「金の卵」前半部分(ネタバレなし)
一ノ瀬亜美(山口紗弥加)は、夫の克彰(長谷川朝晴)と娘の夕子(小野莉奈)の3人でくらしていた。ある日、スーパーで買い物をして帰宅すると、卵が割れてしまっているのを発見する。だが、よく見て見ると、中には「金の卵」が入っていた。
金の卵を手に入れてからというもの、不意に思いついた数字でナンバーズが的中し、大金を手に入れる。その大金をクローゼットに隠しており、その大金を見ては金の卵のおかげだとほくそ笑む。
このことをきっかけに、「金の卵のおかげで幸運になる、金の卵を奪おうとする人がいるから守らなくては」と思い込むようになる。
結果、夫の克彰、娘の夕子、警察官すら怪しく思えてきて、亜美は次第に狂気じみた様子になっていく。なぜか部屋の中にニワトリが歩き回っており、そのニワトリすら卵を奪い返しにくるのかと思ってしまう。亜美はニワトリを庭へと追い出す。
「金の卵」の後半部分(ネタバレあり、結末まで)
亜美は夜通し、眠らずに金の卵を奪われまいと守る。そんな彼女を克彰、夕子は呆れる。「そんな金の卵がなんだっていうんだ」と克彰は言い、亜美ともみ合いになる。
亜美は包丁を取り出して応戦し、その様子を見た夕子は警察に通報する。亜美は二階の寝室で金の卵を守ろうとするのだが、そこにマスクをした男が現れる。二人はもみ合いになり、男は階段から転落して死亡する。
警察官に亜美は取り押さえられ、金の卵を落としてしまう。その瞬間、亜美は正気を取り戻すのだった。
ナンバーズの数字が「不意に頭に浮かんだ」のも、たまたま朝のニュース番組の時刻の数字が目に入っただけだった。巡回中の警察官が急に来たのも、娘の夕子が母親を心配してのことだった。ナンバーズも当たってはおらず、大金であると思っていたのは単なる新聞紙の束だった。突然現れたニワトリもルンバだった。
そして、覆面をしていて階段でもみ合った男も、実は夫で覆面すらしていなかった。全てが「思い込み」であると分かった亜美は呆然として、警察官に連行される。
家に残された夕子は、金の卵を拾い上げる。その瞬間、金の卵を守らねばと思うようになるのだった。
「金の卵」制作情報
・脚本:三輪江一
・演出:山内大典
・編成企画:渡辺恒也、狩野雄太
・プロデュース:中村亮太、関本純一
世にも奇妙な物語 ’21秋の特別編
今回の『世にも奇妙な物語』は、原作のある話がなく脚本家によるオリジナル作品のみとなっています。
よく言えばレギュラー回のような「オールド世にも奇妙な物語」の雰囲気がありました。原点回帰、といった感じでしょうか。一方で、「そのラストってどうなの?」「スペシャルの時ぐらい、最後は感動話でシメるのがいいのになぁ」と思ってしまいました。