ドラマ「湊かなえ 望郷 雲の糸」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

1) 白綱島出身の人気アーティスト・黒崎ヒロタカ(濱田岳)は、故郷に良い思い出がなかった。彼の母・律子(麻生祐未)は、酒乱で暴力を振るう夫を刺殺した。そのことがきっかけで、律子たちは島で迫害を受けていたのだった。

2) ヒロタカは、同級生の的場裕也から、父が社長を務める的場鉄工所が創立50周年を迎えたため、記念パーティーに出席して欲しいと依頼される。断りきれず、出席することになり、そこで母や自分たちが今まで、どんな目に遭わされてきたか思い出すのだった。

3) ヒロタカへの注目が高まり、マスコミが島に訪れ、彼の過去を探っていた。そのことを知った母は、息子に迷惑をかけまいと、自殺を試みようとしていた。その事実を知ったヒロタカは精神的に追い詰められ、海へと落ちる。

4) ヒロタカは命を取り留めるが、母の過去はマスコミに報じられてしまう。そこで、姉・亜矢(内山理名)から、「まだ赤ん坊だったアンタを、殺そうとした父親から守るため、お母さんは罪を犯した。でも、母さんは罪を償った。今も償いのため、島を清掃している。アンタは、『生まれてこなければいい』と思ってしまうだろうから、母さんは黙ってたの。でも、そんなことない。アンタは、堂々としていればいい」と真実を明かすのだった。

5) ヒロタカは、許せなかった母のことを許し、「胸を張って帰ってくる。…そして、みんなの前で歌うよ。そこに、母さんがもう下を向かないでいいように、良い席を用意して待ってる」と言う。その言葉を聞き、母は嗚咽を上げて泣くのだった。

詳細なあらすじ

白綱島出身の人気アーティスト・黒崎ヒロタカ(濱田岳)が海に落ちて、意識不明となった。1ヶ月前、ヒロタカは同級生の的場裕也から電話を受けていた。

裕也は、父が社長を務める的場鉄工所が創立50周年を迎え、「記念パーティーにゲストとして来てほしい」と言う。ヒロタカは「事務所を通してくれ」と言うが、断りきれない。

ヒロタカは、母・磯貝律子(麻生祐未)が勝手に電話番号を裕也に教えたことを抗議する。彼にとって、島で生まれ育ったことは隠しておきたい過去だった。

母・律子は、夫を殺害し、その罪により島の人々は無視するようになったのだった。毎晩酒を飲んで暴力を振るう父を、律子が刺したのだった。姉・亜矢(内山理名)は、「あれは仕方なかった」と思っているようだったが、ヒロタカは割り切れぬ思いを抱いていた。

ヒロタカは、律子に言われ、叔母の家に挨拶に向かう。叔母は、ヒロタカや律子を引き取り、育てていたのだった。サイン攻めに遭い、ヒロタカは辟易とする。

15年前、ヒロタカはイジメを受けていた。そんな彼は、「あの雲、どっかに連れてってくれないかな」とつぶやく。その言葉に、亜矢は「”雲”の糸みたいだね。良いことすると、誰かが助けてくれるかもしれない」と言う。

律子は、「記念パーティー、行けなくなってしまったの。仕事を急に変わることになってしまって」と言う。「僕も行かないよ…今まで嫌がらせを受けてきたんだから、ドタキャンするくらいがちょうどいい」とヒロタカは言うが、律子は「復讐するためにミュージシャンになったわけじゃないでしょ?」と言う。

ヒロタカは、高校卒業後に大阪に出て、そこで先輩(山崎まさよし)に音楽を教わったのだという。ヒロタカは、歌っている間はイヤなことも思い出さず、初めて夢中になれるものを見つけられたのだった。ストリートでライブを続け、スカウトされたのだった。

ヒロタカは、記念パーティーに向かう。裕也は、勝手に事務所へ連絡し、花を贈らせていた。ヒロタカは抗議するが、裕也は意に介さない。さらに、裕也は「歌ってくれよ」と言うが、ヒロタカは「事務所との契約違反になるから無理だ」と断る。代わりに、彼はサインをするよう求められる。

記念パーティーが開催され、ヒロタカは壇上に呼ばれる。無理やり立たされ、そこで社長は「ヒロタカ君一家は、大変な思いをしました。本来なら、彼たちを追い出すところですが、我々は手を差し伸べました。なぜなら、ヒロタカ君は家族だからです」と言う。

ヒロタカは憤りを感じるも、無言であった。母は出所後、清掃作業によって生計を立てていた。その仕事を同級生はバカにし、イジメていた。裕也もまた、彼をイジメていた。

裕也は、市議選に出馬する予定なのだという。その後援会のため、ヒロタカは呼ばれていた。

記念パーティーの終わり、「一曲、披露していただきましょう」と言われ、ヒロタカは、壇上に上げられる。「お母さんや、お姉さんを困らせたくないだろ?」と言われ、ヒロタカはカラオケで歌わされる。

様々な思いがない混ぜとなり、ヒロタカは嘔吐する。家に戻り、母に「お世話になった人にサインを書いて欲しい」と言われ、ヒロタカは「お世話になった人なんかいる?親しい人なんている?20年、ずっと無視され続けて…もう、やめなよ!」と感情を爆発させる。
「そんなことしたら、ヒロタカが嫌がらせとされる。人殺しの子だって…私はなんと言われても良いけど、あなたには綺麗なところにいて欲しいの」と泣いて謝る。ヒロタカは、そんな母親を止めようとする。そこで、母がリストカットしていたことを知る。

マスコミが島にやってきたため、母は息子に迷惑をかけまいと、自ら命を絶とうとしたのだった。

ヒロタカは、ふらつきながら海へと向かう。そこで、彼は今までに投げかけられた様々な声・言葉が襲ってくる。「うるさい!黙れ!」と幻聴に向かって叫び、ヒロタカは海へと落ちてしまう。

ヒロタカは、病院へと救急搬送され、目を覚ます。ヒロタカのことはニュースで報じられ、母の罪も明るみに出る。だが、亜矢は「いいじゃない…母さんは、罪を償った。今でも、島を掃除してまわってるの」と明かす。

亜矢は、「どんなところにも、妬む人はいる。でも、そんな声が届かないところまで上り詰めればいいじゃない」と勇気づける。ヒロタカは、母の罪が知られ、「もう終わった…」とつぶやく。

だが、病室には全国から届けられたファンからの花や手紙が置かれていた。そこで亜矢は、「いいかげん、気付きなさいよ。母さんのこと一番許せないの、アンタだって!」と言う。ヒロタカは、「そんなこと、気づいてたよ、とっくに」と言う。

そんなヒロタカに、亜矢は「母さんは、アンタのために罪を犯したの。父さんは、アンタが別の男との子だと被害妄想に囚われて、アンタの首を絞めたの。母さんは、自分への暴力は耐えていたけど、アンタを殺されそうになって、父さんを刺したの」と言う。

亜矢は、「アンタは、胸を張って生きていればいい」と言う。真実を知ったヒロタカは、「胸を張って帰ってくる。…そして、みんなの前で歌うよ。そこに、母さんがもう下を向かないでいいように、良い席を用意して待ってる」と言う。その言葉を聞き、母は嗚咽を上げて泣くのだった。

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