簡単なあらすじ
1) 伊原忠輝(中村蒼)は、佐田要造(加藤虎ノ介)の殺害容疑で逮捕された。だが、伊原は事情聴取されるも、「オペはしたこと以外は覚えていない」と言う。為頼英介(西島秀俊)は、伊原が新薬・ドロールを大量内服したせいで反抗に及び、記憶がなくなったのではないかと考える。
2) 為頼は、伊原に面会し、なおかつ新薬・ドロールについて調べた結果、副作用が起こったのだと確信。白神陽児(伊藤英明)にその可能性を指摘し、「必要な痛みもある。私は、無痛治療とは別の道を行きます」と、白神のもとを去る。
3) 早瀬順一郎(伊藤淳史)は、伊原がつぶやいていた「大切な人、大切な場所」というフレーズが、石川一家殺人事件の妻が新聞に投稿して掲載されていたことや、その時に掲載されていた写真が、犯行現場の遺体の状況と似ていたことから、伊原こそが犯人であると確信する。
4) 伊原は、勾留されていた警察署から逃亡。白神のもとを訪れるが、「私には君は必要ない」と言われたことから、さらに病院からも逃亡して行方をくらます。
起:伊原忠輝との出会い
伊原忠輝(中村蒼)は、先天性無痛症であり、生まれながらに「痛み」を知らなかった。怪我をしても気づかず、なおかつ両親が早くに他界したこともあり、「痛み」を感じないことがいかに恐ろしいことなのかを知らずに育った。
5年後、虫垂炎から腹膜炎を併発している状態で伊原は白神メディカルセンターに受診。白神陽児(伊藤英明)の診察を受けた。白神は、イバラが先天性無痛症であると診断し、「無痛治療のために協力して欲しい」と願い出る。
伊原は、佐田要造(加藤虎ノ介)の殺害容疑で逮捕され、勾留されていた。一方、白神は伊原の研究データを見つめていた。為頼英介(西島秀俊)は、普段の伊原には犯因症が現れておらず、本当に伊原が佐田を殺害したのか疑問を抱いていた。
白神は、協力関係にある病院関係者を呼び、事件が起こったことで迷惑をかけたことを謝罪する。そして、「この男は、既に白神メディカルセンターとは関係ありません」と説明する。
伊原は、早瀬順一郎(伊藤淳史)に取り調べを受け、「事件のこと、何も覚えていないんです」と言う。早瀬刑事は、伊原に「心神喪失と判断されて無罪を狙っているのならば、そんなことさせない」と言う。
職場復帰した心理療法士の高島菜見子(石橋杏奈)は、担当患者のサトミ(浜辺美波)に、「提案があるんだけど」と言う。
承:伊原の犯因症
為頼は、白神が開発した新薬・ドロールについて調べていた。そんな中、早瀬刑事が訪れてきた。早瀬刑事は、伊原が佐田の腕を高島のロッカーに入れたのは、「迷惑をかけていた佐田の死を知らせたかったからではないか。伊原は高島に好意を抱いていたと思うんです」と言う。さらに、伊原は取り調べで「何も覚えていない」と一点張りで、早瀬は伊原に精神鑑定が行われるのではないかと焦っていた。
さらに、「伊原に犯因症は出ていなかったんですか?」と早瀬は訊き、為頼は「今まで出ていなかったが、逮捕直前に現れるのを見た」と答える。為頼は、伊原が犯因症の現れる直前に新薬・ドロールを大量に内服していたことが関係しているのではないかと考え、伊原との面会を求めた。
伊原は、「オペをしただけです」と言う一方、「殺害したことは覚えていない」と言う。高島のロッカーに佐田の左腕を入れたことも覚えていなかった。為頼は、続けてイバラに新薬・ドロールを大量に内服した理由を尋ねる。伊原は、「強くなれる薬」であり、内服した後のことをやはり覚えていないという。
伊原は、為頼に白神について訊き、「僕がいなくて大丈夫ですか?白神先生にとって、僕は大切な人。大切な人、大切な場所…」と独り言のように話す。
「覚えてないなんてウソだ。すぐ吐かせますよ」と逸る早瀬刑事に、為頼は「もし本当に覚えてなかったらどうする?」と言う。早瀬刑事はさらに、一家四人殺人事件の手がかりは、残るはサトミだけであり、事情聴取を行うつもりだと言う。
転:新薬の副作用
翌日、菜見子がサトミを連れて為頼診療所にやってくる。菜見子は、「サトミちゃんに温かい家庭を見せたい」と、井上和枝(浅田美代子)に頼んでいたのだった。和枝は、サトミと一緒に餃子作りを行い、サトミの表情も少し柔和になる。
菜見子は、サトミに「明日、刑事さんが来るの。今度は、ちゃんと話をしよう」と言う。そして、為頼に同席を求めた。
一家四人殺人事件の被害者である男性が教師であり、サトミを担当していた。早瀬は、声を出さないことで厳しく叱られたことで、男性教諭を恨んでいたのか、とサトミに訊く。「事件の日、1人で行ったのか?4人をどうやって殺した?」などと質問する。サトミは、菜見子にメールで「ハンマー」と送る。
「どうして遺体にビニール袋をかぶせたんだ?4人を殺した順番を教えてくれ」と質問する早瀬に、サトミは横に首を振る。早瀬刑事はさらに、「リビングで4人を殺した。そして、あの絵のように死体を並べた。それは確かか?」と訊き、サトミは頷く。だが、実は4人の内子供たちは寝室で殺害されており、早瀬はサトミが犯人ではないと考える。
佐田が一緒にいなかったなど、事件の真実について聞こうとするが、サトミは答えることができなかった。「これ以上は、話は困難です。時間を置いてください」と菜見子が言い、早瀬は事情聴取を切り上げる。
サトミは、「いつまでも私はサトミちゃんのそばにいるよ」と言う菜見子に、ついに声を出して「ありがとう」と言って感謝する。
為頼は、白神に「伊原君は、事件当時のことを覚えていないとのことです。私は本当だと思います。そこで、白神先生に訊きたいことがあります。伊原君が佐田を殺したのは、あの薬のせいじゃないですか?」と、新薬を大量服薬したせいで伊原が佐田を殺害したのではないか、と質問する。
白神は、「あの薬にはクリアするべき点がまだある。でも、あの新薬は患者にとって必要な薬なんだ」と弁明する。だが、為頼は「伊原君に新薬を大量服薬して異変が起きていたのを知っていたのではないか。しかし、新薬研究のため、伊原君のデータをとることを優先させた」と、白神が伊原を研究のため利用しているだけだと指摘する。
「患者にとって、無痛は何より優先されるものだ」と言う白神に、為頼は「必要な痛みというのもあるんです。私の大切な人たちは痛みを抱え、それでも生きていた。…私は白神先生とは別の道を行きます」と言って為頼は白神のもとを去る。
結:伊原の脱走
伊原は弁護士に「白神先生は大丈夫ですか?白神先生にとって、僕は必要なはずです」と言う。そんな伊原に、弁護士は「君がどれだけ院長に迷惑をかけたと思っているんだ。これ以上、院長を失望させるな」と言って去る。
サトミは、菜美子に「私は何をしたんだろう…石川先生のこと、本当に嫌いだった。死んじゃえって思ってた」と言い、本当に殺害をしたのかと思い、塞ぎこんでいた。
早瀬刑事は、伊原が繰り返しつぶやく「大切な人、大切な場所」というフレーズについて、ネット検索を行う。すると、一家四人殺人事件の被害者の1人、石川教諭の妻・彰子が書いた詩であることが判明し、事件の犯人は伊原であると確信する。
すぐに取り調べを行うという早瀬の言葉で、伊原は勾留された場所から出される。その機に乗じて、伊原は警察官を倒して逃走する。早瀬刑事は為頼に電話し、伊原が行きそうな場所を訊く。為頼は、「病院だ。彼が行くのはあそこしかない」と言う。為頼もまた、白神メディカルセンターに向かう。
院長室に伊原はおり、「白神先生。僕にできることはありますか?先生は、僕のことが研究に必要だと言ってくれました。僕は、先生にとって大切な人ですよね?」と言って詰め寄る。
白神は「私は君がいなくても大丈夫だ」と言い、通報する。伊原はその場から再び逃亡する。伊原は、サトミの姿を見つけ、病室に入る。サトミは、伊原の顔を見て、彼が石川一家を殺害したところを目撃していたことを思い出す。サトミは、伊原に「あなたは、あの一家を殺害した」と言う。
早瀬刑事は、白神および為頼に「石川一家殺人事件の妻・彰子の詩が掲載された新聞の写真が、一家が殺害されて並べられた状況と似ている。伊原は、写真を真似て並べたんです」と明かす。
菜見子は、サトミの病室を訪れるが、サトミの姿はなく、血のついたケータイが落ちていた。
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