登場人物・キャスト
野々宮ナンシー(かたせ梨乃):野々宮総合病院の理事長。元モデルで開業医の夫と結婚し、夫が亡くなった後は理事長として病院のPR活動などを取り仕切っている。金持ちの患者を優先して診て、貧しい患者はすぐに退院させるなどといったことをしていた。
野々宮新琉(永井大):ナンシーの息子で、外科医。「スーパードクター」と名高いが、実際のところ田淵医師にオペを行わせていた。
田淵安晴演(正名僕蔵):野々宮総合病院に勤務する医師だったが、ナンシーに追い出されてしまう。新琉の代わりに難手術を担当していた。
あらすじ(ネタバレなし)
リチャード(小日向文世)は虫垂炎となり、野々村総合病院で入院・手術することとなった。「スーパードクター」の新琉による執刀を希望していたが、オペを行ったのは、頼りなさそうな田淵医師(正名僕蔵)だった。
手術は無事に終わり、リチャードが退院した後、ボクちゃん(東出昌大)は、田淵医師が交通整理のバイトをしているのを見かける。田淵医師は、新琉の代わりに手術しており、「給料を上げてもらいたいと理事長に交渉したら、病院を追い出された」と明かす。
田淵医師は医療過誤をでっち上げられ、さらには悪評を流されてしまって再就職できずにバイトをしているのだという。リチャードは、「命の恩人」である田淵医師がヒドイ目に遭わされていることに憤りを感じ、復讐のためナンシー理事長をターゲットに詐欺計画を実行することを提案する。
まずボクちゃんは、アメリカ帰りの凄腕外科医としての野村総合病院に入職を希望する。だが、「契約は手術を見てから」と言われ、契約料を騙し取るのは上手くいかなかった。
第二の矢として、ダー子もまた自ら外科医ナオミとしてナンシー理事長の前に現れる。そして、健康上なにも問題のないナンシー理事長に「胸部大動脈瘤がある」と偽の検査結果を示し、早々に手術しないと死の可能性もあると告げる。
ダー子扮するナオミ医師は、田淵医師もいない今、手術を行う代わりに多額の手術代を要求するが、それも「手術が終わってから支払う」と言われてしまう。ダー子はそれを了承し、手術を行うことになる。
ダー子はまず、ナンシー理事長に「アメリカでは常識」と、手術前に睡眠薬を飲ませる。眠ったナンシー理事長を手術室に運び、あとはボクちゃんが作成した手術映像のDVDを別室で新琉に見せるだけ・・・の手はずだった。
ところが、DVDが再生不可能となってしまい、ボクちゃんは慌てる。心配した新琉は手術室へと向かう。仕方なくダー子は、手術を始めざるを得なかった。順調に見えた手術だったが、途中で五十嵐(小手伸也)が倒れてしまい、大出血を起こしてしまう…
あらすじ(ネタバレあり・結末まで)
ダー子も手を止め、「母親を救いたいなら、自分で手術をしたらどう?」と新琉にいう。だが、新琉はそこに現れた田淵医師に手術を依頼する。すると、豹変した田淵医師は「俺を院長にするなら考えてやる」などと要求しはじめる。
その傲慢な態度にボクちゃんは耐えきれず、ついに田淵医師を殴りつける。実は、田淵は腕は確かだったが、患者への態度や身だしなみに問題があり、ナンシー理事長は再三にわたって注意していた。ほかの病院でも、単にそうした面が問題視されただけであり、ナンシー理事長が悪評を立てたわけではなかったのだった。
田淵医師もいなくなり、新琉は手術せざるを得ない状況となった。ナンシー理事長は、新琉が患者の命を預かり、立派な医師になることを望んでいた。だが、母親の命が危ない状況であっても、その場から新琉は逃げ出してしまうのだった。
ダー子は、仲間たちだけになったところで、ボクちゃんにネタバラシをする。当然、手術はしておらず、ハリウッドの特殊造形師・ジョージ松原(山田孝之)に依頼してリアルな造形物を作っておいて、それを見せていただけであった。
術後、ナンシー理事長は300万ドルを振り込む。そして、夢で「新琉が医師に向いていない」と痛感し、自らも理事長職を辞することを決めるのだった。また、胸を開いた痕がなく、自分が手術を受けていない、と気づき、騙されていたことに気づくと、ナンシー理事長は笑い出すのだった。新琉は「前からやってみたかった仕事」として、Youtuberを始める。
冒頭の名言・セリフ
ブラック・ジャック「医者は人の体は治せても、歪んだ心の底までは治せん」
「目に見るものが真実とは限らない。医学は本当に進歩しているのか?長生きすることは本当に幸せなのか?医療物やると本当に視聴率が上がるのか?コンフィデンスマンの世界へようこそ」