芦沢央「火のないところに煙は 第二話 お祓いを頼む女」あらすじ・ネタバレ・結末

怪異ネタを得意とするライターの鍵和田君子は、自宅に平田千恵美という女性から電話がかかってくる。彼女は、君子に「お祓いをして欲しい。できないなら、お祓いのできる霊能者を紹介して欲しい」と依頼するのだった。
 
身内が死亡し、さらには夫が不注意で事故を起こしてしまったのだが、何を撥ねてしまったのか分からず、そこには革製のベルトのようなものが落ちていたのだという。そして、そこには犬・猫のたぐいや、人はおらず、バンパーがへこんだ形跡しかなかった。
 
さらに、息子のトシフミは丈夫なはずのランドセルを傷つけ、肩ベルトがちぎれてしまい、また、脚には打ち身がある状態で帰ってきたのだったという。千恵美本人もまた、何者かの声が聞こえ、幻聴のような症状に悩まされていた。
 
千恵美は、狛犬の尾を踏んでしまったことがあり、「狛犬の祟り」だと思い込んでいた。すでに何人かの霊能者などに依頼はしているのだが、お祓いをしてもらえずに君子を頼って電話しているのだという。君子は断るが、千恵美はしつこく食い下がり、ついには自宅へと押しかけてくる。
 

 
仕方なく君子は、千恵美の話を改めて聞き、どうすべきかと考えあぐねていた。そんな中、同じくライターの榊桔平から電話がかかってくる。一通り榊は話を聞くと、「病院に行った方がいい」と言う。
 
「千恵美の夫が車で撥ねたのは、息子・トシフミ」であると言うのだった。日頃から「車には注意しろ」と注意されていたため、トシフミは父親に怒られるのではないかと思い、その場から逃げ出してしまったのだった。
 
君子がそのことをトシフミに問いただすと、彼はそれを認めるのだった。怪異のたぐいではないことが判明し、千恵美は安心してトシフミと帰宅するのだった。
 
ところがその後、千恵美は交通事故で亡くなってしまう。君子が電話でトシフミに話を聞くと、「誰かの怒鳴り声を聞いて」車道に飛び出していた。そして千恵美もまた何者かの声が聞こえる幻聴に悩まされていたのだった。
 
君子は、千恵美の話をもっと真摯に聞いて、どうすべきかアドバイスすべきであったと悔やむのだった。



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