登場人物・キャスト
斑井満(内村光良):斑井コンサルティング代表取締役社長。町おこしを得意分野とするなどと言いながら、実際は土地を安く買い上げ、町おこしのための施設を建設することもなく、産業廃棄物処理場用地に転売して荒稼ぎしている。
川辺守夫(野添義弘):十色村のラーメン屋「ラーメン多幸」の店主。
斑井万吉(山本浩司):満の父。アマチュア考古学者であり、自らの研究をまとめた『幻を求めて』を全18巻で自費出版するも売れず、借金を重ねて病死した。
あらすじ(ネタバレなし)
ボクちゃん(東出昌大)が十色村で自転車旅行をしていたところ、偶然立ち寄ったラーメン屋「ラーメン多幸」の味に感動する。ところが、過疎化が進んでおり、唯一の救いは、斑井コンサルティング代表取締役社長・斑井満(内村光良)の町おこし事業だった。
ところが、斑井は土地を安く買い上げ、町おこしのための施設を建設することもなく、産業廃棄物処理場用地に転売して荒稼ぎしていた。そのことを知り、憤ったボクちゃんは、斑井に一泡吹かせるため、ダー子(長澤まさみ)、リチャード(小日向文世)に呼びかける。
リチャードは、大事にしていた土器をボクちゃんに貸す。ボクちゃんは、その土器が「産廃処理施設の建築現場から出た」と噓をつき、工事を中止に追い込もうとした。ところが斑井はその土器を忌々しそうの見ると、割った上で踏みつけ、工事続行を告げる。
リチャードは大事な土器を潰され、斑井に復讐を誓う。そこでボクちゃんは、リチャードとともに縄文土器を作り、再び工事現場から発掘されたと斑井に言う。その真偽を調べるため、斑井は東部大学の考古学教授・牛久幸次郎(花ケ前浩一)のもとへと向かう。牛久教授をリチャードが扮して対応し、「現場を見てみたい」と言うのだった。
工事現場では次々に土器などが発掘され、五十嵐(小手伸也)扮する新聞記者、SNSを通じて噂を聞きつけたアマチュア考古学者たちが現れる。生き生きと発掘現場で作業をするアマチュア考古学者の姿を見つめる斑井は、どこか懐かしいものを見るかのような目だった…
あらすじ(ネタバレあり・結末まで)
アマチュア考古学者だった斑井の父親が自費出版した『幻を求めて』全18巻を読破したダー子は、エキセントリックな言動や姿で斑井の前に現れ、トンデモ自説を言いながら、発掘作業に勤しむ。
発掘されたものは、全てリチャードとボクちゃんが作ったものだった。それがニセモノであることは斑井も見抜いていた。実際、本物の牛久教授が現れ、「これらはニセモノです。私の名前を騙った人物がきたようですが、私とは関わりはありません」などと宣言する。
ダー子は、その言葉にがっかりしたように立ち去る。その背中を、斑井は見つめていた。工事再開で祝杯を上げる斑井だったが、窓に映った自分の顔を見て、さまざまな思いがこみ上げる。さらに、ダー子は斑井の父親が書いた本『幻を求めて』を斑井のもとへと送る。その本を手に取り、読み始めた斑井は、ある決心をしてダー子のもとを訪れる。
ダー子は、「幻の遺跡を追い求めるのはもうやめて、代々持っている山を売ろうと思っている」と斑井に言う。すると、斑井は「その山、言い値で買う」と言うのだった。結果、ダー子は1億円で購入した山を3億円で売ることに成功する。
ダー子は、かつて「日本のシュリーマンになる」と言い続け、発掘作業をしていた父親に付き添って発掘していた斑井が、再び発掘作業を始めることを予測していたのだった。斑井は案の定、買った山で発掘を行うのだった。
十色村には、産廃処理施設が建設された。さぞがっかりしているだろう、とボクちゃんは再び「ラーメン多幸」を訪れるのだが、そこには多数の作業員が詰めかけており、店は活気に満ちていたのだった。
冒頭の名言・セリフ
ハインリッヒ・シュリーマン「あのトロイアが実際に存在するに違いないという確信が、多事多難な人生の浮き沈みを繰り返す間にも、決して私を見捨てなかったことは何という幸いだったろう」
「卑弥呼は、本当に存在したのか?ピラミッドは、人間が作ったのか?ムー大陸は、あなたの立っているその場所かもしれない。真実は地面の下に。コンフィデンスマンの世界へようこそ」