3) 桐明は、歩の愚直な態度に苛立つが、プロ棋士になれなかったという過去を知り、心ない言葉をぶつけたことを謝罪する。2人で再びハンドタオルを売り始める。桐明は、「タオルを氷で冷やして売ろう」と考え、歩とともに売り歩く。ついにハンドタオルを完売し、歩は「必要なものを、必要として売ること、それが重要なことだと分かった」と織田課長に報告する。
4) 歩の新規事業計画は有望視される。だが、歩が契約社員であることもあり、宇野道隆(松澤一之)部長に「彼の名前では、企画を通せない」と言われてしまう。織田課長は、それに異議を唱えつつも、「営業3課として企画を通す」と言い、あくまでも歩の企画を実現させようとする。
5) 歩の企画による商品開発が行われ、販売間近となっていた。だが、小売業者が倒産し、大量のの在庫を抱えてしまうことになる。そこで歩は、「ウチが小売をやってはどうでしょうか」と提案。商社が小売業を行うというタブーに触れることで、部長は反対する。だが、織田課長はあえてその案を押し通し、鷹野専務取締役にプレゼンする機会を得る。
6) 織田課長は、誤発注などにより商品が処分されて出た損失を、商品を売ることでその損失を出さないようにすることを提案。小売業に参入するメリットを前面に押し出し、プレゼンを行う。さらには、発案者の歩の話を聞き、ついに小売業への参入が決定するのだった。
詳細なあらすじ
桐明真司(瀬戸康史)は、転職を希望して転職会社に登録し、別の商社への転職へと動き出していた。
一ノ瀬歩(中島裕翔)は、同期の香月あかね(山本美月)の立場を悪くしてしまったことを謝罪する。だが、あかねは「気にしないで。気にされる方がいやだわ」と言う。
あかねは、新人ながら企画を通したこともあり、歩も「新規事業の企画を考えてみたいです」と、安芸公介(山内圭哉)に相談する。課長・織田勇仁(遠藤憲一)は、「やってみろ。俺たちでみっちりしごいてやる」と許可するのだった。
資源2課の課長は、あかねの企画を「取り下げてきた」と言う。専務取締役からバイオマスの企画を進めるよう言われており、「リソースを別企画に避けない」というのが理由だった。炭素排出権の企画はお蔵入りとなってしまう。
鉄鋼2課では、太平洋沖を航行中の貨物船の船体に亀裂が見つかり、その対応に追われていた。港に引き返すことも、別の船に積み替えることも難しい。たまたま通りがかりに聞いた歩は、「亀裂、塞ぐことはできないのかな?」と言う。その言葉をヒントに、鉄鋼2課主任の結城雅治(丸山智己)は、船体溶接の手配を行い、トラブルを回避できたのだった。
結城は、わざわざ織田課長にお礼の電話をする。織田は、「力をつけてきたな」と歩を褒めるようなことを言う。一方、歩の活躍に、桐明は「いいよな、君のところは他のところに口出しできるほど暇で」などと嫌味を言う。
歩は、織田や安芸の前で新規事業の企画をプレゼンする。織田は、歩に「モノを売る根本が理解できていない」と言う。そこで、歩に営業課恒例の研修を行うよう指示する。その研修とは、「一万円を元手に、商品を仕入れる。それを売って利益を出してくる」というものだった。
安芸から話を聞いた結城は、「ウチのもお願いできないか?」と、桐明もその研修に参加させる。歩は、桐明とともに「何を買うか」相談する。
人見将吾(桐山照史)は、上司・鳴海亮太(マギー)と揉めてしまう。ついには、「頭が痛いので休みます」と、早退を申し出る。
あかねは、いつものように課長にランチの使い走りを頼まれる。そんなあかねを見かねて、桧山誠(松田賢二)は、あかねに「波丘コークス工業に行って、コークスをコンテナに移す手配をしてこい」と命じられる。人見は、たまたまあかねと会って、「一緒に行っていいかな?」
あかねが波丘コークス工業に向かうと、ストで作業に遅れが出ていた。先輩に報告すると、「帰ってきていいんじゃないかな?男なら、お前が作業しろって言うところだけどな」と言われ、あかねはトラックを運転して作業を行う。
歩は、桐明に言われ、ハンドタオルを購入する。桐明は、それを大学の先輩に売ろうとするが、先輩は買うのを拒否する。歩は、待ち行く人に売ろうとする。愚直に声をかけ、売ろうとする歩に、「真面目になんだってします、みたいな顔をして…どう頑張ったって叶わないことがあること、お前は知らないんだろ」と言う。だが、歩は「僕にだって、叶わないことがあるのは知ってる。でも、僕には足りないことだらけだから。頑張るしかないんだ」と言う。
残り30分となり、桐明は諦めようとするが、歩は「僕が売ってくるから。待ってて」と言って、1人でハンドタオルを売りに行く。
あかねは、自らコークスをトラックに運び込み、作業を終了させた。作業を終え、あかねは人見が「両親が離婚して、未だに奨学金を返している」と知る。
歩は、ハンドタオルを持って日本棋院会館にいる恩師のもとへと向かう。だが、恩師は「ここには来ない方がよかった。ここなら、お前から買ってくれる者もいるだろう。だが、それを上司は望んでいるのか?楽な方に逃げるな」と言う。
桐明は、日本棋院会館で歩が囲碁棋士を目指していたこと、家庭の事情でプロ棋士になる夢が遠のいてしまったことを知る。歩の過去を知り、桐明は歩に謝罪する。
桐明は、「必要なものがあり、必要としている人はいるはずだ。それなのに、なぜ売れない?」と思い、そこであることを思いつく。タオルを氷で冷やし、工事現場に持っていく。すると、冷やしたタオルは飛ぶように売れていった。
歩は、タオルを全て売り切り、織田課長に報告する。「必要としているものを、必要としている人に売る。そんな当たり前のことが分かっていませんでした」と、学んだことを話す。織田は、歩に「また企画を考えろ」と指示する。
桐明は、遅くに帰社して結城が待っていてくれたことを知る。後輩思いであることを知り、桐明は「もう一度、基本から教えてください」と言う。そして、転職活動をやめるのだった。
歩の企画が有望であると判断された。だが、宇野道隆部長(相澤一之)は歩が契約社員であることから、「企画の立案者にはなれない」と言う。織田は、そのことを歩に告げる。そして、「高卒でここの正社員にはなれない」と言うのだった。
歩は、頑張れば正社員になれると思っていたこともあり、ショックを受ける。落ち込む歩に、安芸は声をかけて一緒に飲みに行く。「俺は、お前のことを一緒に働く仲間だと思っている。契約社員としては見ていない」と励ます。
翌日、織田は「一ノ瀬の企画は、営業3課の企画として進める」と宣言。歩は、企画を進めることに再び全力を尽くす。
あっという間に3ヶ月が過ぎていき、商品販売の話が進んで行く。だが、小売業者が潰れ、大量の在庫を抱えることになってしまう。営業3課は、トラブルの対応に追われることとなった。
一方、3ヶ月という期間が過ぎ、あかねや桐明は仕事を任せられるようになっていった。だが、人見は上司に苛立ちを隠せなかった。
歩は、在庫を自ら売ることを織田課長に提案する。商社が、小売事業に参加するという”タブー”に手を出すことで、社内的に問題となってしまう。だが、織田課長はその案を押し通し、鷹野専務取締役にプレゼンする機会を得る。
織田課長は、安芸に「踏ん張った先に、何があるかということをアイツに見せてやろう」と、歩のために企画を通そうとする。
営業3課は、プレゼンの準備を入念に行う。だが、織田課長や歩は、何かが足りないと考えていた。歩は、発想を転換させ、「冒頭から事業内容を説明するのは、言い訳に聞こえてしまいます。いっそのこと、順序をガラッと変えてみてはどうでしょうか。最も伝えたいことを冒頭に持ってきましょう」と言い、徹夜でのプレゼン準備を行う。
織田課長は、与一物産の商品過剰による損失リストをまず見せる。「昔の話を蒸し返して、何のつもりだ!」と、場は騒然とする。だが、織田課長は「これら全て、5億円の損失額です。損失は最小限に抑えられました。ですが、商品を処分するのではなく、我々の手で売っていたらどうでしょうか。利益5千万円だけではなく、損失分5億円と合わせ、5億5千万円のプラスとなります」と言う。
「小売なのか卸なのか、それは関係ありません。物を売るという原点に、我々は立ち返りたいと思います」と説明する。プレゼンが終わる頃には、ヤジを飛ばす人間はいなかった。
歩は、鷹野に「どうしてこの提案をしたんだ?」と問われ、歩は「物を売るのは大変ですが、仲間と売るのは楽しいことだって知ったんです。それで喜んでくれる顔を見れるのは嬉しいことなんだ、と分かりました」と説明する。さらに、「我が社だから、なんだってできると思ったんです」と言う。
鷹野は、「この話、進めよう」と言う。営業3課には人員が補充されることとなり、小売業への参入が決定したのだった。
プレゼンを終えた後、歩は織田課長に「これからが本番だ。気を引き締めろ。他の課からの風当たりも強くなる。でも、踏ん張れ。必死で耐えた者が会社では勝つ。必死で耐えた先に、得るものがあるんだ」と言う。
そんな中、営業3課に新たな人物が着任してくる。
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