簡単なあらすじ
1) 高徳愛香(武井咲)は、女子高生・垂水遥(橋本環奈)の依頼を受ける。彼女は、学校の教師・浜村康介(内野謙太)と交際しており、卒業後に結婚することを約束していた。だが、その浜村は強請られていた宇和島逸子殺害の罪で逮捕されてしまう。
2) 逸子は廃倉庫で殺害され、頭部と両腕を切断されていた。その頭部と両腕を河川敷で埋めていたところ、逮捕されたのだった。遥は、浜村の無罪を信じ、愛香に調査依頼を行ったのだった。
3) 愛香は、逸子の夫・政人が犯人であると指摘するが、貴族探偵はその推理を否定する。さらに、推理を披露するよう命じられた執事の山本(松重豊)は、「犯人は、美容師の小関さんです」と指摘する。彼女は、頭部と両腕をマネキンにつけ、髪をカットしたのだった。近所の住民にその姿を見せており、生きているかのように見せかけた。さらには、自ら逸子に扮して和菓子屋を訪れ、死亡推定時刻を大幅にずらしたのだった。
4) 愛香は、遥に「力になれなかった」と謝罪するのだが、遥は愛香に救ってもらった、と感謝する。愛香は貴族探偵に負けを認めるが、「いつか超えてみせる」と誓うのだった。
詳細なあらすじ
喜多見切子探偵事務所に、女子高生・垂水遥(橋本環奈)が訪ねてくる。高徳愛香(武井咲)は、遥の依頼を受けることになる。
一週間前、廃倉庫で女性の遺体が発見された。遺体は、背部から刺され、頭と両腕が切断されていた。その直後、現場から数キロの河川敷で、頭部と腕、遺留品を埋めている男が逮捕される。逮捕されたのは、遥の高校の教師・浜村康介(内野謙太)だった。
遥と浜村は真剣に交際しており、卒業後に結婚する約束をしていた。だが、そのことをネタに浜村は脅迫されていた。そして、脅迫者は殺害された女性・宇和島逸子だった。動機もあり、浜村の犯行は確実と思われた。
だが、遥は浜村のことを信じ、愛香に助けを求めるのだった。愛香は、廃倉庫を訪れ、捜査を開始する。だがそこに、貴族探偵(相葉雅紀)が現れるのだった。貴族探偵もまた、執事とともに事件の捜査に乗り出していた。
愛香は、浜村に接見し、「玄関の前に頭部と腕が置いてあり、疑われないように、埋めに行きました」と言う。浜村に、アリバイはなかった。宇和島の死亡推定時刻は、21日午後2時から6時、5時までは生存が確認されていたため、5時から6時の間に殺害されていると考えられた。宇和島の自宅は荒らされており、夫は通報していたのだった。
愛香は、逸子の夫・政人に話を聞きに行く。政人は駆け出しのプロボクサーで、「妻がパートで僕を支えてくれました」と明かす。さらに、「午前中、このビデオを撮影した時が、妻と会った最後でした」と言う。さらに、「4時に後楽園へと出かけ、そこで6時まで友人の試合を見ていました」と明かす。
逸子が殺害された直前に訪れていた和菓子屋、美容院で確認すると、確実に彼女は訪れていたのだという。美容師の小関仁美も、「3時にカットしていた」と証言する。さらには、美容院へと回覧板を持ってきた近所の住民は、逸子の姿を見ており、「5時に雨が降った」と証言する。雨が降った記録を確認すると、3時から5時だった。
愛香は、そのことから「犯人が分かった」と言う。愛香は、犯人がなぜ頭部と両腕を持ち去ったのか、それがポイントであると指摘する。「犯人は、逸子さんの顔と手が必要だった」と言い、その理由を「疑いの目を向けられないよう、仲のいい夫婦を演じるため」と言う。
逸子は、政人を献身的に支えてなどおらず、家事一切を任せ、なおかつ暴力を受けていたと愛香は指摘する。政人は、膝や臀部に怪我を負っていた。
政人は、「俺にはアリバイがある。だから、殺害なんかできない」と言う。だが、愛香は「替え玉を使って、アリバイを作った」と言う。さらに、廃倉庫は窓が片側だけ開いており、血痕が外に飛び散ったと考えられた。ところが、外にはそのような血痕はなく、雨で洗い流された。
雨が降ったのは3時から5時までであり、その時間帯が殺害時刻となる。その後、替え玉の女性がアリバイ作りに協力した、と愛香は言う。腕を切断したのは、「家事を一切していなかった」と発覚しないため、部屋に指紋を残すためであった。さらに、顔を使って、ベッドで「仲睦まじい姿」を撮影したのだった。最後に、腕と顔を浜村の家の前に置いた、と言う。
ところが、政人は「逸子に殴られるのが好きなの。そういう趣味なの」と言い、動画の続きでは、逸子は生存している証拠が映っていた。
貴族探偵は、愛香の推理を否定する。山本(松重豊)は、「死亡時刻は、3時より前」であると言う。つまりは、「3時に美容院に来ていた」と言う、美容師・小関の証言がウソであると山本は指摘する。
他の客も逸子の姿を見ていたが、それは頭部と腕だけで、練習用のマネキンにつけていただけであった。小関はその後、和菓子屋に自ら替え玉となって訪れていたのだった。
小関は、「3年間も全部むしりとられて」と言う。彼女もまた、逸子に脅されていたのだった。
貴族探偵は、警察による誤認逮捕で遥を傷つけたことについて、謝罪を求める。古川刑事は頭を下げ、小関を逮捕するのだった。
愛香は、遥に「力になれなくてごめんなさい」と頭を下げるが、遥は「私を救ってくれたのは、やっぱり愛香さんでしたよ…本当にありがとうございました」と感謝する。
愛香は貴族探偵に、「こう見えて、私、高校生の時モテたんですよ。ストーカーの被害にも遭ってしまって。その時、師匠に出会って。助けてもらったんです」と明かす。喜多見切子(井川遥)は、「安心して。私はあなたのこと、絶対に見捨てないから」と言って、愛香を励ましてくれたのだった。
愛香は、「遥さんを見て、昔の私を見ているようでした。だから、どうしても救いたかった…でも、救ったのはあなただった。あなたは、最初から誰よりも早く、事件の真相に辿り着いていたんじゃないですか?…私は、全て人任せなあなたを探偵とは認めません。でも、もうあなたの能力を認めざるを得ません。だから、決めました。いつかあなたを超えてみせます」と言うのだった。