登場人物
・大杉道雄(小市慢太郎):小説家
・本宮真知子(高岡早紀):大杉道雄の妻で、元女優。
・水橋佐和子(田中千絵):真知子の妹、主婦。
・水橋洋一(山中祟):会社員で、佐和子の夫。
・堂島尚樹(中村俊介):佐和子の元恋人。
簡単なあらすじ
1) 水橋佐和子(田中千絵)という女性が森の中で亡くなり、貴族探偵(相葉雅紀)とともに、愛香(武井咲)と鼻形雷雨(生瀬勝久)は事件の調査に乗り出す。佐和子は、姉夫婦である大杉道雄、本宮真知子、そして夫の水橋洋一、元恋人である堂島尚樹とキャンプにきていた。
2) 愛香は、大杉が替え玉である「貴生川」という人物を使ってカフェでアリバイ作りを行ったと指摘し、犯人は大杉であると断定する。しかしながら、鼻形がカフェで差し出した色紙のサインが、目の前にいる大杉本人の指紋と同一であることから、愛香の推理は否定される。
3) そこで、貴族探偵は使用人に命じて、推理を改めさせる。佐和子を殺害した人物は大杉であり、替え玉を使ってカフェでアリバイ作りを行ったのは正しかった。だが、愛香たちの目の前にいる人物は大杉ではなく、替え玉として使用された「貴生川」であった。大杉本人の方は、妻・真知子に殺害され、真知子は貴生川に夫のふりをさせ続けたのだった。
4) 大杉と佐和子は不倫関係にあった。真知子は、大杉に佐和子殺害を命じた。大杉は計画を実行したが、彼が佐和子の遺体に花冠をかけたことから、真知子は嫉妬し、大杉も殺害することにしたのだった。
詳細なあらすじ
愛香(武井咲)は、鼻形雷雨(生瀬勝久)とともに、師匠である喜多見切子(井川遥)の亡くなった現場を訪れ、調査を行っていた。そんな中、森の中で女性の遺体が見つかった、と山本(松重豊)から連絡がある。
亡くなったのは、水橋佐和子(田中千絵)であり、花冠をして死亡していた。シートの上に座り、木にもたれかかったようにして亡くなっており、周囲にはワインがこぼれていた。
佐和子は、姉夫婦である大杉道雄、本宮真知子、そして夫の水橋洋一、元恋人である堂島尚樹とキャンプにきていた。彼らは燻製づくりの合間に散策にそれぞれでかけており、その最中に佐和子は殺害されたのだった。
死亡推定時刻に、大杉はカフェにおり、真知子はキャンプ施設近くで目撃されていてアリバイが成立していた。カフェにいた大杉を、愛香たちも目撃しており、鼻形はサインをねだったのだった。
一方、夫・洋一、堂島にはアリバイがなかった。なおかつ、亡くなる直前に佐和子は「死ぬなら、最愛の人に殺されて、花冠をしてもらいたい」と、大杉の作品に登場するようなシチュエーションで死にたい、と発言しており、その発言内容を聞いていた人物が犯人と考えられた。つまりは、洋一、堂島のいずれかが犯人ではないか、と鼻形は睨む。
だが、大杉が「タバコが苦手」と知り、愛香は違和感を覚える。大杉がカフェにいた際、タバコを吸おうとしていたからだった。さらには、大杉にソックリで食い逃げをして逮捕された「貴生川」なる人物がいることが判明し、愛香は一つの仮説を組み立てる。
愛香は、関係者の前で推理を披露する。佐和子を殺害したのは大杉である、と指摘する。さらに、アリバイ工作として、ソックリな「貴生川」を使い、カフェにいたのは貴生川であると指摘する。
鼻形は、カフェでサインをねだり、色紙を差し出していた。その色紙に付着した指紋を調べれば、カフェにいたのが貴生川であると判明し、今、目の前にいる人物である大杉とは異なるはずである、と指摘する。
だが、検出された指紋は、同一のものであると判明し、愛香の推理は否定される。そこで貴族探偵(相葉雅紀)は使用人に命じ、正しい推理を披露させるのだった。
佐和子を殺害したのは、大杉であるという推理については正しかったのだが、さらに大杉もまた、共犯者に殺害されている、と山本(松重豊)は指摘する。つまり、目の前にいる「大杉」は、本人ではなく貴生川だった。
貴生川は、カフェでアリバイ作りを行い、その間に大杉は佐和子を殺害。その後、2人が落ち合ったところで、妻・真知子が現れ、大杉を刺殺したのだった。グリーンスムージーが飛び散って付着した服から着替えていたのは、大杉の血液が付着していたからであった。
大杉に、佐和子を殺害するよう命じたのは、真知子だった。佐和子と大杉は不倫をしており、そのことが世間的に明らかとなれば、「おしどり夫婦」のイメージは瓦解する。そのため、「佐和子を殺して」と真知子は言ったのだった。
ところが、佐和子に花冠をしたため、大杉が佐和子のことを本当に愛しているのだと知り、夫の心がすでに離れてしまっていることを感じた真知子は大杉を殺害したのだった。そして、貴生川に大杉のふりをさせ続けていたのだった。
真知子は、自らの犯行が明らかとなってしまい、自ら命を絶とうとするが、貴族探偵はそれを止めて、抱きしめるのだった。
事件解決後、愛香は貴族探偵に「あなたが喜多見切子を殺害したんですね、政宗是政さん」と言う。貴族探偵は、無言で愛香の頭に花冠を載せるのだった。