簡単なあらすじ
1) ルパン三世は、峰不二子を人質にとられ、アラン・スミシーから「ピンクサファイアを盗め」と指示される。ルパンは江戸川コナンや銭形警部らに邪魔立てされながらも、ピンクサファイアを盗み出し、アランに渡す。
2) アランは、ピンクサファイアを利用し、ルチアーノという男と取り引きしようとしていた。ルチアーノは、人気アイドル・エミリオのプロモーターの顔を持ちながら、そのライブを隠れ蓑に取り引きを繰り返していた。アランは、祖国のために「電子機器を無効化する」という能力をもつヴェスパニア鉱石を手に入れ、軍事利用しようとしていたのだった。
3) ピンクサファイアには、発信機が取り付けられており、ルパンはアランの取り引きする場所を知ったのだった。次元扮する売り手の代理人は、ヴェスパニア鉱石の買い手であるアランに近づき、「売り主は、ピンクサファイアで取り引きを行う」とアランに伝えてあったのだった。そして、石川五エ門扮するピンクサファイアの持ち主に、銀行の金庫に保管させ、厳重な警備態勢を突破するため、盗み出すのにルパンを利用せざるを得ない状況を作り出した。一方、売り主と考えられたルチアーノには、次元大介がエミリオのボディガードとして近づいており、内偵を進めていたのだった。
4) ルパンは、取り引き場所に現れ、ピンクサファイアや、ルチアーノが盗んだヴェスパニア鉱石を取り返そうとする。ルパンは、軍事利用されることで世界の均衡を崩すヴェスパニア鉱石をもとにあった場所に返すべく動いていただけであった。だが、ルパンの行動を読んだコナンは、FBIによってルチアーノたちの取り引きを潰した上でルパン逮捕をさせようとしていたのだった。
5) コナンは、ルパンが撃たれそうになり、身を挺して守る。コナンは人質となり、アランはルチアーノとともに飛び立つ。ルチアーノは機上で機関銃を放ち、アランを殺害してしまう。そして、自らも飛行機から落下する。コナンとルパンはパラシュートで無事に脱出するのだった。
起:ルパン登場
満月の夜、宝石店前に警察による警戒態勢がとられていた。全てのセキュリティが解除され、ダイヤが盗まれてしまう。犯人は怪盗キッドと見られ、刑事は屋上へと追い立て、強力な風を起こし、捕獲するつもりであった。
屋上にキッドが現れ、ダイヤを見せつける。だが、本物のキッド・黒羽快斗は「誰だ?アイツ」とつぶやく。
キッドは予想に反してカード銃ではなく実弾を発泡。さらに、屋形船で逃亡していた。江戸川コナンは、スケボーに乗ってキッドを追跡する。
キッドに扮したルパン三世は、クルマに乗り換えて公道をひた走る。コナンもまた、スケボーで追跡し、サッカーボールや麻酔銃で捕らえようとするが、石川五ェ門の斬鉄剣でスケボーを切られてしまう。それでコナンは相手がキッドではなく、ルパン三世であると気づく。
ルパンがダイヤを盗んだのは、峰不二子の頼みだった。ルパンは、アラン・スミシーに連絡をとり、「不二子につけられた起爆装置を解除しろ」と言う。だが、まだ解除はできないと言い、「次のテストだ。チェリーサファイアを盗め」と次のターゲットを指定する。
承:エミリオ来日
テレビ番組のニュースで、海外の人気アイドル・エミリオが来日したと報じる。そのニュース映像に、次元大介の姿が映っていたことをコナンは見逃さなかった。銭形警部は、ルパンがチェリーサファイアを盗むと言い、佐藤刑事と高木刑事を従えてルパン追跡を開始する。
鈴木園子は、「エミリオの泊まってるホテルを見つけたの。一緒に行かない?」と毛利蘭を誘う。蘭も行くことになり、毛利小五郎はエミリオのマネージャー・クラウディアの美しさに見惚れ、「俺も一緒に行く」と言い出す。
ルパンの予告を受け、銭形警部はチェリーサファイアの入った銀行を厳戒態勢で待ち受ける。銭形警部は、金庫の前で張り込む。犯行予告の1分前、まだルパンは現れなかった。さらに、時間を過ぎても現れず、銭形警部は金庫の中に入る。
支店長は、チェリーサファイアの無事を確認する。ルパンは、高木に扮装して入り込んでいた。そして、銭形警部たちの時計を3分遅らせていた。ルパンは、チェリーサファイアを奪って逃亡しようとするが、煙幕をガスマスクで防いだ銭形警部らに捕まってしまう。だが、時計に仕込んだスタンガンシールに銭形警部らは身動きがとれなくなる。
ルパンは、チェリーサファイアを盗み出して逃亡する。ルパンはさらに、マスクを使用して警察官たちを翻弄し、見事逃げおおせるのだった。
小五郎は、警察官たちが捜査に訪れていることもあり、勘違いした支配人はエミリオの部屋に案内される。エミリオは、何者かによって脅迫されているのだった。「ライブ出演は延期しろ。さもなくば命はない」との脅迫状が送りつけられていた。
アラン・スミシーは、ルパンからチェリーサファイアを受け取り、「これでテストは完了だ」と言う。アランは、「もう二度と会うことはない」と言う。
エミリオは、「ライブを中止しよう」と言うが、すでに多くの資金が費やされていることや、チケットも販売されていることもあり、「中止にはできない」と言われてしまう。
峰不二子は、アランとグルだったが、本物の爆弾のついた首輪をつけられ、裏切られてしまう。怒った不二子は、アランを追跡する。
エミリオが、サインどころではないと知り、蘭は帰ろうとする。エミリオには、凄腕ボディガードがついているのだという。蘭と園子はエレベーターに乗るが、そこに変装したエミリオが乗り込む。
エミリオは、「一緒に遊びに行きましょう」と言い、街に出る。エミリオは、スカイツリーを目指す。
コナンは、バーにいる次元に会いに行く。「目的はなんだ?」と訊くが、次元ははぐらかす。蘭は、コナンに「エミリオと一緒にベルツリータワーにいる」と告げる。一方、次元はマネージャーから「エミリオがいなくなった」と連絡を受ける。
次元は、マネージャーたちがいなくなった部屋で、エミリオの荷物を調べる。エミリオは、発信機つきの靴などを履き替えていた。コナンは部屋に入り、イタリア語の新聞の切れ端を拾う。脅迫状はエミリオ自身が作ったもののようだった。
エミリオは、男子トイレに入ると言って、蘭たちを撒く。エミリオは、スタッフ用通用口から階段を上がったようであり、蘭は追う。タワーの屋上で、エミリオはたそがれていた。「ライブ、イヤなんです」とエミリオは言う。蘭は「休んでいいと思いますよ」と言うが、「休めません。僕がいる限り」と言う。
強風が吹いて、エミリオは落下しそうになってしまう。蘭はエミリオを支える。園子もそこに加わり、引き上げようとするが上手くいかない。コナンは、次元に窓ガラスを割るように言う。コナンは、命綱をつけてその隙間からダイブする。コナンは蘭とエミリオを引き上げる。
蘭はエミリオの頬を打ち、「あなたは自分だけでなく周りの人も危険にさらしたんです」と叱る。
転:ルチアーノの悪事
エミリオは、「僕たちがライブ本番でステージに上がってから、闇取引が行われる」と言う。ルチアーノと呼ばれるプロモーターが裏で糸を引いており、エミリオは「ライブが中止になれば、取り引きもなくなると思って…」と言う。
コナンは、エミリオに「大勢のファンが待ってる。ライブを成功させて。僕が取り引きはさせない」と言う。エミリオは、クラウディアに叱られるが、ルチアーノたちに「最高のライブにする」と言う。
少年探偵団は、ルパンのアジトを突き止め、訪れていた。だが、五ェ門に出されたお茶を飲み、子供たちは眠ってしまう。
銭形警部は、ルチアーノが絡んでいる、イタリアンマフィアが取り引きを行うと睨んでいた。そこにルパンも現れると考える。次元は、ルパンに「銭形警部たちに知らせたら、手を引け」と言う。だが、コナンは「エミリオと、取り引きはさせないと約束しちゃったんだ」と言う。コンサート会場は、バックバンドの楽屋や、奈落など目の届かないところも多く、そこで取り引きが行われると考えられた。
眠らされた探偵団達は、不二子によって阿笠博士の家へ返される。だが、代わりに灰原は、不二子に連れ去られる。不二子は、若さが得られる「アポトキシン」を完成させようと持ちかけるが、灰原は「私の作ったのは、そんな薬じゃない。女が若さにとらわれたら終わりじゃない?」と言う。
ライブ前日、クラウディアは落ち着かない様子だった。「今でも夢に見るわ。誰もいない会場で、私が1人でお客のふりをするの」と言う。無名時代のエミリオを支えていた時代、無力だった自分が悔しかったのだという。
ルパンは、「ルチアーノの仕事から手を引いて欲しい」とイタリアンマフィアに持ちかける。マフィアは帰国し、ルパンはルチアーノの取り引きから手を引かせるのだった。
エミリオのライブが始まる。銭形たちは、ルチアーノの姿がいないことに気づく。コンサート会場の地下は延ばされており、佐藤刑事は急行する。その場所は監視カメラも死角となっていた。コナンは、スケートボードでルチアーノの乗ったクルマを追跡する。
蘭は、クラウディアに「エミリオは、ルチアーノたちが闇取引をしていることに気づいている」と明かす。そして、「これ以上、悪いことをしないで欲しいと望んでいます」と言う。
結:ルパンの目的
旧羽田整備地区で、ルチアーノはアラン・スミシーと会っていた。ルチアーノは、予備機材として密輸したものを見せる。一方、アランはチェリーサファイアを取り出す。ルパンは、それら取り引きしているものを奪う。
ルパンは、この取り引き事態を仕組んでいたのだった。アランは、ルパンたちを「排除」させようとするが、五ェ門たちの応戦により失敗する。だが、そこに現れたFBIのジュディ・スターリングにルパンは逮捕されそうになる。
そんな中、アランの部下はルパンを狙う。ルパンを庇い、コナンは腕を撃たれる。さらに、アランはコナンを人質にとって逃げようとする。コナンは麻酔銃を使おうとするが、やめるのだった。
クルマに乗ったアランとルチアーノは、そのまま飛行機の搭乗して飛び立とうとする。追いつけないかと思われたが、そこにバイクに乗った峰不二子が現れる。
遅れてやって来た不二子の助けを借りてアラン達の乗る飛行機に飛び移ったルパンはコナンと合流し、2人はタッグを組む事になった。
不二子とルパンは、バイクに乗って飛行機に近づく。飛行機は離陸し、不二子たちは佐藤刑事たちのクルマを踏み台にしてジャンプする。ルパンは飛行機に飛び乗る。
ルパンとコナンは、コクピットに乗り込もうとするが、そこにルチアーノが現れ、機関銃を撃つ。パイロット、ルチアーノは致命傷を負い、ルチアーノは墜落する。
コナンとルパンは、飛行機を飛ばす。その中で、アランが電子部品の無効化ができるという、ヴェスパニア鉱石を取り引きで手に入れようとしていたことについて2人は話す。
ルチアーノは、ヴェスパニア鉱石を盗んだ。そのヴェスパニア鉱石を取り返すべく、買い手であるアランにルパンは近づいたのだった。
アランに、取り引きの代理人に扮し、次元が近づいた。そして、取り引きに、「チェリーサファイアをを用意して欲しい」と申し出たのだった。チェリーサファイアには発信機が仕込まれており、それによって、アランの取り引き場所をルパンは知り得たのだった。結果、ルチアーノが盗み出し、取り引きしようとしていたことが判明したのだった。ルパンは、ヴェスパニア鉱石を取り返すために動いていた。
ヴェスパニア鉱石が軍事利用されたくないヴェスパニアにより、航空機撃墜要請が出される。ルパンは、ヴェスパニア鉱石から作ったチェリーサファイアを高電圧パネルに押し当て、危機を回避するようコナンに言う。コナンは、麻酔銃でチェリーサファイアを撃ち、ミサイルや追撃機の制御を無効化する。
飛行機は墜落するが、ルパンとコナンは、パラシュートで難を逃れる。ルパンは、「手ぶらで帰るわけにはいかない」と美術館に侵入するが、目的のお宝は先にキッドによって盗まれていた。銭形警部たちにルパンは追跡されるのだった。