病理医・岸京一郎(長瀬智也)が出勤すると、「パパ!」と安田春香(中越典子)の子供に抱きつかれる。どうやら、父親と間違われたようだった。「オジさん、どこが悪いの?」と訊かれ、岸は「性格かな」と言う。
岸が病理診断科に行くと、宮崎智尋(武井咲)が病理診断学で勉強中だった。岸は、「そんなに勉強がしたければ、アミノ製薬の勉強会に出てみないか」と持ちかける。宮崎は、「仕事があって…」と断ろうとするが、岸は「豪華な弁当が出る。仕事も自分が全部やる」と言う。宮崎は、”勉強会”に出ることとし、見送る岸を、森井久志(野村周平)は呆れながら見ていた。
乳腺外科および婦人科系外科医・細木まどか(小雪)が、患者の春香を診察しに病室へ行く。子宮の検査結果を聞く春香に、細木は「まだ結果は出てないんです」と答える。「検査の結果が悪かったら、どうなるんでしょうか?」と言う春香に、細木は「悪性の場合、子宮全摘手術が必要です」と説明する。
春香は、悪性度の高い悪性腺腫の可能性があり、全摘が必要だった。だが、春香は「私、一人っ子なんです。母は17歳の時になくなって…だから、もう1人、子供が産みたいんです」と言う。
細木は、別の患者の受け持ちを行ったところ、上司が言い放った「1人、子供産んでるんだ?それは良かった。だったら、子宮とっちゃって良いよね?」という心ない言葉を思い出していた。
宮崎は、勉強会の会場で、火箱直美(松井玲奈)に「岸先生は来ないんですか?」と聞かれる。代わりに来たと言う宮崎に、火箱が焦りだす。岸は、講演を頼まれていたのだ。火箱から講演の代行を頼まれ、宮崎は困り果てる。だが、そこに中熊薫(北大路欣也)が現れ、講演を行ってくれ、難を逃れる。
岸は、顕微鏡で春香の子宮円錐切除後の組織を見ていた。鑑別困難な分葉状子宮頸部腺過形成(Lobular endocervical glandular hyperplasia;LEGH)なのか、悪性腺腫なのか悩んでいた。
岸は、春香の病理診断を迷い続ける。そこで彼は、中熊に診断について相談を行う。岸は、LEGHの可能性がある、と考えていた。中熊は、岸の診断について、「否定はできない」と言う。
中熊は宮崎に、「病理医が複数で診断したからといって、それで診断の精度が上がるとは限らない。…多数決で人生を決めるなんてイヤだろ?だから、アイツの診断を否定も肯定もできない」と言う。
岸は、細木に「LEGHの可能性が高い。だが、赤血球が低いのが気になる。過多月経では説明がつかない。内視鏡検査を行ってくれないか」と言う。細木は、春香に上部および下部消化管内視鏡を提案し、了承を得る。
森井は、医学部を中退して検査技師になった。医学部時代のかつての旧友と会い、森井は複雑な心境となる。森井は、宮崎の「私、神経内科医から逃げてきたんです」との言葉に、「自分の居場所は、自分で決めるべきです。それは逃げるのとは違う」と言う。
春香は、下部消化管内視鏡を受ける。結果、家族性大腸腺腫症であり、大腸ポリープが多数発見された。そのポリープは、癌化する可能性がある。一部は、中等度異型であり、前癌病変を認めた。大腸の全摘が必要だった。肛門付近にも病変があり、人工肛門が必要だった。さらには、遺伝性の疾患であり、50%の可能性で子供への遺伝が考えられた。
岸は、予想外の宣告が行われる患者の気持ちを考えろ、と細木に言う。「時間が必要だ」と岸は言うが、「すぐに最善の治療を受けさせるべきだ」と細木は主張し、2人は衝突する。
細木は、研修医時代の上司の女性患者への心ない言葉をきっかけに、女性患者へ寄り添う女性外科医になろうと決めたのだった。そのことを彼女は思い出していた。
細木は翌朝、春香に家族性大腸腺腫症という診断結果について話をする。予想外の診断に、春香は戸惑う。「手術を受ければ、癌のリスクを下げられます。いますぐ手術を受けましょう」と言う。春香の母親も同じ病気だった。春香は、「私、子供を生んでよかったのかな…私は子供を生んでから知ったけど、あの子は病気のことを知ったら、女性として生まれたのに、子供を産めないんじゃ…」と泣き出す。
そんな春香に、細木は「ここまでは医者として話をしました。ここからは、女性として話をします」と話す。「安田さん、彩ちゃんはママの卵焼きを食べたがってましたよね。一度、ご自宅に帰ってください」と言い、退院させる。細木は、岸のアドバイスに従ったのだった。
宮崎は、細木に「岸は元々、臨床医よ」と言われて、驚く。
春香は、彩に料理を作り、そして母直伝の料理の作り方を教える。屈託なく笑う彩に、春香は「ゴメン、彩…」と泣いて謝る。その後、しばらくして春香は「手術を受けたいと思います。生きるために」と言い、大腸全摘術を受けることを細木に伝える。細木は、「考える時間を与えてくれて、ありがとうございます」と感謝する。
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