西尾維新「掟上今日子の推薦文 第2,3話」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

「推定する今日子さん」
「推薦する今日子さん」
1) 額縁匠の和久井和久が、腹部を刺されて重傷となるという事件が起こる。アトリエ荘の住民が犯人であると睨んだ置手紙探偵事務所の探偵である掟上今日子は、警察に通報されるまでの間、独自で調査を開始する。
2) 刺された位置が低いことや、17階と18階の間の階段に血痕が落ちており、「犯人は18階以上のボタンが押せない、背の低い人物」と考える。アトリエ荘に、該当する人物は、子供の剥井陸少年だけだった。
3) 剥井に自首を勧めた掟上は、階段を踏み外すフリをして、気絶したように見せる。結果、剥井少年は、自らの意志で警察に自首する。
4) この事件をきっかけとして、元・警備員である親切守は、掟上に警備を依頼される。

起:和久井の依頼

美術館での一件(西尾維新「掟上今日子の推薦文 第1話」あらすじ・ネタバレ)で、警備員の職を失った親切守は、額縁匠の和久井和久に呼び出され、「最後の作品となる額縁を作る間、警備を依頼したい」と依頼される。

親切は、その依頼を受けるが、条件として「置手紙探偵事務所の探偵である掟上今日子も警備に加える」ことを和久井に認めさせる。掟上は最初、断ろうとしたが、和久井が所有する高層マンション「アトリエ荘」のことを聞き、依頼を受ける。

「アトリエ荘」は、画家たちを無償で住まわせ、創作活動を行わせるという場所だった。そのことを聞いた掟上は、不穏な空気を感じ取ったのだという。

承:事件発生

「和久井さんにアポイントをとろうとしたが、連絡がつかなかった」という親切の言葉に、掟上は塀を飛び越え、マンション内に忍び込む。そして、地下にあるという和久井が制作をおこなっている場所に向かった。

地下室では、和久井が腹部をペインティングナイフで刺され、倒れていた。虫の息の和久井に、掟上は蘇生措置を迅速に行い、和久井は救急搬送された。結果、和久井は一命を取り留めたのだった。

警察に通報されるまでの間、掟上は犯人を見つけ出し、自首させようとする。和久井がダイイングメッセージを残さなかったことから、掟上は、「和久井さんは、犯人を警察に突き出したくなく、庇いたいと思っている」と推理したのだった。

転:犯人の条件

掟上は、1人1人、アトリエ荘の住人を訪れる。そして、階段の17階と18階の間に血痕が落ちていたことを発見する。

掟上は、和久井が刺された腹部の位置から、「背が低い人物である」と考えていた。そして、アトリエ荘の住民の中で、子供は剥井陸のみであることを突き止める。17階と18階の間に血痕が落ちていたのは、「17階まではエレベーターのボタンを押せるが、それ以降、30階までは階段で登っている」という剥井少年が犯人ではないか、と推理したのだった。

また、自分たちが訪問した際、救急車の音を聞いただけで、和久井の身に何かあったのではないかと考えるなど、あまりに察しの良い態度に疑問を持ったのだという。

結:剥井少年の自首

掟上は、剥井少年が犯人であると親切に告げず、「剥井君が描いてくれた絵をとりに行ってきます」と言う。30分ほどで帰ってくると言ったにも関わらず、なかなか帰ってこないことを心配した親切は、掟上の身を案じて階段を駆け上がって行った。

その途中、掟上が転げ落ちて倒れていることを発見する。気を失った様子の掟上は、今までの推理など、記憶を失ってしまっていた様子だった。そこに剥井少年が現れ、「自首する」と言うのだった。

実は、掟上は階段を踏み外した振りをしていただけであり、気絶していなかったのだった。剥井少年に真相を告げ、その帰りに、自らの意志で自首して欲しいということで、そのような演技を行ったのだった。

剥井少年は、「自分だけ和久井の最後の作品に参加させてもらえなかった」ということで和久井を憎むようになり、刺してしまったのだった。だが、実際はそのようなことではなく、和久井の最後の作品とは、「アトリエ荘の画家たちの多くの作品を使い、一つの巨大な絵とする」というものだった。

剥井少年の絵はクロッキーであり、白黒の絵は今回の作品で不必要であっただけであり、決して剥井少年の画家としての才能を低く評価していたわけではなかったのだった。その誤解により、剥井少年は和久井を刺してしまった。

事件は解決し、親切は掟上に呼び出され、「私の警備をして欲しい」と依頼される。先の事件の際、「掟上ビルディングの警備主任として、親切守氏を推薦します」と、未来の自分へメッセージを残していたのだった。

依頼を受ける条件として、親切は「一緒に美術館に行って欲しいのです」と誘う。和久井の最後の作品を、一緒に見て欲しいと親切は思っていたのだった。

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