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「世界から猫が消えたなら」あらすじ・ネタバレ

      2016/05/08

簡単なあらすじ

1) 郵便局員で主人公の「僕」は、末期の脳腫瘍と診断される。余命は長くて半年で、根治することは不可能であるという。そんな僕のもとに、悪魔がやってくる。

2) 悪魔は僕に、「1日延命する代わりに、何か一つのものを世界から消し去る」という取り引きを持ちかける。戸惑う僕であったが、命には代えられず、まずは世界から「電話」を消し去ろうとする。だが、消す前に一度だけ電話を使うことができ、僕は元カノに電話をして、再会することができた。

3) その後も、悪魔は「映画」を消そうとし、次には「時間」を消そうとする。さらには、愛猫・キャベツが悪魔によって話すことができるようになり、その中で他界した母親のことを思い出す。

4) 悪魔は、世界から「猫」を消すことを条件に出す。だが、僕はキャベツを消すことはできなかった。そのため、僕は死を受け入れることにする。命が尽きる時間が迫る中、母の最期の望みが、不仲である父親と僕の和解であると気づき、僕は遺書を書いて父に託そうとする。郵便局員である僕は、郵送するのではなく、自ら父にその遺書を届けに向かうのだった。

起:余命宣告

郵便局員で主人公の「僕」は、脳腫瘍と診断される。放射線治療などで延命はできても、長くて半年。ともすれば1週間も怪しい命であるという。月曜日、そんな僕のもとに、ドッペルゲンガーのような姿形で、アロハを着た悪魔がやってくる。

火曜日、悪魔は僕に1日延命する代わり、何か一つ、世界から消し去ることを提案する。戸惑う僕だったが、背に腹は代えられないため、その提案を飲むことにする。まず悪魔は、世界から「電話」を消し去ると言う。

だが、悪魔は電話をこの世から消し去る前、一度だけ僕に電話を使って良い、と許可する。誰に電話をかけるか迷った末、僕は7年前に別れた彼女に電話をかける。翌日、僕は彼女に会いに行くことにし、そこで脳腫瘍によって自分の命が残りわずかであることを伝える。

承:元カノとの再会

大学を卒業し、現在は映画館に勤める彼女に僕は、「僕での思い出について何かを語ってほしい」という。彼女は、「レストランなどで、注文をなかなか決められない」「男のくせにトイレが長い」などと言う。「別れる時には、お互いにイヤだったことを言う」という約束を守るために彼女はそのようなことを言ったのだった。

彼女と付き合っていたころ、そして卒業旅行にブエノスアイレスを訪れ、帰国直後に別れたことなどを話す。彼女との会話の中で、様々な思い出がよみがえるのだった。

水曜日、悪魔は、映画を世界から消し去ろうとする。「最後に1つだけ映画を見せてあげよう」と悪魔に言われ、まずは親友で映画マニアのツタヤに相談する。『ライムライト』を彼女の勤務する映画館で上映し、観ようとするが、DVDを入れたはずのケースの中には、ディスクが入っていなかった。ツタヤが入れ忘れてしまったのだった。

そこで僕は、自分の人生を1本の映画に見立て、生い立ちを振り返る。生まれてから現在にいたるまで、どのような思い出があったのかを振り返るのだった。

転:キャベツと母

木曜日、悪魔は今度、世界から「時間」を消し去ろうとする。時間という概念が失われた中、それとは別に、悪魔によって愛猫・キャベツが喋りだして驚く。悪魔が、キャベツを喋ることができるようにしたのだった。

僕の母が時代劇好きであったこともあり、一緒に観ていたキャベツは「○○でござる」といった変わった喋る方をしていた。そんなキャベツとともに散歩に出かけると、キャベツは母のことを覚えていないと言う。

そのことにショックを受け、僕はアルバムを見つつ、キャベツに母のことを話す。母は既に他界しており、その死の間際、「旅行に行きたい」と言い出し、家族旅行に出かけたことを僕は思い出す。

温泉旅行に出かけ、海沿いの旅館に泊まったこと、久しぶりに親子3人で寝たことなどを振り返り、母親は旅行に行きたいのではなく、「父親と僕を仲直りさせたかった」のだと気づく。僕と父親は仲違いをしてしまい、口を聞くこともなかった。そんな2人を再び家族にするため、旅行に誘ったのだった。

結:死を受け入れる僕

金曜日、悪魔はついに世界から「猫」を消し去ろうとする。前に家族で飼っていたレタス(レタスのダンボールに入れて捨てられていたため、母が命名)、そして今飼っているキャベツなどを大事にしており、猫がいない世界など僕にとっては考えられなかった。

そんな彼は、彼女が預かっていた母親の遺言代わりの手紙を受け取る。母もまた、自分と同様に「死ぬまでにしたい10のこと」を書こうとしてやめたことが記されており、「私がしたかったことは、あなたのためにしたかったことだったのです」など、母の愛に満ち溢れた文章がそこには書かれていた。

泣き出した僕に、キャベツは寄り添う。そして、「この世から猫を消せばいいのです」と、延命のために猫を消すべきだ、と言う。だが、僕はそれを納得することができなかった。結果、僕は猫を消すことはやめ、自らの死を受け入れることにしたのだった。

死を間近にし、僕は遺書をしたため、キャベツを託す相手を誰にするか決める。そして、母が望んだ、父との和解を決意する。

郵送しようとするが、僕は思い止まる。僕は郵便局員の格好をし、自ら父に遺書を渡そうと考えたのだった。自転車に乗り、実家を目指す。その道のりの中で、懐かしい景色が眼前に近づいてきた。

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