長瀬智也 主演ドラマ「フラジャイル 第5話」あらすじ・ネタバレ

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病理医・岸京一郎(長瀬智也)は、カンファレンスで病理診断について説明を行っており、宮崎智尋(武井咲)も参加していた。

岸は、宮崎自身が診断した結果を、女性外科のカンファレンスで発表するように指示する。宮崎は、自分の診断を初めて発表することになり、緊張する。居合わせた細木まどか(小雪)に「楽しみだわ」とからかわれ、宮崎は緊張するので「やめてください」と言う。

宮崎はあがり症で、子供の頃のピアノ発表会などでも、緊張してしまっていたのだという。そんな話をしていると、佐田直人(津田寛治)にその会話を聞かれ、院内コンサートに出演するように依頼される。

小早川洋行(安田章大)は、保育士だった。そんな彼には、秘密があった。彼は、末期癌であったが、「動揺するから」と、そのことは子供や保護者には告げずに入院することとなった。

検査技師・森井久志(野村周平)が帰ろうとすると、小早川に声を掛けられる。「夜間の入り口はどこですか?」と笑顔で訊かれ、森井は戸惑うが、彼は直後にやってきた看護師に案内され、腫瘍内科に通される。小早川は、主治医と相談し、積極的治療は行わず、緩和ケア科に転科することを承諾する。

翌日、森井は、小早川の術中迅速診断がキャンセルされたことを知り、岸に頼んでカルテを見せてもらう。小早川は、後腹膜副腎外褐色細胞腫と診断されていた。宮崎も、自分や森井と同年代の患者であり、ショックを受ける。

岸は、小早川の治療で、CVD(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ダカルバジン)による抗癌剤治療を行ってはいるが、オクトレオチド(商品名:サンドスタチン)は使用していないことを指摘する。森井は興味を示すが、宮崎はその抗がん剤が、あるレセプター(2A型のソマトスタチン受容体。褐色細胞腫群腫瘍の約25%に発現)が存在する癌しか効かないことを話し、さらに岸は、「保険が効かないので、治療に莫大な費用がかかる」と説明する。

買い物に出かけた森井は、小早川と偶然に会い、一緒に出かける。小早川は、「人生でやり残したことはないけど、唯一、音大に入って作曲したかった」と話す。だが、小早川の顔には、諦めの表情が浮かんでいた。小早川は、オクトレオチドのことは知っていたが、「効くかもしれないのに、莫大なお金がかかる。…人生がお金がで決まるなんて、せちがらいですよね」と言う。

森井もまた、私大の医学部に進学していたが、3年の夏に家業が傾き、学費を捻出することができず、検査技師になったことを小早川に明かす。森井は、検査技師になる奨学金返済のため、6年は所属する病院で働かなくてはならないのだという。

森井は、岸に「人生で後悔してることはありますか?」と訊くが、岸は「今、やってることで手一杯で、そんなこと考えたこともない」と言う。そんな森井は、オクトレオチドについて調べ、どうにか治療できないか、と考えていた。

森井の様子を見ていた岸は、緩和ケア科の医師に「ウチの若いのが思いつめちゃって。先生に面倒をかけるかもしれません」と言う。

宮崎は、女性外科のカンファレンスで、診断について発表を行う。緊張で、しどろもどろになりつつ話をする。説明が止まってしまう中、岸は連絡を受けて小早川の病室に駆けつける。

小早川の病室では、森井と緩和ケア科の稲田医師と口論になっていた。森井は、「カネなら、ヤミ金でも行って、用意しろ。後悔するな!本当は生きたいと思ってるんだ」と言い、稲田医師に食って掛かる。そんな森井を岸は殴り、連れ帰る。だが、小早川には「まだ生きてる。生きたいと思っている。それなのに、死を待てなんていうのは、酷だよな」と言う。

小早川は、オクトレオチドによる治療を受けることを望み、緩和ケア科から腫瘍内科へと転科することになる。岸は、「決めるのは患者本人だ」と言い、あとは小早川に任せるべきだと言う。

小早川は、オクトレオチドが奏功するレセプターがあるかどうか、病理診断科で調べてもらうように頼む。そして、「曲を書くことにしました」と小早川は森井に報告する。

森井は、小早川の病理組織標本を作成する。一方、小早川は譜面での曲制作に打ち込んでいた。曲が完成して興奮した小早川は、森井に「精一杯、やりたいことをやって、ようやく前に進む勇気が出ました」と報告する。

落胆した様子の森井に、小早川は「僕の組織、レセプターが合わなかったんですね」と言う。小早川の癌は、オクトレオチドが奏功するタイプではなかった。だが、「これからどうするか、考えてみたいと思います…ありがとうございました」と、森井の言葉があったからこそ、前向きに生きてみようと思えた、と小早川は感謝する。

小早川は、「これからでも、医者になれるんじゃないですか?それでも今の仕事をしてるのは、今の仕事が気に入ってるからじゃないですか?」と告げる。立ち去る小早川を見送り、森井は涙を堪えることができなかった。

小早川は、外出している最中、背中の痛みを感じて座り込む。そんな彼を、担当していた園児が見つける。橋の上から手を振る園児が、足を滑らせて落下。そんな子供のもとへ走りより、小早川は走り寄って命を救う。だが、頭部を強く打った小早川は死亡してしまう。

「疾走」というタイトルの小早川の譜面を、森井は眺めていた。余白には、「やったこと」という中に「①1曲だけ曲を書いた」「②1人だけ友達ができた」と書かれていた。「③」には何も書かれていなかったが、森井は「③…1人の子供の命を救った」とつぶやく。

院内コンサートで、宮崎は小早川の曲である『疾走』を弾くのだった。その曲に森井は、耳を傾けていた。

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