簡単なあらすじ
1) 名門・桜川家では、桜川弥生(北香那)の婿選びが行われていた。それぞれ名門の子息が4人婿候補者として呼び寄せられ、それぞれ牽制しあい、婿の座を狙っていた。そんな中、金山俊市(忍成修吾)がキジの生き血を飲む儀式の最中、毒物を混入されて倒れる。
2) 金山は、自ら吐いた血で「うつき」と記して意識を失う。その後、金山の飲まされた毒物はコリアミルチン ツチンであると判明する。それは、ドクウツギに含まれる有毒物質であり、何の毒物であるか金山は知らせたかったのだった。そして、金山は自らの部屋にドクウツギを隠し持っていた。
3) その後、婿候補者の一人である水口から、同じく婿候補者の尼子幸介が「頭を殴られて死んでいる」と弥生に電話する。その電話を受けて、弥生たちは、婿候補者たちが泊まる建物に向かう。その建物は、窓がすべて施錠され、玄関のドアも内側からチェーンがかけられていた。
4) 水口佳史は、背部からナイフで刺されて死亡していた。尼子幸介は側頭部を鈍器で殴打されて死亡し、高宮悟は絞殺されていた。密室状態の建物の中、3人は誰が殺害したのか、ますます疑問は深まるのだった。
詳細なあらすじ
金山俊市(忍成修吾)たちは、桜川弥生(北香那)の婿候補として集められていた。高徳愛香(武井咲)は、行きがかり上、婿の選定を立ち会うことになってしまう。
愛香は、玉村依子(木南晴夏)に「貴族探偵と懇意にしてる桜川鷹亮(竜雷太)に会えば、貴族探偵のことが分かるかもしれない」と言われ、愛香は桜川家を訪れたのだった。
愛香は、鷹亮の外孫である豊郷皐月(加藤あい)に桜川家の邸宅を案内される。鷹亮は、政界を影から操るフィクサーとも言われる人物だった。
金山は、仕留めたキジを運び、邸宅へと戻ってきた。鷹亮や弥生たちの前で、金山は「私がキジを仕留めました」と報告する。桜川家では代々、婿を選ぶ際にキジを狩りに行き、キジを仕留めたものが婿になるのだという。
金山は、弥生を強引に散歩に誘うなど、彼女の気持ちを考えない様子だった。そんな様子を見かけ、愛香は「弥生さん、可哀想」などとつぶやく。
鷹亮は、愛香の師匠・喜多見切子(井川遥)のことを知っており、愛香は驚く。愛香は、「貴族探偵をご存知でしょうか?」と訊ねる。すると、すぐ後ろに貴族探偵が立っており、愛香は驚く。
花婿候補たちは、キジの生き血を飲む。金山だけは、キジを狩った者であり、一人だけ異なる色の盃で飲んでいた。生き血を飲んだ後、金山は血を吐いて倒れる。金山は、吐いた血でメッセージを残す。その文字は、「うつき」と読めた。
貴族探偵は、「そう簡単にはなれないようですね、桜川家の当主というのは」と言う。
鼻形雷雨(生瀬勝久)刑事が呼ばれ、金山の盃から毒物が検出されたことが明らかとなる。金山は、一命をとりとめたのだという。
愛香は、「『うつき』という言葉に、心当たりはありますか?」と訊ねるが、皐月は「さぁ」と首をひねるだけだった。
婿候補の残り3人は高宮悟、尼子幸介、水口佳史であり、鼻形は取り調べる。3人は「婿選びはどうなるんだ」と疑問を口にし、執事の愛知川真司は「旦那様がご判断なさります」と言う。
弥生、そして執事の愛知川友也(白洲迅)は幼馴染であった。身分は違えど、弥生は友也に好意をもっており、「私がお嫁に行ったら悲しい?」と訊ねる。友也は「心より祝福致します」と言って立ち去る。
執事や候補者たちは、「キジを獲った者が桜色の盃を使うしきたり」「盃のありか」を知っていた。
鷹亮は、婿選びの儀を続ける、と宣言する。そして、「明日には弥生に結論を出してもらう」と言う。だが、愛香は「毒を使った可能性がある。このままでは最悪の事態も起こりうる」と止めるが、鷹亮は聞き入れなかった。貴族探偵は、婿候補者たちに「本気を出すときがきたよ」などと発破をかける。
皐月は、鷹亮が困窮した際、婿候補者たちの一族が援助を行ったと明かす。そのことにより、婿候補者たちは選定されたのだった。
金山に使用された毒物は、コリアミルチン ツチンであると判明する。それは、ドクウツギに含まれる有毒物質であり、何の毒物であるか金山は知らせたかったのだった。また、金山の部屋から、ドクウツギが発見される。
そんな中、弥生は水口から「尼子が殴られて殺害された」と連絡があったことを明かす。貴族探偵は、佐藤(滝藤賢一)をボディガード代わりに連れて現場へと向かう。
婿候補者たちの部屋は、内側から鍵がかかっていた。他の窓も全て鍵がかかっており、貴族探偵の命令で佐藤はドアの鍵・チェーンを壊す。皆が室内に入ると、友也が現れた。
水口の部屋を訪れると、背後から刺されている遺体が発見される。佐藤は、「全ての窓や扉は施錠されており、犯人は屋敷の中にいる可能性が高い」と言う。尼子もまた、鈍器で側頭部を2度殴られていた。凶器は、玄関にあったオブジェの一部だった。そして、尼子のメガネは欠けて、灰皿の中に入っていた。
高宮は、頸部を背後から絞められて殺害されていた。右手には、ボタンが握られていた。建物は密室であり、「犯人はどのように3人を殺害したのか」と愛香は疑問に思う。
貴族探偵は、童話『3びきのこぶた』になぞらえ、「どうやら、この屋敷には獰猛なオオカミが潜んでいるようですね」とつぶやく。