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久坂部羊「無痛」あらすじ・ネタバレ

      2015/10/29

背景・設定

元外科医で開業医をしている為頼英介は、患者を診て徴候を捉え、どんな病気なのかを言い当てることができる、類まれなる能力を持っていた。高脂血症や糖尿病、そして癌患者の治療可能性すら、患者を診ることで判断することができた。

そんな為頼医師は、落とした財布を拾ってくれた高島菜見子に出会う。高島は臨床心理士であり、「六甲サナトリウム」という精神障害児童の施設で働いていた。高島は、為頼医師の診断能力の高さを知り、施設の南サトミという14歳の少女が「一家四人惨殺事件の犯人は私」と言い出したことについて、その真偽を判断して欲しい、と依頼する。

登場人物

カッコ内は、フジテレビ系のドラマ『無痛~診える眼~』のキャスト。

為頼英介(西島秀俊):為頼診療所の院長を務める開業医。元外科医であり、患者の徴候から病名を言い当てるという高い診断能力を持つ。

早瀬順一郎(伊藤淳史):兵庫県灘署に勤務する刑事。犯人が精神疾患を装い、刑法三十九条で無罪となったことから、鑑定医に掴みかかったことを問題視されたことがある。

高島菜見子(石橋杏奈):精神障害児童の施設「六甲サナトリウム」に勤務する臨床心理士。シングルマザーであり、祐輔という1人息子がいる。

白神陽児(伊藤英明):白神メディカルセンターの院長。優秀な外科医であり、為頼医師と同様の高い診断能力を持つ。

伊原忠彦(中村蒼):無痛症という痛みを感じないという先天的な障害を持つ。尖頭症で頭が小さく、子供の頃に脚を幾度となく骨折しているため、脚を引きずっている。毛髪や眉毛がない。甲状腺機能低下症で知能が低かったが、白神医師によるホルモン投与を受け、IQは90まで回復した。白神メディカルセンターで、手術室の器材係として勤務している。

佐田要造:前妻・高島菜見子にストーカー行為を繰り返す男。菜見子と前の夫との間に生まれた息子・祐輔に虐待を行い、菜見子に離婚を言い渡された。

あらすじ

起:為頼英介の能力
元外科医で開業医をしている為頼英介は、患者を診て徴候を捉え、どんな病気なのかを言い当てることができる、類まれなる能力を持っていた。さらに、刑務所の医師(法務技官)を勤めていたことから、犯罪を犯す傾向にある人物の顔貌も見分けることができるようになっていた。

為頼医師は、落とした財布を拾ってくれた高島菜見子に出会う。高島は臨床心理士であり、「六甲サナトリウム」という精神障害児童の施設で働いていた。高島は、為頼医師の診断能力の高さを知り、施設の南サトミという14歳の少女が「一家四人惨殺事件の犯人は私」と、凄惨な事件の犯人が自分であると言い出したことについて、その真偽を判断して欲しい、と依頼する。

承:菜見子の依頼
サトミと会って話をした為頼医師は、「単に自罰的なウソをついているだけだ」と判断する。だが、サトミの発言を知った施設内の人物から、警察に通報が行われ、早瀬順一郎刑事は捜査に乗り出す。だが、刑事の訪問を知ったサトミは、施設を脱走し、行方をくらませてしまう。サトミの毛髪を採取し、DNA鑑定を行ったところ、事件現場に落ちていた帽子の中の毛髪と一致した。

サトミは、街中をふらついていたところ、睡眠薬を売ろうとしたところ、特殊な性癖を持つ顧客に、女性を紹介する男・小村虎夫に出会う。そして、サトミは白神医師に紹介されるのだった。

為頼医師は白神医師から、その類まれなる診断技術で「白神メディカルセンター」のサテライト医院となって欲しいといったことや、新たな病院立ち上げの際に、院長になって欲しいと打診される。だが、為頼医師は断る。「白神メディカルセンター」を訪問した為頼医師は、無痛症であるという伊原忠彦に出会うのだった。

転:佐田の最期
菜見子の元夫で、復縁を迫ってストーカー行為に及んでいる佐田要造は、菜見子の家の周囲で嫌がらせ行為を繰り返し、「息子に危害を加えると脅せば、言うことを聞くのではないか」と思った佐田は、菜見子の帰りを待ちぶせしていた。

そんな佐田を待ち構えていた伊原は、佐田を麻酔薬で昏倒させた上で拉致する。そして、自室に連れ帰ると、佐田の自由を筋弛緩薬で奪った上で、生きたまま無麻酔で解剖する。絶命した佐田の遺体を、伊原は細かく切り刻んでトイレに流した。

伊原は、精神障害者施設にいた際、菜見子に接して好意を抱いていたのだった。そのため、菜見子にストーカー行為を繰り返し、果ては危害を加えようとする佐田が許せず、殺害することとしたのだった。

佐田は、自らが助かるため、「菜見子の邪魔立てをしているのは、息子の祐輔だ」と言う。その発言を真に受けてしまった伊原は、佐田の次に、祐輔をターゲットとしたのだった。

結:白神医師の自供
為頼医師は、「サトミについて教える」と言われ、白神医師に呼び出された。「白神メディカルセンター」には、マスコミが押し寄せていた。白神医師は、事務長に7,000万円を横領された上、サラームという未承認の向精神薬を患者に使用していたことを暴露されたのだった。

サラームは、痛みを遮断し、多幸感や全能感をもたらす。このサラームを伊原に投与し、白神医師は「一家四人惨殺事件」という凶行を行わせたのだった。その一家の妻は、白神医師の弟から現在の夫に乗り換え、そのショックで弟は自殺していた。さらに、その妻は新聞にいかに自分たち一家が幸せかといった投書を新聞に行い、掲載されていた。そのことが、白神を激怒させたのだった。

事件現場から発見された帽子の中の毛髪は、サトミ本人のものである。伊原は、サトミの帽子を被って凶行に及び、そのまま帽子を落として帰ってきたのだった。伊原は尖頭症であり、小さな頭であったため、サトミの帽子が被れたのだった。

白神医師の話を聞いた為頼医師は、祐輔がターゲットとなっていると知り、すぐさま伊原の自宅に向かった。だが、伊原によって捕らえられ、麻酔薬で眠らされてしまう。為頼医師は、祐輔を生きたまま解体しようとしている伊原を止めようと説得したり、策を講じるが、失敗に終わる。

隠れて早瀬に電話をかけるが、早瀬の電話は伊原の自宅にあった。伊原を逮捕しようとした早瀬は、自らの手首と伊原の手首に手錠をかけた。結果、伊原は早瀬を気絶させて手首を切断。その後、絶命したと考えて、手首以外の体の部分を人目につかないところへ投げ捨てたのだった。

祐輔を解剖しようとする伊原。もはや諦めるしかないと考えた為頼医師だったが、そこに警察官たちが突入してきた。早瀬は、電話に出ることができない場合、別の刑事に転送されるようにしており、早瀬が電話を切らなかったため、為頼医師と伊原の会話の内容から、場所を特定することができたのだった。

伊原は逮捕されるも、やはり刑法三十九条により、医療的な措置がとられることとなった。そして、菜見子が伊原の心理療法士としてカウンセリングなどを行うこととなった。早瀬は手首を切断されるも、生存していた。

白神医師は、マスコミに糾弾され、罪に問われると考えられていたが、国外に逃亡。ともに行動していたサトミを治療し、彼女は自閉症の症状が改善し、複数の語学を短期間にマスターし、「弁護士を目指す」と菜見子に手紙を送ったのだった。

為頼医師は、妻との思い出の地である、ウィーンの診療所で働くこととなった。菜見子が見送る中、彼女の携帯電話が鳴る。電話を受けた菜見子は、「伊原が脱走した」と為頼医師に告げるのだった。

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感想(31件)

ストーリーの要点

1) 「一家四人惨殺事件」の実行犯は、伊原忠彦。伊原にサラームという薬を与え、凶行に及ばせたのは、白神陽児医師。白神は、弟を自殺に追い込んだ女性が許せず、その家族全員を殺害させたのだった。

2) 伊原は、好意を持っている高島菜見子にストーカー行為を繰り返す佐田要造を生きたまま解剖する。さらに、佐田の「息子の祐輔が菜見子を邪魔立てしている」という言葉を鵜呑みにしてしまい、祐輔を亡き者にしようとした。

3) 逮捕しようとした早瀬刑事は手錠を外すために手首を切断され、そして祐輔を救いにきた為頼医師もまた、伊原に筋弛緩薬を投与されて拘束される。だが、警察が踏み込み、伊原は救出されるのだった。

4) 九死に一生を得た為頼医師は、亡き妻との思い出の地であるウィーンに旅立とうとする。だが、その間際に、「伊原が逃亡した」という知らせを受ける。

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