永里大介(香取慎吾)は、文具メーカー勤務の39歳であり未婚。これからも誰にも邪魔されない独身生活を謳歌しようと、マンションを購入する。独りでの楽しい生活に期待を膨らませていた。
だが、そんな折、父・陽三(西田敏行)と、陽三の再婚相手の連れ子・浩太(高田彪我)がやってきた。べランダで魚を焼く、勝手に荷物を運びこむなど、陽三の行動に大介は頭を悩ませる。
大介の同僚・佐々木(荒川良々)が、「引越しパーティをしよう」と大介に提案。大介は、即それを拒否する。
再婚相手の恵(水野美紀)が、静岡の家を勝手に出て東京へ来ており、その恵を探すために陽三たちは上京してきていたのだった。浩太の不幸な生い立ちに同情したこともあり、大介は恵が見つかるまで同居を認めていた。
そんな中、恵の兄・岩淵(戸田昌宏)から大介に連絡がきて、浩太が学校にも行っていないことを心配し、「浩太を引き取りたい」と申し出る。陽三は「浩太には俺がいる」と、手放さないと伝えるが、大介は「心配してくれる親戚いるんじゃん…家族ごっこはおしまいだ」と言う。
葉菜子(上野樹里)は、離婚後1人で大介と同じマンションに住んでいた。そんな葉菜子のもとへ、夫とは「別居を決めた」という母・律子(風吹ジュン)がやってくるようになり、仕事中に電話をかけてきたり、小言を言う母親に頭を悩ませていた。
律子は、友人も恋人もいない葉菜子のことを心配する。だが、葉菜子は「面倒くさい」と生活を変えるつもりはなかった。
佐々木は、大介が留守の間に部屋へ入り、陽三とパーティーの話を進め、大介は驚く。佐々木は、出会いを求めていることもあり、パーティーに期待していた。
葉菜子の家を訪れた律子は、32歳にして再婚や出産などを考えず、老後のことなどを心配ばかりする律子に呆れる。頭でっかちな子供について、陽三は律子とともに愚痴る。
大介は、自家製ピクルスを勝手に食べた陽三に怒る。見かねた浩太は、「俺が作るから」と、大介を諌めようとする。
恵は、陽三に会いに来ていた。だが、浩太は恵と目を合わせようともしていなかった。陽三は、「2人で今後どうするか考えていこうよ」と言う。恵は、陽三がアイスを買いに行った隙に姿を消す。
恵の兄は、「近々、浩太を引き取りに行きます」と電話をしてきた。一方、職場では佐々木が勝手に新居パーティーを大々的に宣伝しており、もはや断ることができなかった。
葉菜子は、田中莉奈(水原希子)のいい加減な仕事ぶりに再び注意を行う。その中で、莉奈は「早く主婦になりたい」と言い、「今の生活、本当に幸せですか?」と葉菜子は問いかけられる。
家に帰ると、勝手に管理人に鍵を開けられ、母・律子と陽三が、自宅のキッチンでマグロを捌いており、葉菜子は驚く。そのことを大介に抗議する。大介は謝罪するが、「俺もうんざりだ」と言う。
ジムからの帰り道、大介と葉菜子が一緒に話をしていたところ、葉菜子は高瀬和弥(田中 圭)を見かけ、急に走って逃げ出す。事情を聞こうとするが、葉菜子は明かそうとはしなかった。
大介は、浩太に「来週、叔父さんが引き取りにくる」と告げる。浩太は、陽三へ口止めされ、複雑な表情を浮かべる。
和弥は、葉菜子の元夫だった。律子が和弥に葉菜子の住所を教えていたのだった。「やり直す気はない?」と律子は訊くが、葉菜子は「それは絶対にない」と言い切る。
翌日、大介の自宅マンションに続々と参加者が集まってくる。そんな中、岩淵がやってきて「責任をもって施設に預けます…ウチには3人子供がいるので、引き取ることは難しいんです」と言う。大介は、岩淵が引き取るものと思っており、戸惑う。岩淵はさらに、「妹とは早く縁を切った方がいいですよ」と言う。
大介は、陽三がパーティーの準備中、浩太を連れ出す。エレベーターで一緒に会った葉菜子は2人の様子を訝しげに見ていた。浩太は岩淵に連れられることになった。「叔父さんの家、大変みたいで…」と大介は言うが、「施設に行くの、初めてじゃないんで」と浩太は言う。
その様子を見ていた葉菜子は、「信じられない…施設に預けたの?」と抗議するように言う。陽三に「親になって、初めて成長できる」と言われ、「冗談でしょ?子供に時間をとられてしまう。そんな人生、ゾッとする」と大介は言う。
そんな大介の言葉に、葉菜子は浩太のこともあり、「そんなことだから独り身は偏見を持たれる」と言う。2人は言い合いになり、ヒートアップした葉菜子は、大介の頬を叩く。葉菜子は浩太を連れだし、「たった1人の子供も受け入れる余裕のないあなたは、可哀想」と言い捨て、立ち去る。
浩太は、岩淵の家に一晩泊まることになっていた。そんな岩淵家に、大介はロードバイクに乗ってやってくる。「こいつ、俺のピクルスを食ったんですよ。…お前、自分で作りなおせ、いいな」と言う。
「一応、戸籍上はこいつの兄なんで。心配する権利はあるかなって…」と言う。岩淵は「一生責任とれるんですか?学校はどうする?」と問うが、「学校くらい、俺が行かせる!」と大介は言い切り、連れ帰る。
陽三は、浩太に「どうした?」と訊くが、浩太はためらいながらも「散歩」とウソをつく。その様子を葉菜子は「ふーん…」と言いつつ見ていた。
大介は、父・陽三の作ったマグロの燻製に舌鼓を打ちながら、ビールを飲んで一人楽しんでいた。その様子を、陽三に撮られてしまう。