簡単なあらすじ
1) 1943年、第二次世界大戦が激化する中、ドイツ軍はヨーロッパ各国で美術品の略奪を重ねていた。価値ある美術品がナチに奪われていくことを知ったハーバード大学付属美術館の館長であるフランク・ストークス(ジョージ・クルーニー)は、ルーズベルト大統領に直訴し、美術品保護を行うための行動を開始する。
2) ストークスを筆頭として、歴史的建造物や美術品を守るチームである「モニュメンツ・メン」が結成されるも、戦争のまっただ中であり、人員が割けないとして、チームはたった7人だった。
3) モニュメンツ・メンはそれぞれ分かれ、ヨーロッパ各国で美術品を保護するために動く。その中で、同じく美術品を保護しようとしていたパリのキュレーターであるクレール・シモーヌ(ケイト・ブランシェット)から情報を得て、美術品のありかを知る。
4) ソビエト軍が戦争の賠償金代わりに美術品を探す中、ストークスらは一足早く大量の美術品を保護する。1977年、年老いたストークスは、孫とともに、数多くの犠牲者によって守られたミケランジェロの彫像を観に行くのだった。
起:モニュメンツ・メンの結成
1943年、第二次世界大戦が激化する中、ドイツ軍はヨーロッパ各国に侵攻し、美術品の略奪を重ねていた。連合国側は、イタリアで枢軸国側との戦いで優勢となっていたが、ハーバード大学付属美術館の館長であるフランク・ストークス(ジョージ・クルーニー)は、「美術品が略奪されるのでは勝っても意味はない」とルーズベルト大統領を説得するのだった。
ストークスは、ドイツ軍から、歴史的建造物や美術品を守るチームである「モニュメンツ・メン」を結成する。リーダーのストークス、メトロポリタン美術館の中世美術品を管理するジェームズ・グレンジャー(マット・デイモン)、建築家のリチャード・キャンベル(ビル・マーレイ)、彫刻家であるウォルター・ガーフィールド(ジョン・グッドマン)、美術商ジャン・クロード・クレモント(ジャン・デュジャルダン)ら7人が、「モニュメンツ・メン」の構成員だった。
占領されたフランスでは、ヴィクトール・シュタールのようなナチの将校たちが美術品の略奪を繰り返していた。パリのキュレーターであるクレール・シモーヌ(ケイト・ブランシェット)は、シュタールの秘書をするふりをしつつ、美術品の行方を注視していた。
レジスタンス運動に参加していたシモーヌの弟が、ナチスのトラックを盗もうとして射殺される。シュタールは、シモーヌも自分たちに背こうとしているのではないか、と疑う。
そんな中、シュタールたちは、パリの戦況が危うくなったことを察知し、美術品とともに逃亡する。美術品が奪われたことを悔いるシモーヌは、シュタールたちから美術品を取り戻したいと考える。
また、英国軍兵士のドナルド・ジェフリーズ(ヒュー・ボネヴィル)は、ナチのウェグナー大佐が盗もうとしていたミケランジェロの聖母像を守るため、殺害されてしまう。
承:ヨーロッパへ
略奪された美術品の保護を行うため、モニュメンツ・メンたちは、ヨーロッパへと向かう。だが、激戦が続く戦争であり、連合国側からも十分なサポートは望めそうにない。
グレンジャーは、信仰のあるパリの国立美術館館長から情報を聞きに行き、他のメンバーはノルマンディーへと向かう。ナチスが連合軍と戦うノルマンディーから、東側へとモニュメンツ・メンたちは美術品を探して移動していく予定だという。
ドイツのジーゲンに奪った美術品が運ばれて行くことを知ったメンバーたちは、ドイツへと向かう。一方、グレンジャーは、館長から「シモーヌに会えば、情報が得られるかもしれない」と知らせる。
リチャード・キャンベルは、プレストン・サヴィッツ(ボブ・バラバン)とともに、農民に扮して調査を行い、シュタールの自宅にロスチャイルド家のコレクションで盗まれた絵画があるのを突き止め、シュタールを逮捕する。シュタールの持っていた地図から、坑道に隠された数多くの美術品が発見されるのであった。
ウォルター・ガーフィールドとジャン・クロード・クレモントは、ドイツ国防軍との銃撃戦の中、命を落としてしまう。
転:シモーヌの接触
シモーヌは、ドイツが陥落したり、ヒトラーが死亡した場合、ネロ指令(敵が入手する前に、ドイツの資財や施設などを破壊する作戦)が実行されると考え、美術品の全てが破壊されるのを阻止すべく、美術品の台帳をモニュメンツ・メンたちに伝えるのだった。
モニュメンツ・メンは、美術品が坑道や城に隠されているのだと突き止める。一方で、美術品をソ連軍が、戦争賠償金として押収しようとする動きもあり、ストークスらのさらなる障害となった。また、ドイツ軍のウェグナー大佐は、命令により次々と美術品を破壊していく。
モニュメンツ・メンは、ある鉱山から16,000もの美術品や、強制収容所の犠牲者から取り出した金歯の山を発見する。そして、ドイツ国庫である資産も発見し、それを取り上げることで、ついにはナチスを破滅へと追い込むことが可能となったのだ。
結:
モニュメンツ・メンは、オーストリアにあり、ソビエトの占領地域になろうとしている鉱山を発見するが、そこは破壊されているようだった。ところが、調べてみると鉱山の入り口のみ破壊されていただけだった。ナチに反感を持つ住民たちは、せめてもの抵抗で、入り口を破壊していただけで、内部はそれほど損傷は受けていなかった。
ソビエト軍に到着を遅らせ、モニュメンツ・メンたちが内部に入ると、そこには英国軍兵士であるジェフリーズが命を賭して守ったミケランジェロの彫像もあった。ストークスたちは、ソビエト軍到着前に、出来る限りの美術品を運び出す。
ソトークスは、ルーズベルト大統領へ「膨大な数の美術品や、文化的資産を守ることができました」と報告する。そして、もうしばらくヨーロッパの復興や美術品を見守るため、滞在したいと申し出る。
ルーズベルト大統領は、「守ることができたものは、失った仲間たちの命に見合うものだったのか?」と問う。ストークスは、きっぱりと「そうです」と答える。
1977年、年老いたストークスは、孫を連れて出掛ける。彼は、戦争の中で、多くの仲間たちが命を落とすも、守りぬいたミケランジェロの彫像を観に行くのだった。
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トリビア
・アメリカでは、2013年12月18日に公開予定だったが、2014年2月7日へと変更された。さらには、日本では2014年秋に公開予定だったが、2015年11月6日に延期されている。
・史実に基づいた映画であるとされるが、登場人物の名前は変えられている。