映画「特捜部Q 檻の中の女」あらすじ・ネタバレ

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簡単なあらすじ

1) 殺人課の刑事カール・マーク(ニコライ・リー・コス)は、犯人逮捕を急いでしまい、結果、同僚を危険な目に合わせ、自らも負傷して休職する。復職後は、閑職である「特捜部Q」に回される。過去の事件ファイルの不備を訂正する仕事であったが、そこでカールは一つの事件に注目する。

2) 政界に身を置いていた有名人であるミレーデが5年前に姿を消した「ミレーデ失踪事件」は、彼女がフェリーから身を投げて自殺した、と結論づけられていた。だが、遺体も発見されてはおらず、フェリーには弟もいた。「弟を連れて、自殺するか?」とカールは疑問に思っていたのだった。

3) カールは、ミレーデ・ルンゴー(ソニア・リクター)の足取りを追い、関係者に話を聞いて回る。そしてついに、ミレーデを誘拐・監禁した犯人ラス・ヘンリック・ジェンセン(ピーター・プラウグボルグ)を見つけ出す。

4) ラスは幼少時代、一家でクルマに乗っていた。その別車線には、ミレーデ一家が乗るクルマが走っていた。幼かったミレーデは、運転する父親を手で目隠ししてしまい、事故を起こす。その事故に巻き込まれ、ラスは父親と妹を亡くし、母も半身不随でアルコール依存症となってしまった。孤児院で育ったラスは、強い恨みをミレーデに抱いており、彼女を5年もの間、敷地内にある小屋に置いた加圧器の中でミレーデを監禁し続けたのだった。

5) ラスは、カールたちがやってきたことで逮捕を覚悟し、ミレーデの入った加圧器を急激に減圧する。虫の息のミレーデを発見し、カールは彼女を助けようとする。だが、そこに現れた部下のハーフェズ・エル・アサド(ファレス・ファレス)に助けられる。

6) ミレーデは救出され、病院に搬送される。そこで、最愛の弟に再会することができたのだった。カールは、上司から殺人課へ戻ることを提案されるが、断ってアサドとともに特捜部Qで捜査を行うことを望むのだった。

起:特捜部Q

殺人課の刑事カール・マーク(ニコライ・リー・コス)は、犯人の家の前で仲間2人とともに張っていた。「応援を待とう」と言われるが、マークは踏み込んでしまう。結果、仲間とともに撃たれる。仲間の1人は死亡、もう1人はベッドに寝たきり状態となってしまう。

カールは3ヶ月の休職後、復職することとなったが、「刑事課には戻さない」と言われ、未解決事件のファイルの不備を確認する閑職に異動となる。カールは倉庫のようなオフィスに向かうと、そこに部下ハーフェズ・エル・アサド(ファレス・ファレス)が待っていた。

アサドは、未解決事件のファイルを壁に貼り、「どれから見ていきましょうか?」と言う。カールは、その中の1つ、5年前に発生した「ミレーデ失踪事件」に目を留める。彼女は、フェリーから身を投げて自殺したとされていたが、彼女は障害のある弟を連れてフェリーに乗っていた。「自殺に弟を連れていくか?」とカールは自殺という結論に懐疑的であった。

承:ミレーデ失踪事件

ミレーデの乗っていたフェリーに乗り、カールは目撃情報を集める。そこで、「ミレーデの弟・ウフェ(ミケル・ボー・ファルスゴー)が、レインコートを着た男と一緒にいた」との情報を得る。そこでカールは、ウフェがいなくなってしまったため、「ミレーデは弟を探し回っていたのではないか」と考える。

その後、カールたちはミレーデの元同僚に会いに行く。そこで、ミレーデがパーティーに出席した際、「仲良くなった男がいる」との情報を得る。そして、パーティーで撮られた写真を全て借りる。その写真の中から、カールはアサドとともに男性の写った写真を選別し、ウフェに見せる。フェリーに乗った男と、パーティーで一緒にいた男が同一人物ならば、ウフェが見ていたはずだった。

ウフェは、知的障害があり、会話することはできない。だが、アサドの提示した一枚の写真に明らかに反応し、アサドに掴み掛かった。カールは、その写真を元に、名簿でその人物が”ダニエル・ヘイル・ソム・バーン”とであると判明する。

カールとアサドは、ダニエルのもとへと向かうが、彼は沼地で溺死していた。刑事課の課長は、勝手な行動をとっていたカールたちに、「すぐに戻れ」と命じる。だが、粘るカールたちは、ダニエルの検視報告書を見て、写真の男とまるで別人であることに気づく。

ダニエルの友人に会いに行くと、ダニエルの名前を騙ってパーティーに参加した人物は「ラセ」であり、ダニエルと同じ孤児院で育った男であると判明する。 本名をラス・ヘンリック・ジェンセン(ピーター・プラウグボルグ)と言い、ついに犯人と思しき人物にまで辿り着く。

カールは、課長に報告を行うが、莫大な捜査費用を請求されたことに激怒する。「停職にする」と命じられ、カールはアサドとともに刑事バッジを奪われてしまう。だが、カールはあきらめきれず、アサドの毎朝通っているレストランを訪れ、2人で捜査を続行するのだった。

転:ミレーデ失踪事件の真相

ミレーデは、ラスにパーティーで声をかけられた。彼女は、政界に身を置く有名人だった。そんな彼女をテレビで見かけたラスは、ミレーデが自分の人生を大きく変えた人物であると気づくのだった。

子供の頃、ラスは父親の運転するクルマに乗っていた。隣の車線では、ミレーデの一家が乗るクルマが走っていた。ミレーデは、運転する父親を手で目隠しした。その直後、トレーラーとミレーデの父親は事故を起こし、ラス一家の乗るクルマも巻き込まれてしまう。

事故で、ラスは父親や妹を亡くした。母親は半身不随となり、事故によるショックから立ち直れず、アルコール依存症となってしまう。結果、ラスは親戚に引き取られるが、虐待を受けてしまう。彼はその家から逃げ出し、孤児院に引き取られる。そこでダニエルと会ったのだった。

ラスは、イジメてくる子供たちを殴りつけ、無抵抗になっても殴り続けるようになった。孤児院のスタッフは、「キレやすい子」で、ナイフで切りつけられたこともあったと明かす。

ラスは成長し、ミレーデの姿をテレビで見て、あの事故の原因を作った張本人であると気づく。ラスはダニエルの代わりにパーティーへ出席し、そこでミレーデと関係を持った。そしてミレーデこそがあの時の少女であると確信したラスは、ミレーデに復讐を考えるようになる。

ミレーデのスケジュールを把握したラスは、彼女をフェリーの中で拉致することを考える。ウフェを連れ、地下駐車場で待機していたラスは、現れた彼女を眠らせて自宅の敷地内にある部屋に連れて行く。そこには加圧器があり、そこにミレーデを閉じ込める。

気圧を上げた加圧器に、食事を定期的に運びいれ、ラスはミレーデを監禁し続ける。虫歯になっても治療を受けることができず、ペンチだけが与えられ、それで歯を抜かざるを得なかった。監禁は5年にもおよび、ラスは自らが監禁している犯人であると明かす。だが、ミレーデにはなぜラスがそんなことをするのか分からなかった。

結:ミレーデ救出

ラスの家にカールとアサドが現れる。カールは、停職中にも関わらず、刑事と名乗ってラスの母親に話をする。一方、ラスは刑事が来たことで、ミレーデ監禁が発覚すると思い、ミレーデのもとに向かう。そして、事故のあった日付を告げる。それにより、ミレーデはなぜ自分が監禁されていたかを悟るのだった。

ラスは、「時間切れだ」と言い、加圧器内部を一気に減圧していく。ミレーデが加圧器の中で急激な減圧に苦しみつつある中、カールは、ラスの母親が「息子は留守にしている」との言葉が嘘であると考える。

ラスは、敷地内にある小屋の中を見る。すると、外から施錠された部屋から、機械音がしていることに気づく。カールは、ラスがミレーデを監禁した犯人であると考え、任意同行を求める。ラスは、車内で「弁護士を呼ぶまでは、何も話さない」と言う。

カールは、外から施錠された部屋を怪しみ、アサドに「小屋に戻れ」と言う。だが、そこでラスはカールを殴りつけ、アサドを刺して、加圧器のある小屋へと走っていく。カールはふらつく足取りでラスを追う。

異音のする部屋を開けると、そこには加圧器があり、内部に虫の息のミレーデを発見する。カールは減圧を解除し、ミレーデに対して必死に呼びかける。諦めないよう声をかけ続けるカールにラスは忍び寄り、ピアノ線で首を絞める。そこにアサドが現れ、金属棒でラスを殴りつけ、カールを助ける。

ミレーデは、病院へと搬送される。そこにカールたちに連れられたウフェが現れ、ミレーデは喜ぶ。

課長からカールは、殺人課へと戻ることを提案されるが、「今のままでいい」と、特捜部Qにとどまることを望む。そして、部下としてアサドも残して欲しいと願い、「それと秘書を1人」と言う。

刑事バッジを受け取り、カールはアサドに返す。2人は、連れ立って特捜部Qのオフィスへと戻る。

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