「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

1) 白鳥圭輔(仲村トオル)の上司・船橋直樹(中丸新将)審議官が、別荘の地下で死亡していた。ただ、発見した妻は異様な光景を目にする。地下室には、夫を含め計9人の男性が倒れていたのだった。

2) オープンを控えた国際Aiセンターで、8テスラの最新鋭MRI「リヴァイアサン」により、彼らの死因が「重水」であることが判明する。彼らは地下室におり、エレベーターのブレーカーが落とされ、監禁状態に置かれており、ペットボトルに入った水を飲んだ。その水が、重水にすり替えられていたのだった。

3) 白鳥は彼ら9人の共通点が、薬害訴訟を起こされた「ケルトミン」という薬剤の治験に関わっていたことに気づく。そして、8人を殺害(残る1人は意識不明の重体であったが、意識を取り戻す)した犯人が、医療ジャーナリスト・別宮葉子(桐谷美玲)であることに気づく。彼女は、母親がケルトミンによる副作用で、長期に渡る寝たきり生活を強いられていたのだった。

4) 葉子は、ケルトミンを販売していた製薬会社が、治験段階で副作用を隠蔽していたことを突き止めていた。そして、再び別の新薬で副作用を隠蔽しようとしていたことや、母親に処方を行った医師が、母親のことを覚えていなかった(実際には、相貌失認により、顔が判別できなかった)ことが引き金となり、凶行に及んだのだった。葉子は死を選ぼうとするが、田口はそんな彼女を止める。葉子が製薬会社の不正を暴いた記事は、もみ消されることもなく、彼女の引き起こした事件が明るみになったことで、大きな話題となるのだった。

起:9人の不審死

火葬場で、一体の遺体が火葬されていた。お骨を拾っていると、その中に一本の鉗子が発見された。

海辺の邸宅で女性が夫を探していた。エレベーターを呼んで地下に降りようとするも、電気が通じていなかった。配電盤を操作し、彼女はエレベーターを動かす。地下に下りると、異臭が鼻を突く。電気をつけると、そこには9人の男たちが部屋で倒れており、彼女は悲鳴を上げる。

国際Aiセンターに、巨大なMRI「リヴァイアサン」が運び込まれる。田口公平(伊藤淳史)は、セレモニーに参加し、MRIを運ぶ戦車に田口は乗っていた。もちろん、それは白鳥圭輔(仲村トオル)による無茶振りであった。

田口は、桜宮すみれ(栗山千明)を記者団の中に見つける。そんな中、医療ジャーナリストを名乗る別宮葉子(桐谷美玲)に名刺を渡される。

白鳥もまた、国際Aiセンターを訪れ、大講堂で市長に説明を行っていた。そこに、Ai研究の第一人者であり、国際Aiセンター顧問に就任するマサチューセッツ工科大の東堂文昭(生瀬勝久)教授が現れ、市長に対して歯に衣着せぬ暴言を吐く。

東堂を顧問に招致したのは、白鳥の上司・船橋直樹(中丸新将)審議官であった。そのことを噂していると、船橋審議官が亡くなったと妻から連絡を受ける。

そんな中、船橋の邸宅で亡くなっていた9人の中に、唯一の生き残りが発見され、救急搬送される。その救命を速水晃一(西島秀俊)が担当していた。

9人の内、亡くなったのは製薬会社の役員ら4人、中央薬事審議会に所属していた大学教授ら4名であり、唯一の生存者は内科開業医の医師だった。地下室のブレーカーは落ち、非常ボタンは壊れていた。こうした状況や、「勉強会」と称しているも、PC一台もなかったこともあり、白鳥は「事故なんかではない」と考える。

東堂は、リヴァイアサンの磁場調整などのセッティングを行っていた。田口は、船橋が亡くなったことを伝えるが、東堂は「リヴァイアサンの磁場調整の方がずっと大事」と言い放つ。

承:判明した死因

患者の渡辺金之助(バカリズム)は、「薬で薬害が出た」と言い、不定愁訴外来を受診していた。田口は、めまい止めの薬で、ジェネリック薬を処方する。次に、事務長がやってきて「眠れない」と症状を訴える。東堂が死亡し、反Ai派が騒ぎ出したことが原因だった。

田口は、葉子が元研修医で現在は救命医である滝沢医師(松坂桃李)と話をしていたのを見かける。葉子は、9人の内の生き残りに取材をしたいと滝沢に依頼していたのだが、滝沢は拒否する。

葉子は、田口がすみれの姿に驚いていたことを指摘する。葉子は、すみれの正体を知っており、安楽死を行っていた桜宮病院の事件について話す。

リヴァイアサンの磁場調整が終了し、東堂は、死亡した8人の内、解剖されていない遺体をAiで分析する。頭部MRIを行うと、ノイズが多く、東堂はセッティングを変えて撮影する。

頭部、胸部、上腹部、下腹部を全て撮影するが、画像上、不審な点は何もなかった。だが、東堂は「鍵は頭部である」と考え、波形を見る。「波形が合わない。コイルが違うのか」とつぶやいた東堂は、撮影を繰り返す。

東堂は「重水」が原因であると突き止める。リヴァイアサンのセッティングは、最初から合っていたのだった。だが、体内の重水が撮影を邪魔していた。

重水とは、原子炉のプールなどに使われる、質量数の大きい同位体の水分子である。大量に飲むと命の危険があった。犯人は、地下室のペットボトルの中身を重水に変え、ブレーカーを落とし、非常ボタンを破壊して閉じ込め、9人に重水を飲ませ続けていたのだった。

白鳥は、「重水が人体に与える影響を知っている人間の犯行だ。犯人は、医学知識を持っている人間だ」と断定する。

事故ではなく殺人であるということ、そしてその死因をMRI「リヴァイアサン」が暴いたと、東堂は会見で説明する。すみれは、その会見を見ており、「やっぱり…アイツは許せない」とつぶやく。白鳥は、「司法や解剖学者を煽るようなことはやめていただきたい」などと東堂を諌める。

白鳥は、船橋と東堂が癒着していた可能性を指摘。さらに、「この事件は、あなたが計画したのでは?船橋が死んで口封じになる上、Aiのアピールにもなる。死因をあらかじめ知っていたから、あんなにあっさりと分かったんじゃないんですか?」と追求する。だが、東堂は「その調子で犯人を捕まえて」と言って立ち去る。

葉子は、東堂の会見に参加させてもらったお礼に、と田口を食事に誘う。そこで葉子は、「母が病気がちで、病院に縁があった」と記者になった理由を明かす。さらに、「患者は、聞きたいことも医師に聞けないこともある。薬害のこととか…そんな患者さんの立場に立って、医療の取材を行いたい」と言う。

転:脅迫状

東城医大に、「三の月 東城医大病院とケルベロスの塔を破壊する」と記された脅迫状が届く。消印は、「北海道極北市」から送られてきたことを示していた。東堂は、Aiのことを「ケルベロス」と呼んでおり、犯人はターゲットとして東城医大病院だけでなく、Aiセンターまで狙っていると考えられた。

白鳥は、「東堂教授のパフォーマンスの可能性もある」としつつ、本当に犯人がAiセンターなどを破壊することを狙っているかもしれない、と言う。

意識不明であった内科医・榊陽一(二階堂智)が目を覚ます。榊は、「女が…あの女が…」と繰り返すばかりであった。

葉子は、青藍病院・南雲忠義(中村育二)院長がすみれを支援しており、すみれは北海道・極北市にいると明かす。

患者・渡辺が、田口の外来にやってくる。渡辺は、「薬害で病院を訴える」などと息巻いていたが、かゆみが止まったため、チーズケーキを持ってお礼にきたのだった。そこで、白鳥は、亡くなった9人全員が、薬害被害を出した「ケルトミン」という薬剤の治験に関わった人間だった。

彼らは脅迫されていたため、船橋審議官が招集して対応を考えようとしていたのだった。榊医師をエレベーターに案内したのは、女性であったという。

田口は、青藍病院を訪ねてやってくる。南雲は、「桜宮巌雄先生を、白鳥は死に追いやり、すみれ先生から家族を奪った。彼女に怒りと憎しみを植えつけたのは、あなた方だ。…彼女は、爆弾を手にした。あんまり、調子に乗らない方が良い」と警告する。そして、「3日後の国際Aiセンターのシンポジウム、楽しみですね」と言い、立ち去る。

榊医師は、刑事に「女性の顔」について質問されるも、その特徴を答えられなかった。速水医師は、榊医師が5年前の事故で相貌失認(顔が判別できない疾患)になっていると指摘する。そのため、榊医師は、患者から「患者の顔も覚えない医師」と評判を落としてしまう。

榊医師は、地下室に閉じこめた女性について、「若かったと思います。20代だと思う」と言う。白鳥は、田口にその事実を伝え、「若い女と聞いて、誰を疑ってるの?」と質問するが、田口は答えなかった。

Aiセンターのオープニング・セレモニーを前にして、厳戒態勢が敷かれる。爆弾が仕掛けられている可能性があるとし、警察官たちが探しまわっていた。

田口は、榊医師に話を聞く。榊医師は、「ケルトミンは良い薬でした。痛みから救ってくれる。だが、1,000人に1人にとってはそうではなかった…もしその1人が私の患者にいたのなら、謝りたい」と言う。

ケルトミンの薬害被害者リストを見て、白鳥は「もっと詳しく聞きたい」と言い、薬害被害に遭った患者に会いに行く。患者は人工呼吸器をつけ、寝たきり状態であった。

ケルトミンは、「予見できない副作用」であったため、被害者の敗訴に終わった。すみれは、「認可するのが早すぎたんじゃないですか」と白鳥に、思わず声を荒げる。

白鳥は、「稀な副作用を発見するのは、非常に困難です。副作用を恐れるがあまり、薬の認可が遅れてしまっては、救える命も救えなくなってしまう。薬の認可には、相反する思いがそこにはあるんだ」と言う。患者は、「私たちは、誰を憎めばいい…」と言い、泣き出す。

すみれは、薬害関係者のもとを最近になっても訪れていたのだった。白鳥に「介護の手際がいい」と言われ、すみれは「母の介護を行ってきたので」と言う。白鳥は、「患者に肩入れし過ぎじゃないか?」と挑発する。

すみれは、「ケルトミンは、治験段階から副作用が報告されていた。製薬会社の研究員が証言してくれました」と明かす。

Aiセンターオープン前日、葉子が姿を消した。刑事が張っていたが自宅には戻らず、姿を消す。西園葉子の母は、ケルトミンを内服して長らく寝たきり生活を送っていた。そして、そのケルトミンを処方したのが榊医師だった。

白鳥は、9人を殺害しようとしていたのが、葉子であると断定する。葉子が、大量に重水を購入した履歴も見つかったのだという。そして、葉子は厚労省の提灯記事を書き、船橋審議官に取り入って近づいたのだった。

国際Aiセンター当日、すみれがやってきていた。そんな中、榊医師が吐血した。一方、白鳥は田口に「滝沢先生は、別宮葉子の共犯かもしれない。榊先生が危ない」と警告する。滝沢医師の父親もまた、ケルトミンの薬害被害を受けていたのだった。

榊は、腸管壊死を起こしていた。速水は、他の急変患者が出たため、滝沢のオペを担当するよう指示する。だが、白鳥は「滝沢は、別宮葉子の共犯の可能性がある」と言い、阻止しようとする。だが、滝沢は「榊先生は僕の患者だ。傷つけるわけないでしょ」と言う。速水もまた、「俺のチームに、人を殺すような人間は1人もいない」と言う。

速水医師は、電子カルテのオーダが書き換えられ、デタラメな薬剤が投与されていることに気づく。そこからは、手書きにオーダを切り替えると宣言する。

結:白鳥の過去

東堂の基調講演は、超満員であった。その中に、すみれの姿もあった。巌雄医師の旧友・南雲医師は挙手し、「過去の犯罪も暴くことはできるのですか?」と質問する。そして、「見ていただきたいCT画像があるんですが」と、USBメモリを手渡そうとする。白鳥は、時間がないと断ろうとするが、すみれも現れ、その画像の重要性について語るのだった。

東堂は、CT画像を見る。東堂は、バリウムが腸管に詰まっていることを指摘し、さらには体内に「鉗子がある」ことを明らかにする。

すみれは、「この患者は、最近、私の病院で亡くなった。東城病院でオペを受けた患者です。その時、研修医としてそのオペに関わっており、そのことを患者や家族に告げられず、そのまま医師を辞めて厚労省の役人になった人間がいる…それは、白鳥さん、あなたよ」と言う。すみれは、白鳥を断罪する。

だが、東堂は3D再構築した画像を示し、「10年経ち、鉗子は癒着し、血管が多くまとわりついていた。手術で取り出したとしたならば、大腸の多くを切除する必要があった。そのままにしたのは、賢明な処置だったと言える」と言う。

すみれはたじろぐが、白鳥は自らの罪を認め、「だが、告知すべきだった」と言い、患者家族に謝罪する。

東堂は「Aiはこのように、推進してきた者の過去おも暴く。これほど高性能なものはない」と話す。だがそんな中、病院内のシステムがダウンさせられてしまう。

病院内は大混乱に陥ってしまう。そこで田口はすみれに声をかけ、患者の対応に当たってもらうよう頼む。

白鳥は、葉子が電子カルテのオーダを書き換え、その後にシステムをダウンさせたと推理する。そして、「院内に別宮葉子はいる」と言い、田口とともに探しまわる。

田口は、屋上にいる葉子を発見する。白鳥も現れ、「榊先生が死亡したら、そこから飛び降りるつもり?製薬会社の連中を脅していたのも、君だろ。君が調べた内容は、よほどマズイみたいだね」と言う。

葉子は、「アイツら、また同じことをやろうとしてた。副作用を隠蔽して。死ななきゃ分からないのよ!」と言う。さらに、「私が記事を書いても、握りつぶされるだけ…でも、9人殺した女の記事なら、喜んで載せてくれる」と語る。

葉子は、母が亡くなる1ヶ月前、母親を車椅子に乗せて散歩していた。そこで、榊医師と2人は再会する。母親は会釈したが、榊医師は葉子たちのことが分からなかった。葉子は、「自分が投薬して後遺症を負わせたにも関わらず、アイツは私たちのことを忘れていた」と、憎しみを募らせ、犯行に至ったことを明かす。

だが、田口は榊医師が相貌失認で、顔が判別できなかったこと、そして「もしケルトミンによる副作用で苦しむ患者がいるなら謝りたい」と言っていたことを明かすのだった。

葉子は自ら死を選ぼうとするが、田口はそんな彼女を止める。葉子は、白鳥に連れられ、警察に引き渡される。田口は葉子に駆け寄り、「今、終わったそうです。榊先生は無事です」と告げる。

葉子のネット投稿した記事は、大々的に取り上げられたのだという。白鳥は研修医時代、上司に何度も楯突いたにも関わらず、医療ミスを隠蔽されてしまったのだった。そのことがあり、患者の味方ができて医療改革を行えると思い、厚労省に入省したのだった。田口は、白鳥から辞表を取り上げ、思いとどまらせるのだった。

リヴァイアサンは、ハッキングによりシステムを破壊され、再起不能となって廃棄処分が決定した。結果、東堂はアメリカへと戻ることとなった。東堂は、「この国のAiは大きく遅れる」と言うが、白鳥は「あなたの背中を追う人間もいる。Aiは今後も広がっていくでしょう」と言う。

田口のデスクには、田口の好きな戦車のミニチュアが置かれていた。白鳥からのプレゼントのようであり、それを見て田口は微笑む。

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