簡単なあらすじ
1) 井伊直親(三浦春馬)は、今川に呼び出され、駿府での申し開きを行うための道中、今川の兵に襲われて命を落とす。そして、今川氏真(尾上松也)は虎松の命をも差し出すように、と命じるのだった。
2) 新野左馬助(苅谷俊介)らの嘆願により、直平(前田吟)らは松平元康(阿部サダヲ)と戦うことになり、戦地で命を落とす。立て続けに親しい者たちが亡くなり、次郎は自分のせいであると自らを責める。
3) 小野但馬守政次(高橋一生)は井伊に戻って、虎松の後見となることを今川に命じられた、と言う。直親は、小野が裏切ったことに怒りを覚える。政次は、「何度も同じことを繰り返し、井伊は終わるべくして終わったのだ」と次郎に言う。
4) 次郎は、南渓和尚(小林薫)の推挙により、「直虎」と名を変えて、虎松の後見となる。両親に夫婦約束の際に着るよう用意された着物を身につけ、直虎は「我が井伊を治める」と宣言する。
詳細なあらすじ
井伊直親(三浦春馬)は、今川の罠にかかり、松平元康(阿部サダヲ)に寝返ろうとしていることを知られてしまう。結果、直親は今川に駿府へと申し開きにやってくるよう命じられる。
直親はその道中、今川の兵に囲まれてしまう。次郎法師(柴咲コウ)は水行を行い、必死に祈りを捧げ続けていた。だが、掛川城の手前で孫一郎、藤七郎とともに直親は命を落とす。
井伊直平(前田吟)は、「これではなぶり殺しではないか」と今川の無情さに怒りを覚える。一方、次郎は激しい水行で倒れてしまう。南渓和尚(小林薫)は、直親の遺体を見つけ、井伊へと戻す。
次郎は、三日三晩の死地をさまよい、無事に意識を取り戻す。そして、おぼつかない足取りで病床から抜け出し、直親の遺体と再会するのだった。
次郎は、直親に触れようとするが、しの(貫地谷しほり)は「触るでない。私の夫だ!…あの時、但馬を成敗していれば、このようなことにはならなかった」と次郎を責める。
今川からの使いが、「虎松を殺害せよ」との命が下る。直平は直親同様、虎松を逃がそうとする。新野左馬助(苅谷俊介)は自らの命を賭して嘆願へと出向く。だが、氏真(尾上松也)は、「そなたの老いた首などもらっても何の役にも立たん…儂の欲しい首をとってこい」と命じるのだった。
小野但馬守政次(高橋一生)は、氏真に取り入っていた。そんな中、松平の一行の狼藉が元で、一向宗徒の怒りを買い、勢いをそがれることとなってしまう。
直平は、今川の命令で、元康相手に戦うこととなった。そこで、直平は「おとわと一度、酒を酌み交わしたかった…儂は、そなたが男子であればよかったと思った…だが、女子でよかった。そなたとは、逆縁にならずよかった」と言う。
次郎は、酒を飲んだ上で、「なぜこのように生まれついたのでしょう…誰かを守るために戦わず、かといって愛しき我が子もなさず…無用の長物」と南渓和尚に愚痴る。
直平、左馬助、直由らは次々に討ち死にする。結果、政次は戻ってくる。そして、3人の目付けがやってくるのだった。そして、今川は虎松の後見として小野を据えることにしたのだった。
次郎は、政次の井伊帰還に驚く。「みんな死んでしまったのに、なぜ政次だけ助かった?…直親はな、虎松が生まれたとき、それはそれは嬉しそうにしておった。これで、2人で井伊を作っていけると思った。裏切るつもりで裏切ったのか?それとも、裏切らざるを得なかったのか?」と問う次郎に、政次は「恨むのならば、直親を恨め。下手を打ったのはアイツだ」と言う。
政次は、「何度も同じことを繰り返し、井伊は終わるべくして終わったのだ」と言い捨てて立ち去る。
南渓和尚は、次郎を後見に、と提案する。「覚えておるか?あの子は、追い詰められれば、川に飛び込んでまで活路を見出した。…あの子は、女子でこそあれ次郎。次郎の名にふさわしい」と言う。
次郎は、槍を持って小野のもとへと行こうとする。そこで南渓和尚もまた、「儂も行く」と言い出す。
次郎は、「我のせいで直親も死んだ!おおじじ様も…我は災厄をもたらすだけじゃ。我には、災厄をもたらすことしかできない…これ以外、我には何ができると言うのじゃ!」と叫んで泣き出す。だが、そこで小僧に「次郎様は、井伊の竜宮小僧ではございませんでしたか?」と言われる。
南渓和尚は、「悔いて、自らを責めても何も変わらぬ。…亡くなった者を、自らに宿すことができる」と次郎を諭し、次郎は「亀(亀之丞)にこの身を捧げる。亀を宿し、亀となって生きていく」と宣言し、虎松の後見となる決意をするのだった。
母は、夫婦約束の着物を次郎に言う。次郎は、「直親は、戻ったら一緒になろうと言っておったのじゃ。こういう意味だったのでは」と言う。そして、南渓和尚に推挙され、次郎は「直虎」と名を変え、井伊を治めることにしたのだった。