簡単なあらすじ
1) クローバーワーク社による贈収賄事件に関与したと疑われている浜尾議員が、自宅前で射殺される。犯行を行った「平成維新軍」を名乗る者たちは、犯行声明を出して収賄に関わる者たちをさらに抹殺すると宣言する。
2) 公安機動捜査隊特捜班は、犯人たちが使っている銃がグロッグ19であることから、犯人たちは暴力団関係者から銃を手に入れたのではないか、と考える。銃器マニアである大畑組の組長は、「銃をもちだしたのは、息子の譲だ」と明かす。譲は、少年院で知り合った仲間と犯行を行っているものと考えられた。
3) 彼らの潜伏先のマンションへとやってきた特捜班のメンバーは、譲を逮捕することに成功するが、残り2人に逃げられてしまう。逃げた2人は、藤崎兄弟であり、彼らの父親は贈収賄の疑惑をもたれた政治家の秘書であると判明する。
4) 藤崎兄弟がターゲットとしているのは、黒須議員と考えられ、特捜班メンバーは黒須議員の元へと向かう。稲見朗(小栗旬)、田丸三郎(西島秀俊)らは藤崎兄弟を止めようとする。追い詰められた藤崎兄弟は、互いに拳銃を向け、「この国の未来のために」と叫んで死を選ぶのだった。
詳細なあらすじ
クローバーワーク社による贈収賄事件に関与したと疑われている浜尾議員の自宅前には、マスコミが詰めかけていた。園児たちに大声で挨拶してアピールした後、浜尾議員はクルマで出かける。
浜尾議員の乗ったクルマの前に、一台のバイクが現れ、停車させる。その後、浜尾議員を外に引きずりだすのだった。有無を言わさず男たちは、浜尾議員を射殺し、取材班にも銃口を向ける。
公安機動捜査隊特捜班のメンバーたちが招集され、田丸三郎(西島秀俊)は「訓練されている。拳銃も初めて使ったとは思われない」と指摘する。官公庁のホームページがハッキングされ、平成維新軍が犯行声明を残されていた。クローバーワーク社の贈収賄に関わるものたちが標的になっていると考えられ、警備が厳重になされることになった。
稲見朗(小栗旬)は、拳銃がグロッグ19であり、「素人が手に入れられる銃ではない」と言う。稲見や田丸三郎(西島秀俊)たちは、暴力団関係者を当たることにする。
田丸は、銃器の密売人に「グロッグ19の出処を探している」と言い、銃器マニアの暴力団組長がおり、そこから流れたものではないか、という情報から、田丸は大畑組長をさらって話をする。
大畑組長は、「私が持っていた3丁は全て盗まれました」と言う。「答える代わりに、穏便に済ませて欲しい…暴力で排除するのではなく、更生の機会を与えて欲しい」と言う。息子の譲(大和孔太)が盗んだのだ、と明かす。
譲は、少年院を出た後、人が変わったようになり、「社会のシステムを変えてやる」などと言ったのだという。大畑組長は、少年院の仲間とともに犯行を行っており、さらには所有するマンションに彼らが潜伏している可能性がある、と指定するのだった。
平成維新軍のリーダーは、少年院でリクルート活動を行い、譲らを仲間に引き入れたのではないか、と稲見は推察する。稲見は、犯人たちを確保するため、拳銃を手にして過去の”活動”を思い出していた。
特捜班は、潜伏先のマンションへと向かう。コンビニに出かけようとしていた譲は、仲間に「逃げろ!」と声をかけた後、稲見たちに銃口を向ける。
田丸は、譲が2人を逃がすための時間稼ぎをしていると考える。吉永三成(田中哲司)と
樫井勇輔(野間口徹)は、裏口へと回る。そこで、譲の仲間2名と銃撃戦となる。吉永らは追跡するが、逃げられてしまう。
稲見は譲の背後に回り、隙を突いて譲から拳銃を奪う。譲は逮捕されるのだが、2名は逃げられてしまう。鍛治大輝(長塚京三)は、「2名が次のテロを行うようであれば、アイツらに責任を押し付けられる」と言う。「だが、次のテロを食い止められれば、アイツらの勝ちだ」と言う。
吉永は、譲の取り調べを行う。そんな中、譲の共犯が藤崎正一・誠ニ兄弟であると判明する。一方、大山玲(新木優子)は、収賄容疑がかかった黒須議員の秘書が、藤崎兄弟の父親であると突き止める。その秘書は、罪を背負わされて自殺していた。
収賄で利益を得たのは、浜尾議員、有賀議員、黒須議員であり、藤崎兄弟は、有賀議員、黒須議員を次のターゲットにするのではないか、と考える。吉永は、譲を尋問し、次のターゲットが黒須議員であり、無関係なターゲットとであると捜査を混乱させた上で、有賀議員を殺害するというのが、藤崎兄弟の狙いだった。
黒須議員は、遊園地で孫と一緒にいた。特捜班が遊園地へと向かう間、玲は、「トゥルース・トルゥーパー」という、埋もれた事件の真実を探求するためのハッカー集団におり、彼女はその集団から抜けたが、「トゥルース・トルゥーパー」の残党が後に平成維新軍を結成したのではないか、と考えていることを明かす。
藤崎兄弟は、孫がトイレに行った隙を狙って、黒須議員の前に立つ。「お前が悪いんだぞ」と彼らはつぶやく。その様子を、稲見が発見する。稲見は、彼らに体当たりをして止めようとする。2人を相手にしていると、そこに田丸も現れて加勢する。
藤崎兄弟は逃げ出し、稲見と田丸は追跡する。藤崎兄弟は拳銃を取り出し、稲見と田丸たちに向ける。稲見は拳銃を向けながら、「俺に拳銃を撃たせるな。生きていれば、チャンスは巡ってくる」と言う。
正一が、「ごめんな」と謝罪した後、藤崎兄弟は互いに拳銃を向ける。「この国の未来のために」と叫んだ後、彼らは発泡するのだった。田丸は、「俺たちに勝ち目はあるのか…」とつぶやく。
稲見が行きつけのバーで飲んでいると、ニュース番組で、クローバーワーク社で贈収賄に関わったとされる政治家の秘書が、また1人自殺したと報じられていた。