簡単なあらすじ
1) ヒロ(天海祐希)は、偽装結婚のはずが超治(沢村一樹)のことを本当に好きになってしまい、離婚届を渡して超治の家を出る。失恋で悲しむ中、再び家を失ったヒロは、叔母・照乃(キムラ緑子)の家へ行く。
2) 照乃と八重子(坂井真紀)の親子喧嘩に触発され、ヒロは今までの照乃に抱いていた悪感情を吐き出してしまう。ヒロは、照乃が「自分のことを邪魔な姪だと思っているのではないか」と思っていたが、実は以前から今までずっと愛して、気にかけていたことを天人(佐藤二朗)に明かされる。
3) ヒロの母は、夫の浮気に逆上して、自宅に火を放った。”事故”で火災が起きて死亡したというのは、照乃がヒロを傷つけまいとしたウソだった。そして、燃え盛る家の中から救ってくれたのも、照乃だったのだ。
4) 多くの人に愛されていると気づいたヒロは、超治との「偽装結婚」を終わらせ、落ち込む超治を励まし、お互いに自分たちの幸せになれる道を探そうとする。別れてから1年後、お互いにパートナーを見つけたという2人は、再会するのだった。
起:25年振りの号泣
ヒロ(天海祐希)は、超治(沢村一樹)を大学生の時以来、「再び好きになってしまった、もうこれ以上一緒にいることはできない」と告げる。そして、”偽装夫婦”の関係に終止符を打つべく、離婚届を渡して超治の家を出た。
ヒロは街をさまよい、水森ユウ(井上琳水)に会って慰められ、失恋の悲しさから泣き出してしまう。ユウの母・しおり(内田有紀)に連れられ、水森家を訪れたヒロは、しおりにすがりついて泣きながら眠ってしまったのだった。ヒロは、「25年振りに泣いた」と明かす。
ユウは、ヒロが泣きながら話していたという「署名捺印」「偽装」「孤独」という言葉の意味を質問し、ヒロは困ってしまう。ヒロに好意を抱くしおりは、ヒロを引き止めるが、ヒロは「今は誰とも話したくない」と思い、アパートを出る。
ヒロは、結婚指輪を超治に返し忘れたことから、超治の自宅へと向かう。郵便受けに指輪を入れようとすると、超治の母・華苗(富司純子)が出てきた。華苗は、「偽装結婚だなんて…あの子がヒロさんにしたことを許せないの」と言い、華苗は「超治と親子の縁を切った」とヒロに告げて自宅の富山へと帰る。
承:未練
ヒロは、超治のことを忘れようとするが、自分でも未練がましく思いつつも、どうしても忘れることができない。だが、部屋を借りるために物件を探したり、前向きに一歩を踏み出そうとしていた。
だが、その一方で、ヒロはしおりに「前のヒロさんに戻ってしまった気がします。放っておけないんです」と、以前の心を閉ざした状態に戻ってしまったと指摘される。ネットカフェで寝泊まりしていたヒロは、超治のことを夢に見る。
ヒロは、幼い頃に亡くなった両親の墓参りへと向かう。そこに従兄の天人(佐藤二朗)が「ヒロが来るかもしれない」と思い、待っていた。天人に誘われ、「一緒に帰ろう」と、ヒロは子供の頃に引き取られて育った郷田家へと向かう。
転:両親の死の真相、照乃の思い
郷田家では、叔母・照乃(キムラ緑子)が、2人の孫の面倒を見ていた。孫たちは母親の八重子(坂井真紀)とケンカして、家を出てきたのだった。照乃は、ヒロに「離婚した?」と鋭く指摘する。照乃のもとにも、夫から離婚届を送られていた。照乃は「世の夫婦も偽装結婚みたいなもんだね。生活の安定や、老後の面倒をみてもらいたいとか。そんな目的で結婚するけど、都合が悪ければさっさと別れちまう」と言い、離婚届に署名・捺印をする。
照乃は、八重子が離婚したこともあり、自分のことに手一杯であり、子供たちの面倒を見ないことを叱る。そんな照乃に八重子は反発する。そんな中、親子ゲンカが始まり、ヒロは思わず心の声を口に出してしまう。そこで、照乃は「この際、思ったこと全部良いな」と言う。
その言葉に、ヒロは「どうして人を弄ぶようなことを言うんですか?」「私が両親に会いたいと泣いていた時、『泣けるときに泣いておきな。人生にはもっと辛いことがこれから起こる』って言ったんですよ」「いつも可愛げのない子だって言って」「もしタイムマシンがあったら、私の両親に結婚するなって言うって。それって、私が生まれてこなければ良いって、そういうことでしょ?」と今までの鬱憤を全て吐き出す。
だが、天人は照乃がヒロのことを実は愛しており、ずっと気にかけていたことを明かす。さらに、ヒロの両親は火災の事故で死亡したのではなく、夫の浮気で逆上した母親が家に火をつけ、燃え盛る家の中から照乃がヒロを救い出したのだ、と天人や八重子は明かす。
「私は、アンタのことを独りにしようとは思ってない」と照乃は言い、八重子は「アンタの家族はここにいる」と照乃の心の内を代弁する。ヒロは、「私のことを傷つけないように庇ってくれてたのに…信じられなくてごめんなさい」と、泣きながら謝罪する。
結:超治の変貌
ヒロは、超治が好意を寄せる弟子丸保(工藤阿須加)から、「離婚するんですか?もしかして、僕のせいですか?」と訊かれ、「私、彼のことが好きになってしまったの。だから、これ以上、一緒にいることができないの」と本当の理由を証す。
保に、「彼の家にある本を、叔母の家に運んでもらえないかしら?」と言うヒロに、保は「良いですよ…でも、超治さんの様子がおかしいので、会いに行ってください。超治さん、あれから一歩も家を出ていなくて」と、会って欲しいと頼まれる。超治は、すでに幼稚園に辞表提出し、独りぼっちで家にいた。
ヒロは、超治のマンションを訪れると、超治が、まるで超治に出会う前のヒロのような喋り口調になっていた。超治はヒロの気持ちを理解しようとすべく、ヒロの本を読み続けていた。
超治は、離婚届を出していなかった。「偽装結婚だけど、楽しかったじゃない」と、超治は一緒に暮らすことを望む。だが、ヒロは「私は本当の結婚をしたいの。本当の家族、本当の愛を欲しいの」と言う。
ヒロは、ホイットマンの「私にも、誰にも、あなたに代わって道を歩くことはできない。自分の道は、自分で行く他ないのだ」という言葉を引用して、お互いに親友のまま、幸せを見つけていこうと言う。
落ち込み、「私はゲイではなく泥(でい)」と言って無気力になる超治に、「周りの人間を元気にするあなたが好きだったのに。あなたまでウソくさい笑顔になってどうするの?」と元気づける。そして、「氷の城に閉じこもる『アナ雪』のエルザにでもなったつもり?」と、超治がかつてヒロに言った言葉を、今度はヒロが超治に話す。
ヒロと超治は、離婚届を提出する。超治は、「しばらく旅に出ると思う。27年前のように」と言い、ヒロは「今までのように図書館で働く。できるだけ長く。色んな人に愛されていると分かったし」と、ハグしてお互いの道を歩んで行こうとする。
別れ際、超治は「1年後、お互いに付き合っている人がいたら、この日、この時間にここにきて、お互いに紹介し合おう」と言い、ヒロは同意する。
1年後、超治は同じ日の同じ時間に1人でやってくる。2人は、「付き合っている人、いるんだな」とお互いに言う。
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