簡単なあらすじ
1) 桜川家の婿候補たちが、金山俊市(忍成修吾)が毒殺されかけたことを筆頭に次々と死亡してしまう。高徳愛香(武井咲)は、密室の謎について、「候補者たちが殺し合い、最後に水口を弥生(北香那)が刺殺した。そして、使用人・愛知川友也(白洲迅)が弥生をかばって、密室にみせかけて屋敷内に潜んでいた」と推理を披露する。
2) だが、その推理を貴族探偵(相葉雅紀)は否定する。彼に命じられた使用人たちは、真相を語り、「3人は互いに殺し合い、最後に背部を刺されていた水口が弥生さんに電話をしている最中に事切れた」と明らかにするのだった。
3) 鷹亮(竜雷太)は、友也が最後まで弥生を庇い、幼い頃から弥生のためだけに生きていたことから、「これからは桜川のために生きろ。わしの事業の手伝いをしてみろ。本物かどうか見極めてやる」と言い、婿として迎え入れると言う。
4) 貴族探偵は、金山は毒殺されたかのように「演技」したのであり、鷹亮に命じられてそのようにした、と指摘する。そのことをきっかけに、婿候補たちは互いに殺し合った。全ては、友也を婿にするため、鷹亮が仕組んだ罠であったと言うのだった。
詳細なあらすじ
桜川家の婿候補たちが、金山俊市(忍成修吾)が毒殺されかけたことを筆頭に次々と死亡してしまう。
高徳愛香(武井咲)は、使用人・愛知川友也(白洲迅)が足を引きずっている理由を訊ねる。幼い頃、友也は弥生(北香那)が坂から転げ落ちてしまうのを助け、さらには足を骨折しているのにも関わらず、捻挫をしている弥生を背負って帰ったのだった。そのことが原因で、右足を引きずっていた。
鷹亮(竜雷太)は、愛香に探偵として捜査を依頼する。愛香は、「真相を突き止めたら、貴族探偵の正体を教えてください」と言う。貴族探偵にも依頼があり、佐藤(滝藤賢一)、田中(中山美穂)、山本(松重豊)にそれぞれ個別に事件の調査をさせる。
水口を刺したナイフには、尼子の指紋がついていた。尼子の頭部には、二箇所の打撲痕があった。尼子は、右側頭部が殴られ、オブジェが凶器として使用され、灰皿にメガネが置かれていた。高宮は、水口の左袖のボタンを握っていた。だが、水口のジャケットは、部屋に置かれていた。ボタンだけ持ち出した可能性があった。
刑事・鼻形雷雨(生瀬勝久)は、3人が殺し合ったと推理するが、愛香は「最後に殺された人物は、すでに殺されているから無理」と指摘する。
愛香は、真相にたどり着いた、とつぶやく。「今回の事件は、主人と思いやる執事、その純粋な思いから起きた事件なんです」と言う。弥生が、友也に恋心を抱いていたのだ、と愛香は指摘する。
自分の身を投げ打ってまで助けようとした友也のため、弥生が婿候補者たちを全員、殺害しようと考えた、と愛香は推理する。弥生は、それぞれ3人に「あなた以外の候補者たちが、あなたに金山さん殺害未遂の罪をなすりつけようとしている」と言ったのだった。
疑心暗鬼に陥った候補者たちは、互いに殺し合った。最後に、水口を刺殺し、「水口から電話があったようにみせかけた」と言う。
密室は、友也が弥生を救おうとして作り出したもので、屋敷の中に潜んでいた、と愛香は指摘する。友也は、弥生をかばって「私がやりました」と言う。だが、弥生は「もう、いいの。十分よ」と言い、自らの罪であると言う。
鼻形は、弥生に「あとは署で話を聞かせてもらいましょう」と言う。だが、貴族探偵は愛香の推理を否定する。
貴族探偵に命じられ、まず山本が密室で殺害された3人について解説を行う。まず、高宮の握っていた水口のボタンは、「偽装」であると指摘する。左右間違ったボタンを握っており、明らかに尼子による「偽装」であると山本は指摘する。
さらに、尼子は殺害している際に、メガネを灰皿に落とした。灰皿にはメガネのガラスが落ちており、証拠隠滅のため、部屋の灰皿を交換したのだった。
尼子も、左利きの人物が殴ったようにみせかけていたが、オブジェの右側の棒が抜かれており、それも「偽装」であった。尼子を撲殺したのは、水口だった。
水口は、尼子が刺したようにみせかけていたが、実際に刺したのは高宮だった。つまり、それぞれ3人が誰かを殺そうとした結果、3人全員が死亡したのだ、と貴族探偵の使用人たちは指摘する。
まず、水口が棒をとりに行った。その間、尼子は水口の部屋に侵入し、ジャケットのボタンをとった。その後、尼子は高宮の部屋へと向かったのだった。だが、高宮は尼子の部屋におり、ナイフを手にしていた。
その後、水口は部屋に戻ったところ、潜んでいた高宮に背後から刺されたのだった。その際、水口は倒れ、床に額を打ち付けていた。凶器には、尼子の指紋がついていた。
高宮はその後、自室に戻る。だがそこに、尼子に絞殺される。この際、尼子のメガネが灰皿に落ちる。尼子は、水口のボタンを高宮に握らせる。そして、メガネの入った灰皿を手にして自室へと戻る。
この際、貴族探偵の名刺の上に灰皿を置いたため、名刺が下になっていたのだった。尼子は、自室の灰皿を手に、高宮の部屋へと交換しに行く。
一方、隣の部屋では刺された水口が意識を取り戻し、「自分が左手で尼子を殺害すれば、全て高宮のせいになる。自分が婿になれる」と考えたのだった。水口は、尼子の部屋へと向かい、自室に戻ってきた尼子を撲殺した。
水口は、弥生に電話をする。だが、その電話途中で息絶えて倒れてしまったのだった。そこで再び地面に額を打ち付け、2個の打撲痕ができたのだった。密室の謎については、友也が弥生の犯行と勘違いし、友也が作り出したものだった。一方、弥生も友也が犯人であると勘違いしており、かばおうとしていたのだった。
貴族探偵は、「使用人は、主のためを思って行動します。ですが、使用人のために命をかける主人はいません。それも使用人は望んではいません」と弥生をたしなめる。
鷹亮は、「個人的な感情を持っている使用人を置いておくわけにはいかん」と友也に言う。だが、その後、「お前は、弥生のために生きてきたようなものだ。これからは桜川のために生きろ」と言い、「わしの事業の手伝いをしてみろ。本物かどうか見極めてやる」と言葉を続ける。ついに、鷹亮は弥生と友也の関係を認めるのだった。
愛香は、「金山さんに毒を飲ませたのは誰だったんでしょうか?」と疑問に思う。愛香は、病院へと向かうが、金山の姿はなく、入院記録も消されていた。「医療法人 白桜会」と調べると、そこは桜川家が運営する病院だった。
貴族探偵は、鷹亮に「三匹の子豚は、別の結末もあるんです。オオカミに怯えた三匹の子豚は、自分だけ助かろうと、共食いを始めてしまうんです…桜川伯爵だったんですね、オオカミは」と指摘する。
貴族探偵はさらに、「三匹の子豚を始末するため、金山に毒殺されかけたかのようにみせかけた。結果、愚かな子豚たちは、まんまとオオカミの罠にはまった」と指摘する。
「恐ろしい御仁ですね」と言うと、鷹亮は「あなたほどではありません」と応じる。
愛香は、部屋に戻り、武蔵病院の資料を見返す。そこには、喜多見切子(井川遥)の死亡診断書のコピーが入っていた。愛香は、「師匠のあの”事故”、本当に事故だったんですか?」とつぶやく。武蔵病院には、貴族探偵の家紋が使用されていた。
鷹亮は、貴族探偵に「あなたが喜多見切子を殺した…」と言う。