簡単なあらすじ
1) イギリスの外交官ジャスティン・クエイル(レイフ・ファインズ)は、弁護士の妻テッサ(レイチェル・ワイズ)とともにケニアに駐在していた。ジャスティンはテッサを空港へと見送るのだが、彼女は滞在先で何者かに殺害されてしまう。
2) テッサの死に疑問を抱いたジャスティンは、単独で調査を始める。そんなジャスティンの行動を、上司であるバーナード・ペレグリン(ビル・ナイ)は妨害する。ジャスティンは調査の中で、テッサが新薬「ダイプラキサ」について調べていたことを掴む。
3) ダイプラキサは、重篤な副作用報告のあった薬であった。にも関わらず、大手の製薬会社はアフリカの貧しい人々を実験台にし、さらには死亡例が起きたことを隠していたのだった。その事実を公表しようとしたテッサは殺害されてしまったのだった。さらには、その製薬会社と上司のペレグリンは癒着関係にあった。
4) ジャスティンは、ペレグリンが部下に「ダイプラキサの死亡報告を隠蔽し、テッサを監視しろ」と命じる内容の手紙を手に入れ、それをテッサのいとこアーサー・ハモンド(リチャード・マッケイブ)に託す。そして自らはテッサの殺害された地に出向き、そこで自らも殺害される。ジャスティンの葬儀の場で、ハモンドはその手紙を読み上げ、ペレグリンと製薬会社の悪事を暴くのだった。
詳細なあらすじ
イギリスの外交官でケニアに駐在するジャスティン・クエイル(レイフ・ファインズ)は、弁護士の妻テッサ(レイチェル・ワイズ)をナイロビの空港まで見送った。2日後に帰ってくるはずのテッサだったが、彼女は運転手とともに殺害されてしまい、帰らぬ人となった。
ジャスティンは、友人のサンディ(ダニー・ヒューストン)からそのことを聞かされた。テッサは、黒人医師のアーノルド・ブルーム(ユベール・クンデ)とともに医療普及活動を行っていた。そんな中、テッサは殺害され、一緒にいたはずのアーノルドは行方不明となっていた。また、テッサとアーノルドは不倫関係にあったのではないかと噂されるも、アーノルドはゲイだった。
ジャスティンは、妻テッサのことを思い出す。活動的なテッサに比べ、ジャスティンはガーデニングを趣味とするような内向的な性格だった。2人の出会いは、ジャスティンが上司であるバーナード・ペレグリン(ビル・ナイ)の代理で講演会で演台に立っていた時、厳しい質問をしてきたのがテッサだった。
正反対の性格の2人だったが、次第に惹かれ、テッサからのプロポーズで結婚することになったのだった。テッサは、ジャスティンの赴任先であるケニアにもついてきた。そんな中、テッサが妊娠し、ジャスティンは喜んだ。ところが、テッサは死産してしまう。
テッサは悲しみを忘れるようにボランティア活動に打ち込み、ジャスティンはガーデニングに勤しんでいた。結果、夫婦の関係はすれ違い始め、ジャスティンは本当にテッサが自分のことを愛しているのか疑い始める。
そんな中、テッサは大手の製薬会社が、重篤な副作用報告のあった新薬「ダイプラキサ」をアフリカの貧しい人々を実験台にし、死亡例が起きたことを隠している事実を掴む。テッサはレポートを作成、さらには外務省へと通達していた。その数日後、テッサは殺害されていた。
警察は、テッサのパソコンや書類を押収した。テッサのデスクの中には、テッサとサンディの不倫関係を疑わせるような手紙が入っていて、ジャスティンはショックを受ける。
ジャスティンはテッサの死に疑問を抱き続け、彼女がダイプラキサのことを調べていたことを知り、独自でテッサの死について調べ始める。そこで、テッサの死には製薬会社が関与していると判明する。
ジャスティンは、ペレグリンにダイプラキサについて問いただす。その直後、彼はペレグリンに休暇を取るよう命令され、ロンドンに戻る。ジャスティンは、テッサのいとこで弁護士のアーサー・ハモンド(リチャード・マッケイブ)に会う。そこで、テッサの調査していた内容が明らかとなり、さらにはペレグリンと製薬会社・治験業者との癒着関係が判明する。
ハモンドに宛てたテッサのメールには、テッサがサンディと関係を持ち、それと引き換えにペレグリンや製薬会社との不正を暴く証拠を手に入れたことを示唆する内容が書かれ、ジャスティンはテッサが自分のことを愛していたのだと知り、泣き崩れる。
ハモンドに依頼し、偽造パスポートなどを手に入れ、ジャスティンはケニヤに戻る。彼は、黒人医師のアーノルド・ブルームがテッサの死んだ日に拷問され、殺害されていたことが判明する。さらには彼はゲイであり、テッサと不倫関係にあったとは考えられなかった。ジャスティンは、ペレグリンが製薬会社とともに、死亡報告を隠蔽するため、テッサを殺害したと確信する。
彼は、臨床データをテッサに提供した医師が住む村へと出向き、テッサが命と引き換えに手に入れた、ペレグリンがサンディに宛てた手紙を手に入れる。だが、その村は襲撃され、ジャスティンは命からがら逃げ出す。ジャスティンは、手に入れた手紙を、ハモンドに届けるよう依頼する。そしてその後、テッサが亡くなった場所に降り立つ。そこに行けば殺されることが分かっていながら、彼はその場所へと向かったのだった。
ロンドンでは、ジャスティンの親戚、友人、政治家や記者たちが葬儀に集まった。ジャスティンは、自殺したと報告されていたが、そこでハモンドは、ジャスティンから託された手紙を読み上げる。その手紙は、ペレグリンがサンディに向けて書いた手紙であり、そこには「ダイプラキサの死亡報告を隠蔽し、テッサを監視しろ」と命じる内容が書かれていた。
ペレグリンは報道陣に写真を撮られ、怒りの表情を浮かべて葬儀場を後にした。ペレグリンによる悪事は公の下にさらされたが、製薬会社の株式は世界中で上がり続けていた。