映画「愛を読むひと」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

1) 第二次世界大戦後、ドイツで暮らす15歳の少年マイケル・ベルク(レイフ・ファインズ、少年時代はダフィット・クロス)は、学校からの帰宅途中に気分が悪くなってしまい、通りがかりの21歳の女性ハンナ・シュミッツ(ケイト・ウィンスレット)に助けられる。回復後、マイケルはハンナと男女の関係になり、ハンナの求めに応じて物語を朗読するようになる。

2) ハンナは、勤務していた市鉄で仕事ぶりを評価され、事務職への昇進を告げられる。だが、そのことをきっかけにハンナは、マイケルの前から姿を消してしまうのだった。その後、マイケルは弁護士を目指して大学に通い、勉強のために傍聴していると、ハンナが強制収容所の女性看守として勤務していたときの罪で裁かれていることに気づく。

3) 収容所近くの町が爆撃を受け、収容所が火事になったにも関わらず、開錠をせずに約300人の人々が死亡したことについて責任を追及されていた。証拠となった報告書が提出され、他の看守たちは罪をなすりつけるように、「ハンナが報告書を書いた」「ハンナの指示で開錠しなかった」と証言する。ハンナは、報告書と比較するため、筆跡鑑定を受けるよう求められるが、拒否する。そして、「報告書は自分が書き、開錠しないよう指示でした」と言うのだった。

4) だがマイケルは、ハンナは文字を読み書きできない「文盲ではないか」と考える。つまりは、報告書を書くことなどできなかったのだ。そのことを裁判官に伝えようとするのだが、ハンナが文盲であることを隠していたこともあり、結局、伝えることはできなかった。ハンナは、無期懲役の判決を下される。

5) ハンナが服役した後、マイケルはカセットテープに物語を朗読して吹き込み、ハンナに送る。ハンナは、そのテープを聴き、本を読んで文字を覚える。20年後、ハンナは仮出所することになり、マイケルは彼女の身元引き受けを行うことになり、会いに行く。ハンナは、テープを送ってくれたことを感謝し、「この20年、学んだのは文字だけ」などと言う。

6) 出所日、ハンナは自殺をしてしまうのだった。マイケルは、成人した娘ユリア(ハンナー・ヘルツシュプルング)と、ハンナの墓を訪れる。「ハンナって、どのような人?」と訊かれたマイケルは、「僕が15歳の時、学校から帰っていると、気分が悪くなった。助けてくれたのは、一人の女性だった」と、ハンナについて話し始めるのだった。

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ここがポイント

初恋相手との奇妙な運命を描いた作品とも言えます。原作となったベルンハルト・シュリンクの小説のタイトルは、『朗読者』です。そのタイトルどおり、「朗読」がハンナとマイケルとの間をつなぐ、重要なキーとなっています。

起:ハンナとの出会い

第二次世界大戦後、ドイツで暮らす15歳の少年マイケル・ベルク(レイフ・ファインズ、少年時代はダフィット・クロス)は、学校からの帰宅途中に気分が悪くなってしまい、通りがかりの21歳の女性ハンナ・シュミッツ(ケイト・ウィンスレット)に助けられる。

マイケルは、猩紅熱に罹患していた。回復後、マイケルはハンナの家へ通うようになり、いつしか男女の関係になる。ハンナは、マイケルに朗読を依頼するようになり、彼は『オデュッセイア』『犬を連れた奥さん』『ハックルベリー・フィンの冒険』などと朗読する。

そんなある日、ハンナは勤務していた市鉄で仕事ぶりを評価され、事務職への昇進を告げられる。だが、そのことをきっかけにハンナは、マイケルの前から姿を消してしまうのだった。

承:ハンナの裁判

ハンナが何も告げずにいなくなってしまってから、長い年月が経った。マイケルは、ハイデルベルク大学法学部に入学し、弁護士を目指していた。

マイケルは、勉強のためにナチス戦犯の裁判を傍聴しに行く。そして、その被告席に、ハンナの姿を見つけるのだった。ハンナは、アウシュヴィッツ収容所の手前にある、強制収容所の女性看守であったという。

ハンナは、その収容所から人々を選別し、アウシュビッツに送っていた。その罪により、起訴されていたのだった。ハンナは、「囚人が次々に送り込まれ、収容することができず、すでにいた囚人をアウシュヴィッツに送るのはやむを得なかった」と証言する。だが、「すでにいる囚人は死んでもいいのか」と反論される。

さらに、収容所近くの町が爆撃を受け、収容所が火事になったにも関わらず、開錠をせず約300人の人々が死亡したことについても、ハンナは責任を追及されていた。ハンナは、「爆撃で混乱している中、囚人を街の中へと出すことはできなかった」と反論する。

火災に関する報告書が証拠として提出され、ハンナは「6人の看守が共同して作成した」と言う。だが、他の元看守たちは、罪をなすりつけるかのように、「報告書は、ハンナが作成した。開錠をしなかったのも、ハンナの指示だった」と証言する。ハンナは、筆跡鑑定を求められるが、それを断り、「自分が作成しました。開錠しないように指示したのも私です」と認めるのだった。

裁判を傍聴していたマイケルは、あることに気づく。物語が好きにも関わらず、自らは読まずに朗読してもらうことを好み、さらには事務職への異動を拒否したこと、筆跡鑑定を拒否したことなどから、「ハンナは文字を読み書きできない、文盲なのではないか」と思うのだった。つまりは、彼女に報告書の作成などできなかったのだった。

ハンナは、文盲であることを隠すことで、報告書の作成や開錠しないよう指示したことを認め、重い罪を背負っていた。マイケルは、その事実を裁判官に伝えようと思うのだが、ハンナ自らが隠している事実を明かしていいものか、と悩み、ついに言うことはできなかった。

転:文通

ハンナは、無期懲役の判決を言い渡され、刑務所に収容された。彼女にマイケルは会いに行こうとするのだが、ついにできなかった。面会室で、ハンナは来るはずのマイケルと待ち続けていた。

マイケルは大学卒業後に結婚し、娘が生まれた。だが、その後にマイケルは離婚した。マイケルは、ハンナのことを思い出し、かつてハンナのために朗読していた本『オデュッセイア』などを朗読し、カセットテープに吹き込んでハンナに送るようになったのだった。

ハンナは、その朗読テープと本を見比べ、文字を覚え始める。そして、マイケルに手紙を送るようになったのだった。ハンナ、そしてマイケルは文通を始めるようになる。

服役から20年後、マイケルのもとに刑務所から連絡がある。ハンナに仮釈放が認められ、身元引受人になってもらいたい、依頼されたのだった。マイケルはそれに応じる。

結:ハンナの死

出所1週間前、マイケルはハンナに会いに行く。ハンナは、「送ってくれたテープ、ありがとう。この20年、学んだことは字だけ」と言う。そんな彼女に、マイケルは「住む家と職を用意した。また出所日に会いにくる」と告げる。

だが、その出所日、ハンナは自殺してしまうのだった。マイケルは、ハンナが遺した遺書を、刑務所の職員が朗読して聞かせる。「私のお金は、空襲で生き残ったユダヤ人の娘さんに渡して」と言われ、缶に入った現金をマイケルは受け取る。

マイケルは、ニューヨークを訪れた際、ユダヤ人女性に会う。彼女は、現金の受け取りは「ホロコーストを許すことになってしまう」と断るが、「缶はいただくわ」と言うのだった。

マイケルは、成人した娘ユリア(ハンナー・ヘルツシュプルング)と、ハンナの墓を訪れる。「ハンナって、どのような人?」と訊かれたマイケルは、「僕が15歳の時、学校からの帰宅中、気分が悪くなった。助けてくれたのは、一人の女性だった」と、ハンナについて話し始めるのだった。

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