芦沢央「火のないところに煙は 第一話 染み」あらすじ・ネタバレ・結末

小説家の「私」はかつて、編集者として勤務していた。そんな中、オカルト雑誌に携わったことで、学生時代の友人・瀬戸早樹子は「榊桔平というライター、いいお祓いの人を知らない?」と訊いてきたのだった。
 
その理由は、友人の角田尚子が彼氏の神楽坂での交通事故死をきっかけに、奇妙な出来事が起こっているためであるという。尚子は、広告会社で交通広告を担当しており、納めた広告に「染みがついている」とクレームが入るようになったのだという。
 
しかも、それは東京メトロの広告ばかりに起こる現象であり、そのたびに尚子は神楽坂の会社に謝罪しに行く必要があった。そのため、亡くなった彼氏が呼んでいるかのようだ、と尚子は感じていた。
 
また、ポスターの染みを見てみると、それは印刷ミスなどではないことが分かった。というのも、その染みを拡大鏡で見ると、「あやまれ あやまれ あやまれ あやまれ…」と、小さな文字がびっしりと埋め尽くされていた。
 

 
よくよく話を聞いてみると、尚子は早樹子の紹介で、よく当たると評判の占い師に見てもらったのだという。尚子は、彼氏と一緒に占ってもらったところ、小花柄のチュニックを着たソバージュの占い師は、「早く別れた方がいい」と言ったのだという。
 
彼氏は激怒し、占い師に罵詈雑言を吐きながら帰った。そこから彼氏は人が変わってしまったかのようになり、「別れるなら死ぬ」「早く会いに来い。来なかったら死ぬ」などと言うようになったのだという。
 
それからしばらくして、彼氏は事故死した。こうした話を聞き、ライターの榊は占い師の特徴を聞き、「その占い師はヤバイ」と言う。そして、「あやまれ」というのは彼氏の言葉ではなく、占い師に謝れという意味ではないか、と指摘するのだった。
 
その後、尚子もまた「悲鳴を上げながら」車道に出て、交通事故で死亡した。そして、早樹子もまた同様に死亡した。早樹子も同じ占い師に占ってもらっており、「今の彼氏と別れてはいけない」という忠告を無視して、別れていたのだった。
 
「私」は、3人の死に占い師が関わっており、そのことを2人に伝えることができなかったことを悔やむのだった。



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